頭より体が動く人の方が人生楽しそう
6月で35℃を越えるってどういうこと?
この暑さ自体数年前から経験済みだけれども、6月からこの暑さってなかなかやばいですね。
やはり、すこし頭が痛くなったものの安静にしていると痛みが治まりました。
何とか対策していても日中陽の下で作業するのはまぁ堪えるし、
長時間なんてやってたら死亡フラグが立ちそう。
熱中症で怖いのは、熱処理ができなくなって身体が動けなくなること。
保冷剤パックを体に当てたりしてしのいでも心もとない。
はぁまだ3か月以上はこの暑さが続くのかぁ・・・しんどい。
ギンガルに戻って早々、ユリアがアルヴァンに相談を持ち掛けてきた。
「アルヴァンさん。レオさんがドラゴン退治の件で思い詰めているの・・・。」
「それで?」
「お父様にも昨晩無茶なことはやめて欲しいと言ったけど、意思は変えないって意固地なのよ。」
「じゃあ、結婚は諦めるんだな。」
「アルヴァンさん、冷たい。」
「冷たいも何も、それを受けるか受けないかはあいつの判断だろ。なら、あいつか意思決定に委ねられるだろ。」
「そうだけど。そもそも、無理な約束じゃない。ドラゴン退治なんて。」
「だから、お前のおやじは結婚させる気なんてさらさらないんだろ。」
「アルヴァンさん。手を貸してほしいの。」
「断る。俺が手を出したらダメって書いてあったんだろ。」
「ドラゴンを退治するときの話でしょ。それ以外だったら問題ないわ。」
「嫌だね。お前は知らないかもしれないけど、ギンガルに来てあいつに戦いを教えてほしいって言ってほぼ敵から逃げ出してきた男だぞ。どう指南すればいいんだ?逆に教えてくれ。」
「わかったわ。レオさんと話してくる。」
ユリアは少しムッとしてレオの部屋へ向かって行った。
「アルヴァン様の意地悪。」
シドが茶化した。
「どうとでも言え。ただ正直、あいつの持つ能力を確認するためにも戦わせるのもありかなって思うな。」
「王の依り代としての能力ですか。」
「そう。俺もディオの能力は把握しているわけではないけど、意志の強さがその行動を実現させるって能力だったと。」
「またまた抽象的な能力ですね。」
「ただ、右頬を殴ったら当たる。腹部を切りつけたから切れる。そんな感じでただ、当たり前のことでも念じれば100%命中する。」
「それ最強じゃないですか。」
「俺はその攻撃を避けたことがあるけど、どうして避けれたのかは分からない。普通は命中しているはずなんだとディオが驚いていたな。」
「じゃあ100%じゃないですね。」
「おそらく条件的なものが存在するんだろう。とするとあいつも同じように攻撃して当てることができるのであれば間違いなく王の依り代だ。」
「ところで、ユリアさんにはどうします。」
「この事か?黙っておく。」
「よろしいでしょうか?」
「王の依り代って聞いたところであいつが身を引くとも思えないし。それに・・・おそらく、レオは消失するか、死ぬかのどちらかの線が濃厚だと思う。」
「たとえ、結末を知っていてもですか。」
「最期くらい普通に人間らしく暮らせればいいんじゃないか。この運命からは逃れられない。」
「無常ですね。」
「魔物がそれを言えるかよ。」
「けれど、ユリアさんに恨まれそうな・・・。」
「この土地で暮らすということはそういうことだ。それでも生き続けたいのであれば生き物として行動するしかない。それは俺らと同じだ。」
アルヴァンは家から出て行った。無言でシドは付いていたがアルヴァンに話しかけた。
「ところでアルヴァン様はどちらへ?」
「そんなの牛舎に決まってるだろ。」
「・・・まぁ、生き物として行動していますけど・・・ねぇ・・・。」
シドはそれ以上追求せずそのまま黙った。
アルヴァンはテスターさんにあいさつした後、瓶にミルクを絞るついでに牛の寝床に藁を敷き、さらに藁を束ねて水牛の背中を擦り世話をした。
「お前らも大変だよな。人間にこき使われて。」
「ウモォー。」
「そうかそうか。えさに困らない分快適だったのか。」
「モーぉ。」
「首元がかゆいのか?よしよし。」
アルヴァンは首元を擦り始めると水牛は嬉しそうだった。頭を下したのでアルヴァンはそっと撫でであげた。アルヴァンは後ろに気配を感じ振り向くとレオが立っていた。テスターさんが気づいてレオに話しかけていた。
『あいつ何しに来やがった?』
レオはテスターさんと話し終わるとアルヴァンに近づき話しかけた。
「テト・・・。あのさぁ、俺に戦いを教えてくれないか?」
『聞こえんな。自分で何とかしろ。』
「そりゃあ怒るよな。実際、戦う機会だってあったというのに全部テトに任せてきたから。」
『よりにもよってお前が王の依り代だなんて本当についてないな。・・・もう一層のこと何もしないでドラゴンに挑みに行ったほうがいいんじゃねぇか、おまえ。』
アルヴァンは持っていた藁を放り投げて、レオの横を素通りしていった。牛舎から出たアルヴァンは今晩にでもレオをドラゴンが住むエンボス山に飛ばすことにした。
レオが寝静まった頃、部屋に侵入した。
「さてと、飛ばすかな。」
「このままですか?」
シドはアルヴァンに問いかけた。
「むしろ何が必要なんだ?ディオと同じ能力を有するのであれば何もいらないだろ。」
「アルヴァン様って鬼ですね。」
「こいつに何の慈悲も必要ない。それに、俺らはこいつの能力を確認したいだけだ。お前も、以前にだいぶ扱いひどかったじゃないか。」
「そうですけど、今はエネヴァーも狙っている重要人物ですよ。」
「ならどうすればいいんだ。剣の一本だけでも持たせろって言うのか?」
「おそらく、ドラゴンは倒されるでしょう。問題はその後だと思います。倒した場合、レオは王都へ招待されることになると思います。」
「・・・うわぁ余計めんどくさくなるな。」
「それでも飛ばすんですか?」
アルヴァンは少し考えた末に
「飛ばす。俺は正直後のことはどうでもいい。能力を確認できればオーケーさぁ。」
「はいはい。もう好きにしてください。」
アルヴァンは移動魔法を唱えレオをエンボス山まで飛ばすのであった。