思っていたのと違うんだが・・・
今日は茎ブロッコリーの生育が芳しくなくチョウチョさんの産卵場になっているため
撤去して新たに秋ナスを植えるためにホームセンターへ行ってきた。
やはり、もう野菜の苗も少なくなってナスの苗も良いのが減ってしまっていた。
ちなみにもう、すでにナスは3本植えているんですけど、これから植えれるものって
他にオクラやピーマン、かろうじてトマトくらいだから、
ならナスの方がよく食べるから植えることにした次第です。
千両、中ナス、庄内ナス、米ナスと種類豊富。
今、米ナスがいい感じに大きくなっているので是非、焼きナスと味噌で食べたい。
耕し直して新たに植えたんですが・・・
結局、草むしりや他の野菜などに肥料を与えて一日作業で終わりました。
準備は整った。この猛暑を越えておいしく実ってくれ!!
そして、アルヴァンは本題を切り出した。
「あのさぁ、俺がここに来たのは一人の人間がドラゴンに挑みに来たんだ。誰かそいつと戦ってほしい。」
「そんな愚かな奴がいたのか?以前人間が挑みに来たのはこの間か?やけに統率の取れた連中で、若い衆の一頭が驕って突っ込んでいった挙句に死んでしまったな。」
おそろく、レノヴァのことを言っているんだろう。『この間』って、長命のスパンで考えるとそんなものかと納得した。
「そいつが訳アリの奴なんだ。だから・・・。」
「そいつはお前より強いのか?」
「強いかもしれない。普通に攻撃は効かない。」
フィンクスは笑った。
「そうかそうか。なら、我が行こう。」
仲間のドラゴンは驚き皆フィンクスを止めようとした。
「じいちゃん!なんでだよ。そんな相手しなくてもいいだろう。」
「馬鹿言え。この悪魔より強い奴だぞ。挑まないでどうする。それにもうワシも長くない。ならせめて自分の死に方くらい決めるわ。」
アルヴァンは言い合っているドラゴンたちの間に割って話しかけた。
「だから、もう少し生きてやれよ。身勝手だぞ。」
「そもそも、焚きつけたのはお前だぞ。それをやめとけって言うのは筋違いなのでは。それに、最期くらい父様にいいとこ見せたい。」
「漢ってやつか。」
「そもそも、ドラゴンという生き物は己の高みを目指すものだ。その命尽きようとも最期まで我であることを望み続けるのだ。」
アルヴァンは、隣で聞いていた孫に問いかけた。
「じいちゃんはそういっているけど孫はどうなんだ。」
「じいちゃんは強いよ。けど、ずっと命を大事にしろって言ってきた。曾祖父が亡くなった教訓から人間を侮るな、とかドラゴンとして生き続けることを群れに言い続けた。ここにいる皆がそうだ。じいちゃんがいたことで普通は群れることのないドラゴンも共に生活することができている。そんな存在を死路へ向かわせるなんてできない。」
「あの小さかったのが本当に立派になったんだな。それなら、そうと行かせてやれよ。」
「何を言うか!」
「お前ら分かっていない。生き物は死ぬんだ。お前らが寄り添って生きてこられたのはこのじいさんがいたからかもしれないが、いつまでも甘えていてどうする。この後またドラゴンたちはバラバラになって暮らしていくのか?本能のままに欲望のままに殺したり、命を捨てに行くのか。正直、お前らが寂しくなるから少しでも長生きしてほしいとは思うけど、お前らも未来を生きる覚悟が足りない。ちがうか?」
「一々うるさいな。そんなの分かっている。」
「孫、古い教訓は別に途絶えてもいいんだ。必要なくなる時が来ることだってあるからな。けど、それを途絶えさせないでいることはその存在がまだ心のなかで生き続けたいと思うことなんだ。それは強さであり、今後未来を生きるための糧だ。」
孫は黙ってしまった。
「だから、それを踏まえてじいさんにちゃんと伝えろ。それがお前が歩む未来への覚悟だ。」
孫は少し考えた後でフィンクスに話しかけた。
「じいちゃん、生きるってつらいね。」
「ティルド。それがお前が見出した生きる意味なんだ。けれど、生きている間に、見たもの、触れたもの、感じたこと、たとえ意味のないことかもしれないけれども、己自身が初めて出逢えて、手に入れたものすべてが今のお前につながっている。それはワシも同じ事。かと言って、命を蔑ろにしようとするワシをとがめるお前の気持ちも分かる。けど、ワシも一つの生き物として守りたいんだ。己の誇りを。」
『孫って名前あったんだ・・・。』
「俺はそれを許したくない。だって、じいちゃんがそう教えてくれたから。」
「まぁ教えたのはそこの悪魔だけれどな。」
アルヴァンは視線を逸らした。
「あと、お前は何か誤解をしているようだが、ワシは死路だとは思っていない。強者を相手にしても必ず勝つ。それがドラゴンだ。」
「ほんと、バカだよ。じいちゃんは。」
二人の間に割ってアルヴァンも話しかけた。
「頑固さは生まれたときから変わっていないんだろう。よかったな、お前のじいちゃんで。」
二頭は頭をすり合わせた後、フィンクスは立ち上がり洞の外へと歩き出した。外へ出るとフィンクスはアルヴァンを背中に乗せて空へと飛びだった。仲間もその戦いの様子を見守るためその後に続いて飛び立った。
レオを置き去りにしたところに近づくと遠くに一頭のドラゴンが風の刃を吐き出しているのが見えた。
「おい、誰かが戦っているぞ。」
フィンクスが言った後で、アルヴァンはピントレンズを発動し様子を伺った。レオが茂みに隠れ、ドラゴンは旋回して攻撃態勢に入っていた。
「あのドラゴンはなんだ?」
「違うところのドラゴンだ。あいつらは本能に忠実だから、獲物を見つけて攻撃を仕掛けたんだろう。それと、あの伏せている人間なのか?」
「ドラゴンってここだけじゃなかったのね。」
「あぁ、縄張りを広めようとここまでやってくる奴がいるからな。それより、あの人間は大丈夫なのか?本当に強いのか?」
フィンクスはその場で止まり戦いの様子を伺うことにした。
「そのはずなんだけど、戦闘力は本来ゼロだ。」
「それでは勝ち目がないのではないのか?」
レオは覚悟を決めたのか立ち上がりドラゴンに向けて剣を構えた。
「あいつ目を閉じてるぞ。」
アルヴァンは、その様子を見ながら言った。
「あぁやっぱりそうなんだな。」
ドラゴンが突撃してくるのをレオは躱さずにただ剣を上へ構えそして振り下ろした。ただそれだけだった。ドラゴンはぶつかる手前で胴と右翼の間を負傷した。
「今何をやったんだ?剣が触れていないぞ。」
「あれがあの人間の持っている力だ。『理の強制』だ。」
「イカレタ能力だな。」
「同感だ。」
レオはドラゴンが放った炎の息に臆せずに横に切り裂き、続け様に放った炎を次々に切り裂いた。後がないドラゴンはレオに突進していったが再び目を閉じて剣を上に構えて振り下ろした。ドラゴンの頭はレオに衝突する前に縦に切り落とされた。レオは剣を落として自身の掌を見つめていた。
「剣でドラゴンの頭が切れようか!」
「ンなこと言われてもそういう力なんだからそういうことだろ。」
「いや、まったく分からんぞ!俺はあいつと戦うのか?」
「・・・。命大事にな。」
アルヴァンとフィンクスは住処に引き返した。仲間のドラゴンと途中合流したがお互い黙ったまま一緒に帰って行った。