会議は長々とやってもいい案が生まれるわけじゃない
GWが迫っていますね。今年は派手にどこかへは行かずに近くでのんびりと過ごそうかと
巣ごもり需要が高いとニュースではやってけど、結局観光地の映像が流れて
「人で混雑してます。」とか「渋滞もなかなか進みません」とかやるんでしょう
けど、今年はちょっと異常に感じていることがあります。
やはり、宿泊施設の料金が高くなっております。
インフレや円安、インパウンドなどいろんな要因がありますがそれでも場所によっては2倍くらい違うんです。
これは、足元見られているのか・・・昔止まったホテルもそんな状態になっていたけど
あの内容で2倍に料金設定できるんだと思った今日この頃
せめて、お盆もお出かけしたいけど高いままなのかな・・・やっぱりわが家が一番?
第二回 対策会議
場所:カイノス宮殿内会議室
参加者:アルヴァン・ドミニク・レノヴァ・国の偉い方々数名
議題:王都での防衛と対策について
「お集りの皆さま。私はドミニクと申します。魔王城の研究室に勤めています。今回はアル・・・テトさんの助手として防衛とその対策についてお話しさせていただきますのでよろしくお願いいたします。」
ドミニクは様になっていた。アルヴァンもどや顔で自信に満ちていた。
「あの・・テトさん。ドミニクさんって人間ですよね。」
レノヴァが恐る恐る聞いてみた。
「あぁ私は人間ですが、元人間と言った方が正しいです。私はとあるお方と共にしたいと思い血の契約を結んでおります。なので、どちらかというと魔物寄りになります。」
「血の契約・・・。そんなことあるんですか?」
「えぇ、まぁ。一種の結婚と考えてもらえればよろしいかと。」
「そういうことなんですね。そのような事例がないものなので。」
レノヴァも参加したお偉い方も興味津々だった。
「では、本題に移させてもらいますが。カイノスに侵入し魔導士長のカーキン氏にとりついた魔物についてですが、テトさんにより駆除されましたが先日その魔物を追って仲間が探しに来る可能性が出てきました。そして、ここへやってくる魔物は能力を保持していると考えております。」
「それは確かなのかね。」
レノヴァはドミニクに聞いた。
「えぇ、おそらく近いうちに。そこで私たちは魔物の情報を提供しようと思います。これから確実に現れる魔物についての情報はもちろん、今回襲ってくる首謀者エネヴァーの配下の魔物についても提供いたします。」
レノヴァは頭を抱えた。そして言った。
「その情報を信用しろと?」
「別に見なくても問題ありませんし、私たちの目的はイレイア国が簡単に陥落されては困る点です。正直なところイレイア国は魔導士たちのレベルにおいては秀でていますが、軍事統率および防衛という観点では弱いです。それは圧倒する力があるかこそ、そこら辺の強化を蔑ろにしてきたのではないでしょうか。」
ドミニクの辛辣な指摘に場の代表者は何も言い返せなかった。
「ドミニク、少し言いすぎなのでは。」
アルヴァンが気をきかせてドミニクに指摘した。
「人の命がかかわっている以上妥協は許されませんので。それと私たちは首謀者エネヴァーと対峙しています。このまま奴の思い通りにはできません。」
ドミニクは全員に聞こえるように言った。
「なら、君たちの目的は何なのだい。」
レノヴァは問いただした。
「私だけのことであるなら、愛する人の捜索とどこかへ追いやった奴らへの復讐です。それ以上は何も。そして、こちらのテトさんはエネヴァーを嫌っていて、今回の騒動となっている謎の能力の調査が目的です。現状、エネヴァー氏はこの能力を用いて侵略を企てていることを踏まえ阻止することが狙いです。」
「テトさん、そうだったんですか?」
レノヴァは油断していたアルヴァンの方を向いた。アルヴァンはビクッとして一瞬焦った。
「えっ、俺ってそうだったの?」
ドミニクはアルヴァンに耳打ちした。
「本来は魔王の捜索ですが、結果的にそうなることを望むのならこのように伝えたほうがいいと思いました。」
アルヴァンは思った。『ドミニクすげぇー』と。
ドミニクは再び正面を向いて話し始めた。
「ですので、信用するかしないかはお任せします。ただ、時間がないため有無を問わず情報は提供することにします。」
レノヴァはそれを聞いて言った。
「見返りは何かね。」
「私たちは時間が欲しいのです。いきなり、交戦となっても相手できるかは難しい。イレイア国と協力し侵略阻止と敵軍の削りができればかなり猶予ができると考えております。強いて、見返りとするなら私の愛する人の捜索を手伝っていただけると助かるのですが。」
レノヴァは他のお偉い方たちと目を合わせ頷いた。
「わかった。応じよう。未知の敵を相手にできるほど圧倒的な力などないからな。」
「ありがとうございます。では、早速ですがこちらにターゲットとなる魔物の資料があるのでご覧ください。」
ドミニクは一人一人に資料を配った。その資料を見ると
「ドミニク君・・・これは健康診断書なのでは。」
「そうです。すべて人語に直してありますので問題ないかと。」
「いや、そういうことじゃなくて・・・。」
「ただ、こちら5年前以上経っておりますが、魔物が健康状態を是正するとお思いですか?否です。つまり、こちらの問題事項にあげられていることはある意味弱点になります。」
レノヴァはほんとかよと思いながら目を通してみた。
アネッサ・ブリリアント
年齢:350歳
性別:雌
身長:183センチ(通常状態は475センチ)
魔力量:低い
体液値:正常
魔力管体液量:低い
腎機能:数値低下傾向
肝機能:数値上昇傾向
診断結果:人間に擬態している分魔力の消費はあるものの、加齢による魔力の生成および毒素の排出が衰えてきています。植物系は毒素を体内に蓄積することができますが逆に魔力管を圧迫してしまう危険があります。今後は、通常状態での安静と十分な養分の摂取を心がけてください。
「確かに役立ちそうなことは書いてありますが、それを利用する方法が思いつきません。」
レノヴァはリカルドに聞き返した。
「そうですね。これだけでは分からないかもしれませんね。例えばこのアネッサの場合は魔力を自分の容姿に使っている分、魔力での攻撃が遅れる傾向があります。そして、致命的なのは魔力の生成が衰えていることで魔力切れを起こしやすくなっています。よって、アネッサは隠密および一対一の戦闘で近接戦闘でなければ戦えないのです。」
「この診断書でそこまでのことが分かるんですか。」
レノヴァは驚いてもう一度資料を読み返し始めた。
「はい、そして極めつけは毒を盛ると興奮状態になるのでそこで捕縛、もしくは殺すことができると思います。」
レノヴァとお偉い方は立ち上がり言った。
「ドミニク様、ご教授願います。」
ドミニクは軽く返事をして、アルヴァンはまたどや顔をした。