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美少女詐欺で今日も生きる  作者: 原竜胆
第一章・美少女だから楽勝!!!!のはずが
4/4

美少女詐欺

私の作品は、毎度毎度、思いつきでキャラを出して、キャラクターを活かし切ったことがないんですよね……。

一度出たら、そのシーンのみの登場で、再登場しないと言うか。

そもそも回想が多い。

回想のためのキャラと言うか。

あと付けで設定を生やしているせいかと思われます。

精進しますです。

 一人部屋をゲットし、快適な寮生活を送っていた。

 部屋に画材を持ち込み、授業が終わると(こも)って夕食の直前まで粘る。


 ノックの音で現実に引き戻された。

 この部屋に人が訪ねてくるのは初めてだ。

 早く続きを描きたいので扉へ行くのも足早になる。

 ちょっなんでこんなところに荷物が。早く出たいのに()けそうになるだろう。

 もちろん散らかしているのは私しかいない。

 無責任な文句だ。


「どうしましたか」

 扉を開けて、出る。あまりに部屋が汚いので、部屋の中が見えないように後ろ手に閉めた。

 相手はじっとこちらを見詰めてきた。

 誰だろう。

「ミリルさん?」

 当たったようで、おかっぱ頭の大人しそうな彼女は、(うなづ)くと控えめな声で言った。

「入ってもいい?」

「どうぞ」

 反射で答えてしまったが、もちろん部屋は汚いままだ。

 ミリルを招き入れるが、座ってもらえるような場所はない。仕方ない。用件を済ませてもらう方向に転換しよう。

「えーっと、久しぶりだねえ。今忙しくって。宿題が終わんなくってさあ。難しい問題なんだよね。ほら馬鹿だし。ええっと、何か用事?」

 何か用事ってなんだ。もっとましな言い回しはないのか。直球か。気不味い。

「ううん。フィンちゃんが困ってないかと思って」

 普通に様子を見に来てくれたようだ。一般的な親切な人だったか。何で来たんだとか穿(うが)ってしまわなくて良かった、セーフ。

「うーん、まだ慣れなくて」

 ホルさんが言っていたことを拝借してしまった。難解な会話は陽キャの語彙に限るな。ありがてぇ。

「美術の宿題?」

 そういえば出しっぱなしだった。

 堂々と部屋の中央にイーゼル。そりゃ気付く。

「これは、あー、宿題というか」

「大変そうだね」

「そ、そそそそうかな」

「美術の授業まだだけど、出来るかな。心配」

「大丈夫だよ」

 キャンバスに描くようなことはたぶんないし。予算上も考えづらい。たぶん粘土とかだろう。

「あのね、お母さんから連絡来てて」

「うちも」

 食い気味に答えてしまった。落ち着け。

 しかし、それからミリルの様子は、ホッとしたように見えた。

「それでね、」


 ミリルとは夕食になるまで話し、その間にいつの間にかベッドへの道がミリルの手によって(ひら)かれており、何がどこにあるのか謎だった室内が簡単ながら仕分けされ、まだまだ汚部屋(おへや)ではあるが生活の基盤は存在していそうな空間に様変わりした。


 洗濯物がひとまとめにされただけでもだいぶスッキリしたし、途中でミリルが消えたかと思うとバスケットを持って現れ、洗濯物がそこに詰め込まれた。紙類は机の上に集められた。これが定位置ってやつか。


「窓開けないでね」

「開けないよ」

 残念そうなものを見る目をされた。

 分かっていないのがバレている。

「風で飛ぶから。早く書類、何とかしなね」

 そういうことか。

 まあ、絵が乾くからやっぱりどうせ窓は開けたくないんだけど。


「元気そうでよかった。思ったより明るそうだし」

「そう? 暗めかと思ったけど」

「思ったより、ね。ホントに大丈夫? ブスって言って振られたそうだけど」


 姉になってほしいと頼んで断られたことになっていた。

 ミリルの訊き方は、おずおずといった感じだった。

「フィン。こんな事、訊いちゃって、あたしのこと、嫌いになったかもしれない」

「なってない。あと、ありがとう」

 それはそれとして、詳しくは知りたくないと直感する。余計なことのような予感だ。

「ミリルは、伝えたほうがいいと思ったんじゃなく、聞かせないために確認に来たんじゃないの」

「そうかもしれない」

「違うの?」

「……」

「ミリルちゃんって呼ぶ?」

「ミリルでいい」


「夕飯食べよっか」

「いいね。お腹すいた」

「フィン、食堂の当番、今度する時はフィンもね」

「え゛」


 「学園で一番の美少女になったら、これから、嘘じゃなくなるね」

 夕飯を食べながら、ぽつりとミリルが言った。

 不可能なことをおっしゃっている??

 美しさなら誰にも引けを取らないと、上級生を口説いたとか。本当に私の話かな。

 ミリルはブスではないし、磨けば光るタイプだろう。しかし、ブスの私は流石に。

 お金の掛かる学園に入ってきた理由を訊いてもいいだろうか。今度、どちらかの部屋に行った時に訊こう。食堂では耳目(じもく)があるし。

キャラが増えると、把握しづらいのでメモしようかと。


フィン

主人公。


ホル、モモ

同クラ(フィンから見ると隣のクラス)。


ミリル

同級生。フィンの母の友人の娘。五歳くらいの頃にフィンと遊んでくれていた。

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