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テト  作者: 安田丘矩
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甘い話はほど危険なことはない

500mlペットボトルのお茶(最近は600mlくらい入っている)を箱買いしているんですが

まぁ最近暑くなったのか100円切るくらいでちょっと高い。

そうするとほしいお茶でも少しためらって安定の水を数本買ってしまうんだけど

週末に買い物しているときに値札を見て気づく

58円!!!

そのとき、徒歩で買いに来たせいか箱買いできない

無念の敗北に抗いながら10本買って帰る。

そして、他のものと一緒に買った袋はいっぱいで重たい

両手で持ちながら一生懸命に持って帰る今日この頃

それから、しばらくしてイレイア侵攻に関する会議が行われた。出席者は、魔王城で活躍していた幹部に加え今回の品格者を討伐し能力を得た魔物が集まった。

もちろん、グラッツもそこにいた。遠い目で椅子の上で胡坐をかきながら頬杖をついていた。


「あら、グラッツがまじめにこういう会に出席することってあるのね。」

一人の幼女がグラッツに話かけてきた。


グラッツは目線をゆっくりとその幼女に向けて言った。

「あれ?どちらさまでしたっけ?」


幼女はキレた。

「てめぇすっとボケてんじゃねぇ!」


「あぁその性格の悪さで分かったわ。けど、毎回会うたびに姿が変わるから困るんだが。」


「何言ってんだ。私はいつだって可愛らしくをモットーに生きてんだよ。それに魔力探知で分かるだろ。」


「わざわざ?探る必要ある?これだからババアは。」


幼女はグラッツの首元に鋭くとがった爪を突き立てた。

「喧嘩売ってるなら買ってやるよ。表出ろや。」


グラッツはニコッとした。


「エリーゼやめろ、見苦しい。そんなことしに来たんじゃないだろ。」

ゴーレムの魔人、ベリーゴッドンが割って話しかけた。


「うるせぇ堅物!てめぇも砂に変えてやろうか!」


そこへエネヴァーが会議室に入ってきた。

「はいはい、静粛に。エリーゼさんは席にお戻りください。」


「おい、エネヴァー。まずは互いに殺しあって序列を決めようぜ。」


「殺しあった後じゃあ序列をつけられませんよ。それに、協力関係が保てない場合誓約に従って排除しますが。」

エリーゼは舌打ちをして黙って席に座った。


「エリーゼさんありがとうございます。穏便に済ませましょうね。」


エリーゼは幼女の形をしているがこれは幼女に乗り移っている姿だ。ロリコのように寄生するとは違い、乗り移った対象者の魂を喰い肉体を自分のものにする幽霊系の魔物だ。エリーゼは特に幼女が好きでお気に入りの幼女は冷暗庫で保管し気分によって肉体を替え着るものも替える。


エリーゼは睨みながらエネヴァーに言った。

「ところで、さっさと要件を伝えろや。暇じゃねぇんだ。」


「幼女集めのどこが暇なんだ?」

グラッツは再び火種を撒いた。


「てめぇ・・。」


「グラッツさんも参加した以上静粛に。」


グラッツは目を閉じて黙った。その様子をエリーゼはじっと睨みつけた。


「要件は、私の僕メージからお話が言っていますがイレイアへ進行することについてですが、こちらにスペシャルゲストがいらっしゃるのでまずはご紹介を。」


エネヴァーの合図で会議室の扉が開き、そこに現れたのはスターフィッシュだった。スターフィッシュは以前リカルドがあった時のような魚の形はしていなかった。伝説上の生き物の麒麟のような姿をして体が表面がキラキラと輝いていた。


「誰だ、そいつ?」

エリーゼは首を傾げた。


「こちらの方はスターフィッシュさんです。」


「どう見ても魚ではないんじゃないか。むしろ、馬のような・・・なんだ?」

エリーゼは例えようがなく困った。


「お嬢さんには難しい形だったかな。私はスターフィッシュという者だが魚ではない。天を駆ける者として、その形が変わるのだよ。」


「よく分からないが、そのスターフィッシュさんが何用でここに。」


「約束の日が近いから出てきたところにちょうどディオグレイシスを探しているエネヴァー氏に出会ってついてきた次第だ。」


「お前も王を探しているのか?」


「そもそも、その力を授けたのは私だし。」


エリーゼは困惑して言った。

「はぁ?何言ってんだ?」


そこにエネヴァーが間に入って言った。

「ちょっと困惑しますので解説しますね。過去の逸話を調べて出てきたのはスターフィッシュです。これは、ベルリッツの歴史書にも出てくる願いを叶えてくる神の化身と言われています。スターフィッシュは元は神なのです。そして、本来の姿はこういう名前です。『対価の神』。」


「それで、その神様?元神様がここに来た理由は王を探しに?ますます分からんわ。」


エリーゼが頭を掻きだす中で、グラッツとベリーゴッドンはお互いに見合った。


「察しがいい方たちがいますね。そうです。今回の品格者騒動の張本人です。」


「じゃあこいつが能力を授けたって言うのかよ。」


「授けた?ふふ、それは違いますよ。」


エネヴァーはニヤニヤしながらスターフィッシュを見て、その視線に気づきスターフィッシュは話し始めた。

「私は、余興をしているだけだ。都合よく能力を付与するわけはない。それは能力でもない。『呪い』だ。」


「なんだって?『呪い』ってどういうことだ?現に品格者を殺めて能力を得たぞ。」

エリーゼは困惑しながらもスターフィッシュに問いかけた。


「付与した人間は継受することができる。その能力を正しく使えばそれは呪いではなく願いだ。私はそれが呪いに変わることを望んでいる。呪いは私の力の源になるから。」


「じゃあ、私たちが手に入れた能力はどうなるんだよ。それも呪いなのか?」


「君たちはすでにその能力を悪用してもらっているから引き続き使ってもらえば私の力の源になるから助かるよ。」


「そっ、そうか。」


グラッツはそっと手を上げ、スターフィッシュに話しかけた。

「スターフィッシュさん。あんた、本当に神か?」


スターフィッシュはニヤッとして応えた。

「君にはどう見えるかい?」


「化け物にしか見えないよ。」


「そうか。そうだといいな。」


エネヴァーは手を二回たたき話を戻した。

「さて、スターフィッシュさんの自己紹介はここまでです。スターフィッシュさんには約束の日まで共に行動していただきます。そして、約束の日を迎える前に王の依り代を手に入れましょう。」


「おい、俺ら約束の日について何も聞かされていないぞ。」

エリーゼはエネヴァー言った。


「約束の日は、スターフィッシュさんの償還日になります。その日までに王は約束を果たさなければいけないのです。」


「つまり・・・王って何者なんだ。」


「それは・・・。その日になればわかりますよ。お楽しみは取っておくものです。」


「けぇ。じらしやがって。」

残りはイレイア侵攻についての打ち合わせをして解散となった。



グラッツとベリーゴッドン、エリーゼは3人で場所を変えて話した。


「どう思う?グラッツ。」

ベリーゴッドンはグラッツに先ほどの会議についてのことを聞いた。


「どうもしない。けど、エネヴァーの目的は充分わかった。王になる気だな。」


「はぁ?なんでそうなる?」

エリーゼはグラッツに食ってかかった。


「もともと、そういう話だっただろう。品格者狩りって。ただ、王はスターフィッシュに何をお願いしたのか分からない以上話が見えてこない。」


「王の依り代か。それを手に入れてもエネヴァーだけが得をするだけってことか。」

ベリーゴッドンは肩を落とした。


「じゃあ俺たちはその後用済みか?その後はこき使われるってか?」

エリーゼはしつこくグラッツに聞き返した。


「もともと、割に合わないことをさせられていたってことだな。」


「ちぃ。あの野郎め。」


「まぁ俺はエネヴァーとの約束通りに王を見つけたら隠居するかな。」


「おれもついて行っていいか?」

ベリーゴッドンはグラッツに懇願した。


「おい!それでいいのか?」

エリーゼは怒った。


「あのスターフィッシュはどう考えてもやばい奴だ。下手に攻撃も加えられない。我が身が大事だからな。」


「そうかいそうかい。ヘタレは隠居でも何でもしてろ。」

エリーゼは姿を消してどこかへ行ってしまった。


取り残されたグラッツとベリーゴッドンはお互いに見合った。


「とりあえず、南の島へ行くか。」


「俺暑いの苦手。」



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