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テト  作者: 安田丘矩
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犯人は意外と近いところにいる

最近、葉物は安くなりましたね。

特にレタスと小松菜は安かった。生野菜が食べれるのはありがたい。

けど、小松菜はすこし筋があるのでおひたしにして食べようかな。

ようやくお野菜が値段気にせず帰るようになりましたね。

けど、にんじんとかはまだ値段が下がらないけど。

ニュースでもいつもお米の値段や備蓄米について取り上げられて

これは10月11月まで続くのでしょうか。

結局、主食としてお米は買うけどなんだろう

買占めや独占状態の果てを考えるとポケモンカードみたいな末路をたどりそうな感じが・・・

それはないのか。また備蓄したり別用途に回されるから急落とかはないのか。

ただ、こうやってニュースを見ていると貧しくなるね。

アルヴァンは内心嫌だった。

『俺何かしたかな。あの冷めた目で見降ろされるの嫌なんだけど。』とシルバの様子を伺っていた。


「テトさん。折り入って相談がある。先日からギンガルに疎開に来る人が増えてきている。だがこちらも人が増える分、治安維持ができるか不安だ。そして、その不安を抱く中で昨晩人さらいが発生してしまった。」


『ここってそんな物騒になったのか。』


「住む家が間に合わないこともあり開いている平地にテントを張ってもらっているが、一番外れでテントを張っていた家族と近くでテントを張っていた女性と子供がいなくなった。不自然なのは持ってきた荷物はテントに残されていた。」


『いきなり2世帯が失踪するなんて不自然だな。』

アルヴァンは腕を組み考えた。


「そこで相談なんだがその失踪事件を調査してほしい。」


『えぇー。』

アルヴァンはシルバに嫌そうな顔をした。


「まぁ当然の反応だろうな。今、戦闘力があって動けるのはテトさんだけなんだと。警備隊も町の治安維持で手いっぱいで四六時中捜索には回せないんだ。」


『いつから統括するまでになってるんだ。このねぇちゃん。』


「すまないな。お前もユリア様の護衛があるのに・・・ってほとんど町を徘徊して食べ歩きしているが。」


『おい、そこは詮索するなよ。』

アルヴァンはため息をついた後で頷き承諾した。


アルヴァンはシルバと一緒に失踪した家族のテントにやって来た。そこでテントの中を見せてもらった。着替えと食糧のパンと干し肉、遊び疲れた人形、特に荒らされた形跡はなく人だけがいなくなっている。


「何者かの痕跡もないだろう。何だか自発的に出て行ったような。」


『自発的か・・・まぁそう見えるだろうな。』


アルヴァンはテントから出て周りを見渡した。ここから10メートルくらい離れたところにテントがあってそのテントが失踪した母子のテント。ここ数日、雨が降っていないので地面は乾いていて特に足跡の形跡はない。


「すまないがこれから警備隊の基地で夜間警備の引き継ぎがあるのであとは任せる。」

シルバはこの場から去って行った。


「これどう見える。」

アルヴァンはシドに聞いた


「魔力の形跡がありませんね。相当腕が立つ者が来ていると。」


「その可能性もあると思うが・・・。」

アルヴァンは町の中心へ向かっていった。


ついたのは警備隊の基地でテントを疎開してきた人を管理する窓口だった。カウンターをのぞき込んでいると


「こらこら、勝手に入っちゃだめだぞ。」

そこに現れたのは警備隊の主任のゴーダンだった。昔からこのギンガルで警備から魔物の討伐やらなんでも請け負っていやっていた。


『なんだ、おっさんか。驚かせるなよ。』


「シルバに用があるのか?まだ打ち合わせをしているから会えないぞ。」


『あの怖いねぇちゃんはもういい。』


アルヴァンは壁に貼られていた。テントが張られている地図を眺めた。現在80世帯がテントを張っている。そして、町の中心に近いところに集中しているが離れているところには失踪した世帯を抜いてあと7件あった。


「あぁクロ坊も失踪事件を追っているのか。なんだろうな。時代の流れというものなのか。穏やかな日常も遠い昔になっちまうのかな。」


『警備隊がそれを言っちゃおしまいだろ。』

アルヴァンはカウンターによじ登りテントの貸出帳を見始めた。


「こらこら勝手に見て。こういうのは個人情報だから駄目だぞ。」


ゴーダンが取り上げようとするのを躱し、帳票をめくり受付者の名前をざっと眺めた。結局ゴーダンに取られてしまったが、アルヴァンは納得したのかそのまま基地から出て行った。


「何か分かりましたか?」

シドが聞いてきた。


「うん、まぁちょっと張り込んでみるか。」



その夜、一番離れたテントに誰かが近づいて行った。中の家族に声をかけて呼び出し、一緒に森の方へ歩き出した。しばらく南の方へ歩き出し、そこにはマルスがいた。


「ご苦労様でした。誰にも見つかっておりませんね。」


「はい。問題は何も。」


その警備兵は応え、後ろをついてきた家族は様子がおかしいと来た道を戻ろうと走り出した瞬間、マルスは瞬時に背後へ移動し手のひらを前に出し魔術を唱えた、するとその家族全員は前方に倒れ意識を失った。マルスは大きく身体を広げ何かを吸収しようとしていた。


そこを狙っていたのかアルヴァンは思いっきりマルスに拳をくらわせた。吹き飛ばされたマルスは木にぶつかり、地面に倒れた。アルヴァンはメティスを取り出し指示した。


「メティス、家族の抜けた魂を集めてくれ。」


「えぇーめんどくさい。だるいー。」

メティスは反抗した。


「この状況でそれか。」


「いつものお前のものまねをしているだけだ。」


二人がもめている横でシドは警備兵を影で縛り取り押さえた。取り押さえた瞬間シドは気づいた。

「あなたいつからここにいたんですか。」


警備兵はニヤッとして応えた。

「これだから同族ってのは嫌いです。あなたみたいな出来損ないに見抜かれたくはないんですが。」


警備兵は急に黒くなり、シドは危険を察知したのか離して後ろに下がった。

そこに現れたのはメージだった。


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