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テト  作者: 安田丘矩
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めんどくさい奴はササっと回避するのが一番

知らぬ間に溜まっていってしまう物ってありますよね。

お菓子の箱や紙袋、ちょっとした試供品など

人に何かをおすそ分けするときに、小物入れにとか、

後で使えるからと取っておいては数年、どうしてこんなに溜まったんだと驚く。

あの時捨てられなかったのに今は簡単に捨てられる不思議。

こういう物を取っておくのもセンスだと思う。

具体的にいつ使うのかが分かっていて回転率が高ければ溜まることもない。

そうか・・・箪笥の肥やしになるだけで使用するにあたっての頭が足りないのか。

そういう人はやはりきっぱりと捨てるを選択した方がよさそうですね。

ドラゴンたちと別れたアルヴァンはレオを探しに戻るとドラゴンと戦っていたところには姿はなかったが、何人かの兵士がドラゴンの死体の前に集まり何か話していた。


「そうか、あいつ捕まったのか。達者で暮らせよ。」


「よろしいのですか?」

シドはアルヴァンに問いかけた。


「助け出す道理もないだろ。それにあいつ自分の力に気づいたことだし。それと俺がここまで連れてきたことも。」


「フィンクス様が言ってたこと、そしてそのカギを握る者ですか。」


「まぁレオはとりあえずほっといて大丈夫だろう。優先すべきはケツァルコアトルの行方だ。」


「スターフィッシュに聞くのが一番手っ取り早いと思いますが。」


「敵地に乗り込めと?」


「わざと味方のふりをして探るのはありなのかと。メージと接触する可能性があるのは解せないですが、スターフィッシュも我々が追っていることに気づいていないですし。それに、直接私たちが乗り込まなくても内通者を立てるのもありかと。」


「それは嫌だ!」


「なぜです?」


「生理的に無理。あいつが。」


「・・・。」


「一先ず、研究室へ向かう。このことについてあいつらと情報を共有しておく必要があるからな。」




シドは特に何も返さず、アルヴァンは研究室へ向かった。はずだった。

アルヴァンが到着したときには研究室が消滅していた。そこは、空洞だけが広がり何もなくなっていた。


「行き止まりが消滅している!」


「誰かがこじ開けようとしたか・・・もしくは。」


「やっぱり来たな。アルヴァン。」

アルヴァンとシドが振り返るとそこにはエリーゼが立っていた。歩みよりながら話しかけてきた。


「残念ながら、そこにいたお仲間は排除させてもらった。これ以上、ウロチョロされるのはごめんんん!!!」


アルヴァンはカエルからメティスを取り出し、メティスは察したのかエリーゼに向かって炎を浴びさせた。その炎に向かってアルヴァンは水魔法で放水し水蒸気が立ち込めた。


「てぇめぇ!!何しやがぁああああ!!!!」


アルヴァンは雷魔法と移動魔法を同時に唱えて、移動魔法が発動するタイミグで雷魔法を発動して逃げた。当たりは爆発し吹っ飛ばされたエリーゼはしばらく感電して動けなかった。


エリーゼはようやく意識が戻って辺りを見渡すと瓦礫の山とボロボロになった自身の姿に言葉を失った。次第に怒りがこみあげそして・・・

「あいつぅうううう!ぜってぇぇゆるせぇねぇぇぇぇええええ!!!!」

周囲に怒号が響いた。




アルヴァンはギンガル郊外の山に移動した。そして、すぐにマジックボムを仕掛けて山を下り始めた。


「アルヴァン様、エリーゼさんと話をしなくてよかったのですか?」


「馬鹿言え!あの女に時間を与えるとマジでヤバイ。奴の『魔法にかけられて(ドリームワールド)』に飲み込まれたらまず帰ってこれなくなる。話なんかしてたまるか。」


「けど、あれでは恨みを買いますよ。明らかにただじゃ済まないと思いますが。」


「大丈夫だ。奴は死にはしない。まぁすっごく殺しに来るだろうけど。」


メティスが割って話した。

「まぁ今回に関しては正解だな。あの女はやばい。同じ幽霊系だけれども底知れぬ黒いものがあの身体から滲み出てたぞ。」


「メティスが言うんだから間違いないだろう。」


「大丈夫でしょうかね。研究室の皆様。」

シドはボソッと言った。


「行き止まりは消滅したら中身はどこかへ飛ばされる。無事ではあるけれどもどこに行ったのかは分からない。」


「味方がいなくなるのも痛手ですね。しかも、有力情報が手に入ってなおさら・・・。」


「俺たちで何とかしないといけないのか・・・。それに研究室に星形の石を渡してある。どうしよう。」


「むしろ、安全なのでは。」


「そうだな。さて、これからどうしようかな。」


「後どれだけの猶予があるのかもわかりませんし、下手にここから離れることもできませんね。」


「今こそ、我の配下の力量が試される。」


「丸投げですか?」


「そんなつもりはない。今頼れるのがシドとメティスしかいない。頼りにしているってことだ。」


「調子いいことを。」

メティスがボソッと言った。


「それでアルヴァン様、結局手掛かりはないままですがどうしますか?」

シドが問いかけた。


アルヴァンは少し考えた後で何かを思い出して言った。

「そうだな。とりあえずお墓参りでも行くかな。」


「なぜこの期に及んで?」


「思い出したんだが、カイノスが生まれ育った村、今はオリエンティという英雄が生まれた街となっている。俺がミランダたちと一緒に暮らすようになった教会はあの当時のまま保管されていて、カイノスとミランダはそこの墓地に眠っている。そして、その教会で崇拝していたのはケツァルコアトル神だった。」


「何という奇遇ですか。けど、そこに手掛かりはあるんですか。」


「ない。ただ、王からもらった手紙を読んだらミランダの墓参りをしたいと思っただけだ。」


「カイノス様は?」


「あいつに労う言葉なんて一つもない。ただでさえ、親不孝なのに。」


「一応、アルヴァン様への懺悔が綴られていたと思ったんですが。手厳しいですね。」


「まぁ他に思い当たることなんてないんだ。せっかくだから行ってみようと思う。」


「私たちはどこへでもついて行きますよ。まぁどうせ行かざる負えないってだけなんですけどね。」


メティスも頷いた。


「おまえら、それでも・・・。もういいや、同じことを何遍も言うのはだるい。気を取り直して早速向かうかな。」


アルヴァンはメティスをカエルにしまい、オリエンティへ移動した。


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