太陽を直接見ては絶対ダメ
トカラ列島で地震が頻発していることで、いつ大きな地震が来てもおかしくない状況。
去年は石川県を襲った能登半島地震が記憶に新しいですが、
あの時は元旦でお正月の料理を作っている最中だったから
まさかこの日に起きるなんてと恐怖に思いました。
東日本大震災の時もそうだったけれどもテレビやネットとかで現地での映像を見るのが心苦しかった
これだけ情報が早く手元に入るようになったからこそ状況把握できる反面
残酷さを感じることもあるから、もし自分の地域で大地震に遭ったらと考えると
余計に心配になってしまいます。自然に逆らえない分、命を守ることを優先する。
実際に遭遇したらその行動ができるのか自信ないけどね。
日頃の備えだけでもしっかりしておきたいところ
たくさんの参列者に握手や感謝の言葉を受けながらアルヴァンは早く逃げたいと思っていた。
最初、俺は教祖か神になったんじゃないかと悪い気はしなかったが、この街に留まってほしいだの、この街のシンボルとして崇めたいだの、次第に面倒くさい要求が聞こえるようになり、さすがにこの場にい続けたらそれこそ束縛されてしまう。
アルヴァンは一通り参列者があいさつを終えた瞬間、急いで教会を出て行った。その後をエスリー含め参列者が追ってきたがアルヴァンは瞬間移動で教会の屋根へと移動し隠れた。
「アルヴァン様、何かありましたか?」
シドは昨日から様子のおかしいと思いアルヴァンに問いただした。
「別に何でも・・・あるか。」
「ノスタルジーな気分にかぶれたんですか?それでセンチメンタルに。」
「そんなんじゃない。おまえは止まっていたけれども、墓参りしたときケツァルコアトルに会った。」
「えっ?そんな都合のいい事って。」
「あぁ、呼び水が良かったみたいだ。それで、結論から言って約束の日までにテスカトリポカの鏡を見つければいい。それしか方法がない。」
「急になんで鏡が出てくるんですか?」
「テスカトリポカが儀式に使うための鏡だそうだ。依り代とその鏡がテスカトリポカがディオに課した条件だ。」
「それで、鏡はどこに?」
「知らん。」
「じゃあこの世界はエネヴァーのものですね。不本意ですが。」
「そうなるかもな。」
「やけに潔いですね。本当にどうしたんですか?」
「前にも言ったが俺らはもうすでにテスカトリポカの手中だ。それで、あいつは言った次の遊び相手は俺だって。」
「急にテスカトリポカの話になりましたが、全く話が見えません。」
「テスカトリポカはケツァルコアトルを監視していたんだ。ケツァルコアトルが消された後でテスカトリポカが現れて警告しに来た。ただ、どうやら俺はあいつらと会ったことがあるみたいだ。」
「アルヴァン様、神と知り合いなんですか?」
「知らん、覚えていない。」
「それで、アルヴァン様がテスカトリポカの次のターゲットだと・・・モテモテですね。」
「そんなんじゃねぇ。それにあいつの玩具になるなんて御免だ。」
「それで、何か手掛かりがあるんですか。」
「一先ずは、約束の日がいつになるのかをカイノスへ調べに行く。あそこなら天文学に詳しい所があるだろう。」
「天文学?」
「ケツァルコアトルは昼間なのに夜になる時と言いかけて消えてしまったが、普通に考えてそれは日食だろう。近いうちに日食がおこるその日を調べに行く。」
「なるほど、そういうことでしたか。」
「エスリーには悪いがさよならだな。また、落ち着いたら会いに来るかな。」
皆、アルヴァンを探し続けていたが移動魔法を唱えてオリエンティから去っていった。
アルヴァンはカイノスのとある場所に向かっていた。それは王立の魔導士学校だった。国の名門校として優秀な魔導士たちの卵がここに通っている。学校としての機能だけでなく研究機関としても存在し、その研究されている学問の中で魔法占い学という星の配列と惑星や日の動きによって未来を予言するものがある。そこへ行けば日食の日も分かると思いここへやって来たのだが名目上は学校視察で訪れることになった。
アルヴァンはちゃんとカイノスの門を叩いて入ろうとした。
その際レノヴァの部下の魔導士が直接入門を許可してくれたがやんわりと
「魔導士学校を視察してみませんか?」と誘われた。
最初は首を横に振ったが、その魔導士は諦めず執拗に学校の話を長々と話されてアルヴァンは目を細めていたがその話の中で魔法占い学の話を聞かされた時そこへ行けば日食の日が分かるかもしれないと仕方なく首を縦に振ったのだった。
その学校はカイノスが建国した後、最初は魔導士の訓練や交流に用いられた場所だったが次第に後世によりよい魔導士を残していくことを目的として学校として今の形となった。アルヴァンが到着して見渡すとこの学校の敷地は円形になっていて建物もドーナッツ型に作られていた。校庭の一画で魔法発動の練習をしている生徒たちや授業なのか、魔法をコントロールして遠くに設置してある輪に魔法を通していた。
案内してくれる魔導士は授業のことや学校の詳細についてアルヴァンにずっと話かけ続けているが、アルヴァンは全く興味なく完全に受け流していた。さすがに聞いているのも鬱陶しくなったので魔導士が見ていない隙に逃げ出した。魔導士から逃げきった後アルヴァンは正面の玄関の案内板を見ながら魔法占い学の研究室を確認して向かった。
魔法占い学の部屋を見つけ入ってみると数名の研究員が黒板に向かって星の運びについて書きながら互いに意見を交わしていた。一人の研究員がアルヴァンに気づいて近づいてきた。
「君は・・・魔物?・・・あぁ!テトさんじゃない?!君!」
『なんだこいつ。馴れ馴れしいな。』
「ここは魔法占い学の研究室だけど何か用ですか?」
『そうだな・・・どう伝えればいいのか。』
アルヴァンは黒板の前に行き机を寄せて絵を描き始め、そこにいた研究員たちは興味津々になって見ていた。アルヴァンが黒板に書いたのは太陽の絵で次にそれを塗り潰した。研究員たちは互いに見合いながらも一体何を伝えたいのか分からなかった。
しかし、一人の研究員は「日食?」と答えたときアルヴァンは深く頷いた。
「そうか、日食について知りたいのか。日食は太陽が月に隠れることで起きるんだ。最近だと部分日食があったからな。」
『次の日食がいつなのか知りたいんだが。』
アルヴァンはジェスチャーして次の日食の日取りを聞き出そうとした。
その様子を見ながら研究員は首を傾げたが
「何を伝えたいのか分からないけど日食が見たいのかな?なら、残念だけどかなり先だよ。次の日食は104年後だよ。」
『えっ?』