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テト  作者: 安田丘矩
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お願いだ、早く終わってくれ

今年のゴールデンウイークは暑いそうです。

大変だ、まだエアコンの掃除していない。あのビニールのかぶせるを買ってこないと。

けど、毎回エアコンの下を伝って壁が濡れちゃうんです。

一回水が溜まっていることに気づかないではがしたら床にバシャーン・・・

やっと・・・やっと終わったのにぃ!!!と一人で発狂していた。

こうならないためにも業者を呼んだ方がいいのかと

けど、エアコンのフィンとか折られる可能性があるからねぇ・・・熟練に当たればいいのだが

それにまぁお掃除料はいいお値段ですこと。だから、結局悩んでいる間に自分でやってしまうんです。

さてさて、休み中に済ませるかな

第三回 対策会議

場所:魔導士訓練場 食堂

参加者:アルヴァン・ドミニク・レノヴァ・魔導士の皆さま

議題:健康診断書を配ります。よく目を通しておくように


「この度お集まりいただきありがとうございます。テトさんの同僚のドミニクと申します。今回、イレイア国における魔物侵略への対策として助力する形となりました。もちろん、先日の一件で魔物に対しての不信感など抱いた方もおられると思いますが、私たちとしても今回の首謀者の手口に至っては許すわけにはいかないと考えております。無理に信用してくれとは言いません。ただ、危機的状況が迫る中で私たちの提供する情報が少しでも役立っていただければ幸いです。」


ドミニクは魔導士たちの前で堂々とスピーチした。アルヴァンは相変わらずどや顔のままだ。


すると一人の魔導士が質問をしてきた。

「あの、一ついいですか。レノヴァ様からあなたたちのことは伺っていますので協力関係で問題ありませんが、戦闘面での助力はないのでしょうか。」


「今から、個々の魔力や武術のレベルを上げていくのは付け焼刃程度にしかならないと思います。それと、正直に申しますとここへ来る魔物たちの方が圧倒的に魔力においては優れています。それと、今回ベルリッツ王国で発生した能力を保持していることを考えると実際の戦闘となった時に臨機応変に対応できるか難しいと思います。イレイア国の魔導士たちは統率が取れていますが、それぞれの班が独立して動いている点で班同士の連携が取れづらいのが現状かと思います。戦闘面で助力しなくても、フォーメーションや位置関係を把握して援護や補助できる態勢を整えれば十分に戦えると思います。基本的に魔物というのはワンマンなので。」


質問した魔導士はドミニクの答えに目を丸くした。その様子を見てレノヴァは話し始めた。

「ドミニクさんの言う通り、我々には驕りがあった。そして本来なら国を守る上で力を借りること自体恥ずべきだと思う。だからこそ、私たちはそれを踏まえて修正していく必要がある。それは改めて国を守り、生きていくために。」


魔導士たちは声を上げた。レノヴァはやはり魔導士たちにとっては指導者であり、信頼されているのであろう。


「ではこれからのことをお話しする前にまずは健康診断書の複写を配りましたのでそちらをご覧ください。各魔物についての留意点や弱点となるところに追記してありますのでまずは目を通して、質問がある方は挙手していただきますか。」


魔導士たちは各自資料を読み始めた。

「あの・・・すみません。このシーマって魔物についてですが、お兄さんの方はどう対策すればいいんですか?」

一人の魔導士がドミニクに質問した。


「そうですね。書いてある通り弱点がほぼない魔物になります。ただし、兄弟で一つの身体を使っている点に注目していただきたい。弟が呼び出す場合と危険があるときにこの兄の部分が出てきます。兄が出現するときは時間として2分くらいかかります。兄になってしまうと狂気モードになりとてつもない力を放出するので手に負えなくなります。あえて、この出現する時間に攻撃を加えられれば勝ち目があります。」


「どのような攻撃を加えればいいのでしょうか。」

重ねて魔導士は質問した。


「単純に凍らせるのも一つの手です。兄の出現には多くのエネルギーを必要とするため冷却して鈍らせることができます。そして、体にある臓器のうち共有しているのは脳以外全てです。なので、鈍くなった臓器は正常に戻そうと動き出すのでこの魔力補給剤デラックスを投げつけましょう。一気に魔力管から魔力が流れ始めて負担が生じます。そうすると逆に身体のコントロールが効かなくなるため、いくら魔力に効きにくくても支えきれなくなるでしょう。魔力での攻撃を続けて動きが鈍くなったところをここの兄弟とのつい目、ここが急所なので串刺しできれば大丈夫です。」


淡々とすごいことを述べているドミニクの姿に魔導士から「おぉー」と声が上がった。


「けれど、魔力補給剤を投げることは敵に塩を送ることになりませんか?」


「普通だったらそうなんですが、こちらの魔力補給剤デラックスは本来体内の魔力がほぼ皆無の時に使います。魔力が残っている十分にある状態で行うと過剰摂取により体内で魔力が暴走する形になります。なので皆さん、こちらは緊急時に使うものなので通常の使用については絶対にやめてください。」


質問した魔導士は納得した。

「わかりました。しかし、人間の世界ではそのような魔力補給剤デラックスのような品がありませんが。」


「大丈夫です。こちらに在庫を持ってきましたので各班に3本ずつお配りするので班長の方は会議終了後取りに来てください。」


魔導士は皆一斉に返事をした。


「あの、ドミニクさんよろしければこのまま顧問として指導し続けていただけるとありがたいのですが。」

レノヴァはさりげなくスカウトした。


「私は研究者なので武術的なことはそこら辺にいる冒険者と変わりませんので助力できないかと。」


「いや、かなりの分析力と観察力を秘めていると思われます。ご謙遜を。」


「残念ながら顧問のお話はお断りいたします。今回はあくまでイレイア国自身の今後の軍の在り方と防衛について見直す機会ですのでそこは履き違えのないように。」


「あっ・・はい。」


レノヴァは頭が上がらなかった。その様子を見てアルヴァンは二回頷いた。


「アルヴァン様がここにいなくてもドミニク様だけで足りるのですが。」

シドはさりげなくアルヴァンに言った。


「わかっていないな。ドミニクが堂々として圧倒するのを見るのがいいんだよ。」


「悪趣味ですね。」


「うるせぇ。」


「ドミニク様に任せっきりにしないでアルヴァン様も何かしないのですか?」


アルヴァンは少し考えた後でドミニクに近づき話しかけた。

「ドミニク、これを。」

アルヴァンはカエルから白い角ばった石を取り出して渡した。


「これはマジックボムですね。これをどうするんですか?」


「これに魔力をこめてだな。街の街頭に仕込んでおくんだ。魔力を打ち込むと魔力がはじけるから相手に隙ができる。」


「なるほど、攪乱になるということですね。」


「それだけじゃなくて・・・。」


アルヴァンは魔導士たちのいる方へマジックボムを投げて魔力を放った。するとマジックボムは弾けて魔力が溢れ、瞬魔導士たちは目を塞いだ。そして、後ろのたった一人だけが逃げ出そうとしていた。アルヴァンは見逃さなかった。瞬間移動してその魔導士を捕らえた。


「はなせぇ!!!」

その声に魔導士たちは驚いた。


「テトさん!一体これは。」

レノヴァは慌てながら聞いた。


代わりにドミニクが応えた。

「簡単な話です。内通者です。」


「内通者ですか?!」


「ロリコという魔物が侵入している場合、他数人がいるはずなんです。そこで、レノヴァ様から頂いた資料からその日以降退役した者や逃げ出したものを調べたらいませんでした。だとすると、まだこの国にとどまっている可能性があり注意していました。まさか、この場で大胆に見つけ出すとは。」


「そうなんですか。けど、あんなの爆発したら危ないでしょう。」


「それは、テトさんに直接言ってあげてください。あの人は思い付きで行動するので。」

アルヴァンは魔導士を拘束して立ち上がった。


「テトさん!内通者の確保ありがとうごいます。ですが、場所を考えてください。あなたはいつも危なっかしいんですよ。」


「うわぁ、マジで説教されてる。」

アルヴァンは頭の後ろを掻いた。拘束された魔導士は衛兵に連れていかれた。


「このようにこの石に魔力をため込み、さらに魔力をぶつけることで暴発します。これにより魔物はひるんだり、威嚇したり何らかの反応を見せます。そして、これを知っている者は今のように逃げ出します。これを街の街頭に仕掛けて攻め込んだ時に使用すれば隙を見せると思います。」


「その石をいただけるのですか。」

レノヴァは聞いた。


「えぇ、この石は魔界ではポピュラーなものなので。」


「ポピュラー・・・。」


「では、今から自習にします。よく資料に目を通しておくように。」


魔導士たちはいっせいに「はい!」と返事をした。


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