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テト  作者: 安田丘矩
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ポッと出はさっさと死になさい

メリークリスマス☆が終わる。特に何もなく仕事で残業。

行きつけのラーメン屋でチャーハンとセットでメリークリスマス・・・。

もしかして、これっていろいろ終わってるやつ?

けど、なんか世間的にクリスマス・イヴの方が盛り上がるのはなぜなのでしょうか?

やばいとは分かっているんだ。クリスマスが特に気にしなくなっていることを。

歳を負うごとにそういうイベントにを楽しめなくなるのか・・・。

まぁ子供にたかられる祭りだからしゃーないか。世知辛い世の中よ。

アルヴァンたちは観察を続けている最中に何かの視線を感じていた。最初、その視線が一体何なのか分からなかったので、4日目以降からアルヴァンは引き続きダダンの観察、シドをイルバの影に潜ませ尾行させた。


観察1日目


午前中は演習場でダダンと訓練及び模擬戦を行う。


特にほかの品格者の接触はなし。


午後は女性をナンパしお茶をするくらいで特に進展なし。


夜は酒場で仲間内で飲み会。そのまま酒場で就寝。




観察2日目


昼近くになり酒場の店主に起こされ帰所。


午後は適当に報告書と魔物の目撃情報書類に目を通し事務作業を行う。


そして、その夜だった。




イルバの部屋に誰かが訪ねてきた。そいつはチャードと言った。


「どうしたこんな夜遅くに。」


イルバはグラスに酒を注いでチャードに手渡した。


「4日前から何か強い魔物の気配がするんだ。特にダダンの近辺で。」


イルバはグラスを手持ちベッドに腰かけた。


「特に変わったことはなかったが狙われているのか。」


「分からない。その気配の所を探ってみたが、姿が見えないんだ。」


少し考えた後でイルバは言った。


「ダダンにも知らせておくか。ここ最近、品格者が魔物と遭遇することが多くなっているから用心しとくに越したことはないな。」


「僕はどうしておけばいい。」


「一先ず、ダダンが狙われている以上、索敵できるお前がタダンのそばにいてほしい。」


「分かった。ただ、その魔物に警戒されないように兵士に紛れておくよ。」




「っとそのようなことがあったんですよ。アルヴァン様。」


アルヴァンは中央通りの路地裏にある建物の空き部屋を隠れ家として使っていた。ランタンの火が揺れて、空っぽのタンスと置き去りになったソファーのが寂しそうに照らし出されていた。シドの報告にアルヴァンは少し考えて言った。


「じゃあ、チャードっていう奴にバレてる?」


「そこは大丈夫かと。相手もまさかこんな小柄な魔物だとは思いませんって。」


《チビで悪かったな。》アルヴァンはムッとした。


「感知能力かぁ。そっちの方が厄介かも。」


「そうですね。殺っときます?」


「むしろ、殺っとけば良かったんじゃないか?」


シドは「あっ!」と気づいた。


《こういうところなんだよね、こいつ。》


「まぁいいや。どちらにせよ、あの二人に接触しない限り会えそうにないしね。」




数日前に話していた矢先にまんまと沼にはまってしまった。さすがに先回りされているとは思ってもなく、そして、おそらく魔物が現れる予知も含まれていると悟った。ぬかるみに脚を取られ動けない。


「どうしたんですか?こんなぬかるみさっさと瞬間移動すればいいんじゃないですか。」


「いやこれ、魔力封じも兼ねてる。」


「いよいよクライマックスですか。」


《こいつ後で絞める。》アルヴァンはシドの煽りに怒りを覚えた。その状況でイルバはアルヴァンに近づいてきた。


「こんなちっこいのが本当に強いのか?」


気づかなかったがイルバの後ろにもう一人いたどうやらこいつがシドの言っていたチャードらしい。


「間違いない。ものすごく嫌な気配がする。たぶん、あの魔物を率いてきたのもこいつに違いない。」


《あれ?いつの間にかユリスの件もなすりつけられてる。》


「まぁそう言うなら仕方ないな。ごめんな、おチビちゃん。ここで死んでもらう。」


イルバは腰につけていたタガーを取り出してアルヴァンに突き立てた。アルヴァンは魔法がダメなら・・・と思いあるものを取り出した。そして、両手で持ち上げイルバに見せた。


「おい。なんだそれ。どっからそんなの・・・って爆弾じゃ!!」


アルヴァンは導火線に息を吹きかけると火が付いた。そして、イルバに投げつけた。イルバとチャードは急いで踵を返し走り出した。爆発音が鳴り響き二人は前方へ吹っ飛ばされた。身体を打ったみたいだが無事なようだが、爆発の煙があたりを覆い視界がぼやける。


イルバは痛みをこらえながら跪いて立ち上がろうとしたその時、その目の前にアルヴァンがいた。そして、アルヴァンはイルバの首をはねた。あの爆発により地面が陥没したことで能力が解け、動けるようになった瞬間イルバにとどめを打ったのだった。煙が薄れ、地面にはイルバの胴と首が転がっている。だが、チャードがいない。


チャードの方は吹っ飛ばされたものの特にダメージはなく能力で位置を特定され逃げ出したようだった。


「うーんアルヴァン様、ぶっ飛んでますね。」


「お前、さっきからうざい。」


アルヴァンははじめて品格者を殺めたことで王のある言葉を思い出した。


《品格者を殺すことで我々は魔物はより高みへと進化できる?》


アルヴァンはしゃがみ込み地面を触った。そして、その意味を理解した。


「そういうことなんだ。」


納得しているときに見覚えのある球体が現れた。


「よくも・・・よくもイルバを!!!」


激高したダダンが能力を発動しアルヴァンを捕らえていた。


「アルヴァン様、どこまでもついていきます。」


シドの悪ノリを無視してアルヴァンは能力を発動した。ダダンの足元が液状化し胴まで浸かってしまった。急な出来事にダダンは叫び声をあげ能力が解除された。身動きの取れなくなったダダンにアルヴァンは近づく。


「やめろぉ・・・。やめてくれ!!」


アルヴァンはダダンの額に指を差し「一矢閃光」。見事に額を貫き、ダダンは生気が薄れていき目が白目に首が右にくたんと落ちた。面白いことにアルヴァンが能力を解除すると地面に埋まった状態で残ったのだった。


「さすがアルヴァン様。芸術家ですぐふぁぁぁ!!」


アルヴァンはシドの話の途中で思い切り魔力を込めた拳を打ち付けた。シドがあまりの痛みに咽び泣きしているがアルヴァンはそれを無視した。さっきの爆発音により兵士たちがこちらに向かって来ていることに気づき、一先ずこの場を離れ、逃げ出したチャードを追いかけ始めた。

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