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テト  作者: 安田丘矩
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パワープレイは根本的な解決にはなりません

今年もあと三か月なんですね。早いような短・・・くはないかな。

歳を取ってくると時間の進む感覚が早くなると聞くけど、

確かに早くなっている気がするけどそこまでだと思う。

これって脳が時間の感覚をどう認識しているからなのか

単に時間を意識せずにいると早く進んでいくということなのか。

お盆に行った旅行なんですけど、振り返るとまだ一か月しか経ってないのに

なぜだかだいぶ時間が経ったように感じるのはなぜだ。

これは、時間の幅が広がっていると認識しているのか。

それとも、自分の記憶力が曖昧になっているのか・・。

これは、結局「老い」ということなのね。

ハートロックは兄者と弟者がこっちに迫ってきているのに気づいて自身の周りを飛んでいる一つの石を前に出した。


「ロンズデーライト。我が身を守れ。」

ハートロックが前に出た石に指示した瞬間、大きな盾となり立ちはだかった。


「兄者。盾が出てきたぞ。」

弟者が言った。


「これは力試しだ。ここは一発決めてみる。」

兄者が拳に力を込めてそして

「破壊拳!」


兄者はその盾に殴りかかったがビクともしなかった。拳を解き手をプラプラさせて言った。

「これすっげぇ堅い。手がしびれた。」


「兄者のダサいパンチが通用しなかった。」

弟者が驚きながら言った。


「おい。ダサいは余計だ。」

兄者は細い目で弟者を見た。


「まさか、強烈な拳で挑んでくる者がいるとは驚きです。」

ハートロックは盾を解除した。


「こいつ一体なんだ?」

兄者が指を指して言った。


「色んな石を集めてる石?コレクター?」

弟者が疑問を投げかけた。


「私は、ハートロック。万物の石を操るもの。」


兄者と弟者は互いに見合いながら言った。

「やっぱり、コレクターだった。」


「やれやれ。理解のないデカ物に私の高貴な石の価値など分かるまい。」

ハートロックは一つの石を前に出し兄者と弟者のそばに飛ばした。

「トルマリン。感電。」

その石はいきなり放電し始め兄者と弟者は電撃をくらった。丸焦げになり互いに顔を見合った。


「兄者。焼いた?」

弟者が言った。


「弟者。お前もだぞ。」

兄者が言った。


弟者が自分の身体を見渡して言った。

「ホントだ。」


兄者と弟者は笑い出した。


二人が笑っているところにシドが現れて言った。

「いや、お二人とも何しているんですか・・。だから、話は最後まで聞いてください。」


「あっ、シドさん。獲物はそこだぞ。」

兄者が言った。


「俺が先に仕留める。」

弟者が言った。


「いや、仕留めるも何もやられているじゃないですか。」

シドは呆れながら言った。


「その声はシドですか?まさかあなたが謀反を起こすとは思いもしませんでした。」

ハートロックはシドに話しかけてきた。


「謀反?御冗談を。事実、謀反を起こしたのはそれはエネヴァーのことですよ。神と結託して魔王を座を奪い、自ら王になろうとしている。」


「それが何だというのですか。魔物らしい選択だと思いますが。」


「一対一で戦うこともできず力を誇示するあまり己の未熟さに背を向けてきた。そんな奴が王だなんて滑稽ですわ。」


「まぁどうであれ。私はあなたを排除します。」

ハートロックは結晶石を前に出してこちらに飛ばした。

「コロラドアイト。発火。」


その石は発火ともに崩れ、辺り一面に蒸気と塵が舞った。


「兄者。なんも見えない。」

弟者が言った。


「弟者。なんか苦しくないか?」

兄者が言った。


「ホントだ。なんか苦しい。」

弟者が言った。


「やばい。息ができなくなってきた。」

兄者が屈みこんだ。


「しっか・・うぇえ・・。」

弟者が倒れて死にそうになっている。


「バカな鬼さんですね。致死性の毒が舞っているのに。」

ハートロックは二人の苦しむ姿を見て笑った。


すると、爆発音とともに突風が吹き荒れ、漂っていた蒸気と塵が飛んで行った。


「何事ですか。」


ハートロックは辺りを見渡すとシドが二人に駆け寄っていた。


「だから言わんこっちゃない。」

シドは影から万能薬を取り出して二人に振りかけた。すると見る見るうちに体調が戻っていった。


「兄者。もう苦しくない。」

弟者が言った。


「弟者。助かったみたいだ。」

兄者が言った。


「ありがとう。シドさん。」

兄者と弟者は二人揃って言った。


「お礼はいいので話をちゃんと聞いてください。

二人そろって「はい。」と言った。


「ハートロックは石使いです。石の性質を利用して攻撃や防御、特殊効果を用いてきます。そして、今のは化学変化を利用した鉱毒攻撃です。毒性の攻撃が多いのでどうしても距離を取らざる負えなくなります。」


「けど、俺が殴り掛かったらすごく硬い盾に防がれた。」

兄者が言った。


「あの・・・タクトマスター様の召喚魔物ですよね。もう少し頭を使って戦うことはできないのでしょうか。」


「失礼な。俺らはいつだって拳一つで乗り越えてきた。」

兄者が言った。


「兄者、よく言った。俺たちは地元じゃいつだって負け知らずだった。」

弟者が自信満々に言った。


「お二方の力量は重々承知していますがさすがに相手が相手なので作戦とか練ってほしいです。」


「兄者。頭脳戦だって。」


「弟者。そんな賢い戦い方知っているのか?」

兄者と弟者は互いに見合い首を傾げて考え始めた。


「敵がいる前で考え込まないでください!」

シドは二人に怒った。


「その通りです。なぜ、敵の漫談に付き合わないといけないのだ。」

ハートロックは次の石をこちらに飛ばしてきた。

「雄黄。飛散。」


粉塵となった石が兄者と弟者に向かって飛んできた。


「兄者。粉っぽいの飛んでくる。」

弟者が言った。


「弟者。ここは頭を使うんだ。」

兄者が言った。


「頭って、どうやって。」

弟者が言った。


「それは・・・まず、地面に頭をぶつけて!」

兄者が思いっきり地面に頭をぶつけた。


「ちょ!何やってるんですか!」

思わずシドが声をあげた。


「そして・・・『嘆き咆哮』!」


兄者の凄まじい声が響き渡り。粉塵がここまで届くことなく地面に落ちていった。あまりに力技過ぎてシドは目を丸くした。


「どうだ、弟者。これが頭を使うということだ。」

兄者は誇らしく言った。


「すげぇよ。兄者。これが頭を使うということか。」

弟者が目をキラキラして言った。


「いや、普通に違う。」

シドは小さい声でツっこんだ


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