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テト  作者: 安田丘矩
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一日のはじまりは一杯のコーヒーから

車の運転になると人が変わることありますよね。

今日、ゆうパックの配達軽が前を走っていて、踏切の前で一時停止するんですがそれが長くて

「おいおい、さっさと行け。」とそいつが通過したとたんに踏切の音が鳴る

「おい!お前いい加減にしろよ!!」って中指を立ててしまう。

偶然だけど、このたらたらして運転している感じが癇に障る。

よくあるのが高速道路。追い越し車線で明らかに遅い車がいて

さっさと右に戻ればいいものの走り続ける車。後続車が連なってしまう。

右に入っても速度を上げて入らないからこっちが加速をつけないといけなくなる。

あれは・・嫌がらせ?何かを試されているのか?

むしろそういう車って事故の原因になるからやめてほしいのだが・・・何とかしてくれ。


アルヴァンの一日


6:00 ユリアの腕を解いて起床


そのままテスターさんの牛舎に行って牛乳を拝借。その足でマアサの家へ行きマアサに牛乳を渡す



7:00 マアサの家で朝食を取る


フレッシュチーズ、葉野菜とベーコンをパンの上に乗せ、甘辛ソースをかけて食べる。そして、搾りたての牛乳もあわせて飲む。



8:00 テスターさんの家で朝食を取る


パンケーキに牛乳を泡立てて作ったクリームを乗せて食べる。一緒に奥さん特製のエッグタルトも食べる。食べ終わるといつも奥さんはハーブティを出してくれる。柑橘系の香りでさっぱりして食後のひと時を過ごす。



9:00 バルで朝食を取る


クレアが仕込んでいたウサギ煮込みを食べて出来を知らせる。そして、昨日の残り物のおかずを出してもらいすべて平らげる。食後はブドウのジュースで口直しする。



10:00 パン屋からパンをもらい、教会へパンを配達


ギンガル唯一のパン屋で食パンを一斤もらう。バスケット一杯のロールパンをもって協会へ行く。教会のシスターにパンを渡して、ニンジンのパウンドケーキをもらう。教会の庭に咲く巨大朴の木の花をクッションにして間食する。



11:00 カトレアに捕まる。愚痴を聞かされる。


カトレアはアルヴァンにパーティの愚痴を話す。屋台で買った揚げ菓子を買ってもらい聞きながら食べる。


突然、思い出したかのように先日手に入れた魔獣の角を見せられアルヴァンが加工する。加工した角はアルヴァンの魔力負荷をかけたことにより、手のひらに収まるくらい小さくなったものの橙色に光始めた。


「テトさんすごーい!これどうなってるの?」


アルヴァンは少し考えた。

『魔力負荷を与えるとその能力者の魔力が色として現れて輝くけど・・・。特別何か付与されているのか?』

アルヴァンはカトレアの方を向いて首を傾げた。


「そっか。けどすっごく綺麗。ありがとう。これをペンダントにして持ち歩こうかな。」

カトレアは嬉しそうだった。



12:00 マアサの家で昼食


特等席に座り、ナイフとフォークをもって待つ。最近のお気に入りはジャガイモを蒸かしてバターとチーズを溶かして食べる。今日はニンジンとラディッシュのポトフと川魚のムニエルだった。


最近はギンガルで魚を養殖する業者が現れ安く提供してもらえるようになった。身がしっかりしている割に程よく嚙み切れ脂がのっている。この日丸まる魚二匹分のムニエルを平らげた。




13:00 警備隊基地で魔物を食べる


討伐してきた魔物が持ち込まれ素材にならない肉の部位をゴーダンからもらい、基地の裏の空き地で早速焼いてみる。今日の魔物はオオカミの魔物三匹分。


「今日は何を作るんだ?出来たら食べさせてくれよ。」

ゴーダンはその様子を楽しそうに見ていた。


『えー独り占めしたいんだけど・・・。まぁ肉くれたから仕方ないな。』


アルヴァンは比較的取りやすいハラミの部分を切り取り、香草と塩でよくもんで少し寝かした後でとがらせた木の棒に肉を刺して焼いていく。その間に切り取れそうな肉を剥ぎ取り、残った骨に付いた肉は大なべをカエルから出して水と八角の実、玉ねぎショウガと一緒に煮込んでいく。


焦がさないようにアルヴァンが鍋を混ぜているとその匂いを嗅ぎつけてアルマと他の警備隊の連中がやってきた。


「何をしているんだい。テトさん。」

アルマは焼いている肉を見ながら言った。


『さて、どうしようかな・・・にげるか?けど、スープがまだできてないし。』

アルヴァンは視線を逸らして鍋を混ぜ続けた。


「ちょっと、無視はよくないですよ。分かりやすいんだから。」


アルヴァンはアルマを細い目で見た。


「まぁまぁ、嫌な顔しないでくださいよ。そう思って、パンとチーズを持ってきたんだから。準備いいだろ?」


アルヴァンは苦い顔をした。

『その二つはほしい所。けど・・んんん。』

アルヴァンは困った。


すると警備隊の連中をそれを見かねていったん基地の中へ戻ってまたここへ戻ってきた。昨日捕れたイノシシの肉とキノコそして、酒を持って。


結局、基地の裏でバーベキューが開催され盛り上がっていた。食材がたくさん揃いご満悦のアルヴァンは両手に串を持って一気に食べた。そしてスープはキノコを入れてみんなにふるまった。


「テトさん最高じゃん!」

アルマはすでに酔っている。


「いやぁこうしてパァーっとやるのもいいですなぁ。」

ゴーダンは肉を頬張りながら酒で流し込んだ。




15:00 シルバにお説教


バーベキューで楽しんでいた輩とアルヴァンは空き地に正座させられていた。


「この町を守る使命がある者たちよ。いつ来るか分からぬ危機に一番に立ち向かわねばならない者たちよ。この国のために、そして、このギンガルの民のために。我々は盾となりて守る者たちよ。この状況は一体どういうことなのか・・・説明していただこう、ゴーダンさん。」

シルバは鋭い眼光を向けた。


「いや、そのシルバちゃん。これは息抜きっていうか・・・もともと昼食だったんだよ。」

ゴーダンは苦しい言い訳を始めた。


『俺は悪くないもん。』

アルヴァンは顔を背けた。


「そうですか。お酒は必要なのですか?勤務中に?」


「いや・・ジュースだと思ってたら・・その・・。」


シルバの顔はますます怖い形相を浮かべていた。ゴーダンは地面に手をついて

「すみませんでした。」


その言葉に皆一斉に「すみませんでした。」と謝罪した。


シルバはため息を吐いたあとで言った。

「とりあえず、ここにいるゴーダンさん含め警備隊は今月の給料から30%カットする。」


「そんなぁぁあああ!」


「あんまりだ!!!」


「俺の生活費ぃいいい!」

警備隊の連中からは嘆きの声が響いた。


「その30%カットを取り戻すために討伐した魔物の素材で補填するんだな。以上。そして、テトとアルマは出禁だ。」


『おい!あんまりだ!!!せっかくのグルメを止める権利などない!!!』

アルヴァンは怒った。


「ちょっとぉぉおおお!仕事はどうすればぁああ!!!」

アルマは抗議した。


「アルマに関しては仕事の受付のみ許可する。あとは出禁。テトは肉の処分に助かっていたが、ここにいるバカたちに餌を与えるようなことがあれば話は別。今後肉は譲らない。」


『そっ・・・そんなぁ・・。俺悪くないのにぃいいい!!』

アルヴァンは悔しがった。


「うわぁ・・・カトレアにキレられる・・どうしよう。」


皆、天国から地獄へと叩き落された。




16:00 バルで飲み直す。


「シルバさんは厳しすぎる!そうだろ!テトさん」

アルマはまだ飲み続けている。


『まったくだ。あのねぇちゃん怖いんだよ。誰か何とかしてくれよ。』

アルヴァンは頷いた。


その様子を見てパーチが言った。

「いや、おまえらがバカだろ。普通基地の裏でバーベキューするか?」


「何言っているんですか?ここはギンガルですよ。そんなお堅い考えでどうするんですか。」


『うんうん。』

アルヴァンは頷いた後でテーブルに出された付け出しの揚げナスを食べ始めた。


「いや、おまえらが能天気すぎるだけだろ。シルバさんが厳格にやっているからこそ治安が守られているんだから、周りがそれを見て刺激にならないでどうするんだよ。」


パーチはアルヴァンとアルマの間にポテトサラダを置いた。すぐにアルヴァンはその皿を自分の方へ寄せて食べ始めた。


「そうですけど。言いたいのは遊びも必要だってことですよ。みんなやるときはやるんですよ。見せ場がないだけで頑張れるんですから。」


「そういうものかね。」


パーチはアルマの開いたグラスを取り、新しいビールを樽から注ぎ始めた。

「そういえばシルバさん言ってたけど、ギンガルで近日男女交流会を開催するって。それで食事はバルで行うんだが。」


アルマは急に立ち上がった。突然立ち上がったのでアルヴァンはアルマの方を見た。


「今の本当ですか?」


「あぁ。」


「これは出るしかないな。」


「お前も出るのか?」


「当り前じゃないですか。ただでさえ男くさいし、冒険者なんて恋人にしたくない男ナンバーワンなんですよ。出会いも期待できない以上、こういう場を利用しないとですよ。」


「けど、冒険者はモテないんじゃ。」


「運命を信じる!!!」


『こいつ、ほんと元気だな。』

アルヴァンはぶどうジュースを飲みほした。




18:00 テスターさんの家で晩御飯


モッフィー肉の照り焼きとジャガイモがゴロゴロ入っているグラタン、生野菜を細かいサイコロ状にきったサラダが机に出された。アルヴァンはバケットを一切れとり、照り焼きをのせて食べ始めた。


「そういえば、最近レオ君とリリアちゃんと一緒に食べに来ないのね。」

奥さんはアルヴァンに言った。


『あいつらは惚気ているだけで肝心なことは何も考えていないおめでたい奴らだ。勝手に大人になった気になりやがって。』


アルヴァンは不満に思いながらも顔に出さずもくもくと食べ進めた。奥さんは疑問に思いながらも

「喧嘩でもしたのかしら?まぁ心配はいらないわね。だって、ぼっちゃんはほっとけないでしょ。」

奥さんは笑みを浮かべた。


『うるせぇなぁ。俺が間に入る必要なんてないさ。』


アルヴァンはもう一枚バケットを取り今度はグラタンのジャガイモを乗せて一緒に食べた。




19:00 家で夜食を作る。


台所に立とうとした時、シドが止めに入った。

「アルヴァン様。一日食べてばっかりじゃないですか。」


「最近、慌ただしかったからたまにはいいだろ。」


「たまにって、週の大半がだいたいこんな感じですよ。いい加減調査やらなんやらしてください。」


「これ以上やることない。」


「じゃあ夜食はお預けです。」

シドは材料を影で飲み込み外へ逃げて行った。


「あの野郎!返しやがれぇ!」

アルヴァンはシドの後を追って行った。


その後鬼ごっこは続き、血眼になって探すアルヴァンにシドは絶対バレないよう隠れた。結局、アルヴァンは探すのを諦めて再びバルへ行くのであった。




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