さすがにプライバシーは守りたい方
ついに蚊が発生しました。もうそんな季節が到来するのか・・・。
去年の残りの蚊取りを出しながら万全にしておかないと。
特に眠りを遮られるのはほんと勘弁なので
夜中に起こされたとき怒りのボルテージが上がり直に〇さないと気が休まらん
目をがびがびにしながら血眼で探す。
毎年何回かあるんだが普通に蚊取り炊けよと突っ込みたくなるけど
極力つけたくないんですよね、あれ。蚊を〇せるくらいなんだから
人間にとって害がないわけじゃないと思うので。まぁお値段もまぁまぁするからね
こういうケチ臭いとこってダメなのかな?そして、今日蚊を始末することに成功する
レオの家の前。ユリアは家の外観を見て言った。
「立派なお家ね。」
『屋敷に住んでるお前が言うのか。』
「ほんと、アルヴァンさんっていじわるね。それで、ここで暮らしているの?」
『あぁそうだ。レオの部屋と俺の部屋、客間に台所にダイニング、風呂もついている。』
「じゃあ今日からアルヴァンさんと同部屋ね。よろしくお願いします。」
『そこは客間だろ。』
「だめよ。アルヴァンさん突然いなくなったりするもの。ちゃんと見張っておかないとね。」
『それはこっちのセリフだろ。お嬢様。』
ユリアは玄関の扉をノックした。しばらくすると扉が開き、変な寝癖が付いたレオが出てきた。
「あっ!テトおまえどこ・・に・・・。」
『相変わらず間抜け顔だな。ご令嬢の前だぞ、少しは身だしなみに気をつけたらどうだ。』
「いくら聞こえていないからって強く言いすぎなのでは。」
『いいんだよ。この家だって俺が居たから建ててもらっただけでこいつは特に何もしてない。』
レオは少し考えた後で話し始めた。
「えっと・・・どちら様で?」
『ほら、聞かれているぞ。』
ユリアは一礼した後で話し始めた。
「はじめまして。えっと、リリアと申します。アぅ・・・あっテトさんに連れられてこちらに来ました。」
『おいおい、大丈夫か?』
ユリアはアルヴァンを見て少しムッとした。
「テトが連れてきた?」
『正確には押し付けられたのだが・・・。』
ユリアがきっと怒りそうだったのでこれ以上言うのはやめた。
『これから一緒に暮らす。わかったな。』
レオは首を傾げた。話が呑み込めてなさそうだったのでユリアが話し始めた。
「実は・・・とある悪い組織に追われていて、逃げている道中にテトさんに助けていただいてそれからこちらへ案内していただきました。」
レオはアルヴァンを細い目で見つめた。
『おい、なんだぁ?不服か?』
「すみません。状況が分からないものなので、役場の方にご案内しますのでそちら、いてぇ!」
アルヴァンはレオの脛を蹴った。
『このチキン野郎。お前のそういうところが嫌いだ。』
レオは痛いあまり屈み込んだ。
「大丈夫ですか?」
ユリアはレオに歩み寄った。ユリアは怒っているように見えたがアルヴァンは仁王立ちして言った。
『つべこべ言わずに家に案内しろよ。それでも勇者の出来損ないかよ。』
痛みが少し引いたのかレオはアルヴァンに言った。
「テト!痛いじゃないか!それに匿うなんてできないよ。それにどこのお嬢さんか分からない人を男一人、魔物一匹の家に住まわせるのか?普通?」
『俺だって、お前みたいなやつとユリアを住まわせるのは反対なんだよ。』
二人のにらみ合いを見かねてリリアが割って話した。
「ごめんなさい。レオさんの言っていることはごもっともだわ。迷惑もかけられませんし。」
レオは少し黙った後で一息を吐いてから言った。
「とりあえず中にお入りください。お茶でもお出しします。」
「いえ、ご迷惑になるかと。」
「テトが連れてきたんだ。お茶の一杯も出さないなんてこちらこそ無礼です。どうぞ、お入りください。」
『なんだなんだ?いきなり保護者面しやがって。』
ユリアはアルヴァンに向かって声に出さず『コラぁ。』と言った後でレオに返事をした。
「ありがとうございます。」
ユリアとアルヴァンはレオの家に入って言った。
ダイニングのテーブルに座ってレオはお湯を沸かしユリアとアルヴァンにお茶を入れ差し出した。
「結構きれいにされているのね。」
『だから、屋敷住まいのお前が言うのか?』
「もう、それやめて。」
『テスターの奥さんが家事をしに来てくれているんだ。こいつはほとんどそれに甘えている。』
「あぁそういうこと。」
レオは冷暗庫から果物をもってきて、テーブルに置き座った。
「それで、リリアさんはどうしてこのギンガルへ?」
ユリアはざっくりと設定は決めていたが詳細までは決めていなかったため必死に考えながらレオに改めて話し始めた。一通り話を終えた後、レオは顎に指を置き少し考えた後で話し始めた。
「分かりました。ただ、あいにく部屋がなく客間をなんとか使っていただいて。」
「そんな大丈夫です。こちらこそご迷惑おかけする身なので。」
『遠慮するな。特に使う機会なんてない。』
「けど、さすがにそれは。」
アルヴァンは自分の部屋を指さしてユリアに言った。
『こっちが俺の部屋だけどさすがに少し手狭だぞ。』
その様子を見てレオは言った。
「えっ?テトの部屋?けど、ベッドが一つしかないし小さいよ。」
『いや、勧めていないんだが。』
ユリアは咄嗟に割って話した。
「テトさんとご一緒なら床に寝ようが全然平気です。」
『おい、何言ってんだ。』
レオは困った表情をしてユリアに言った。
「いや、それではこちらの立場が・・・。」
「じゃあベッドを大きくしましょう。テトさんと寝れるくらいので。」
『おまえ、強引に話を進めるな。』
ユリアはアルヴァンに舌を出した。その後もアルヴァンとユリアはもめてたがユリアはレオに家具を作ってくれる大工さんを聞き、大工さんの元へ行き新しいベッドを作ってもらった。
さすがにアルヴァンも止めるすべもなくアルヴァンの部屋のベッドはクイーンサイズのベッドに変わった。部屋の六割を占めてしまったがユリアはなぜか満足していた。
『ほんと、わがままなお嬢様だ。』