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テト  作者: 安田丘矩
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ここで誰が来たかによって話が変わる

先日、鬼〇の刃を映画館へ見に行ってきました。

さすがに公開された当初はさすがにゆっくり見ることできないだろうなと

しばらく落ち着いたら見に行こうと思ってついにこの日を迎えたんですが

レイトショーなのにいまだに結構な人がまだ見に来るんですね。

そりゃ、映画史上最大のヒット作になろうとしている話題作ですし。

おまけに、やっぱり映像もそうだけど漫画見て内容は知っていたけれども

全然飽きず面白かった。なんだろう、もう一回見たいと思ってしまった。

それと不思議な感覚なんだよね。無〇列車が公開された時にコロナの余波がまだある中で

映画での対応での窮屈さやコロナの感染リスクとかいろいろあったことを思い出した。

いざ今回の映画を見て、そのことを振り返ってしまった自分が居た。

これは、納得ですよ。本当に見てよかったぁ。

影たちは変形したシドにまとわりつき、シドももがきながら必死に振り払う。


「明らかに悪手でしょ。そんな大型なものに変形するなんて。あなたはいつもそうですね。」

メージはその光景を傍観しながら嘲笑った。


しかし、メージの後ろにシドが居た。

「だから言ったじゃないですか。私は進化しているって。」


その声に振り返ることなくメージはシドに影で拘束された。


「どうしたんですか?あなたも十八番っていうものがあるんでしょ。今ここが使い時なのでは。」

シドは優位になった。


「甘く見るな。影たちよ、私ともどもやりなさい。」


影たちはメージの命令にドラゴンの影から離れこちらに向かってきた。そして、鋭く尖らせた影で一斉にメージとシドを目掛け串刺しにした。


「どうですか。無事ではすまないですよ。」


「そうですね・・・。あなたがですが。」


拘束していたシドの姿が消えた。メージは辺りを見渡してようやく気付いた。ドラゴンの形をしたシドが本体だったということを。そして、そのドラゴンの形をしたシドはこの時を待っていたかのように一気にメージたちを影で飲み込んだ。


メージと影たちは真っ暗な影の中に拘束された。しかし、メージは落ち着いていた。


「あれだけ大きい影で空間を練られてはこちらも脱帽です。」


「世辞は結構ですので。今のところ私が有利ですが。どうしますか?」


メージはため息をついた後で渋々影たちを解除して手を地面にして言った。

「あなたにこれを使うときが来るとは。」


メージは溶けていった。そして、その溶けたところから球体が現れて宙に浮いて回り始めた。その球体はカチカチと音を立てている。


「動き始めた世界エンディング クロック。」

シドが作り出した空間に一定間隔で音が鳴り響く。


「話には聞いていましたが、また歪な能力ですね。」


シドがその球体を影で包み込もうとするとシドの影は打ち消されていった。メージの球体の周りを呪文の詠唱文が現れ始めそしてその文字たちが空間に散らばった。


「耐えられるかな。『時限爆弾アラームクロック』。」

文字たちが一斉に爆発した。空間全体が揺れシドにダメージを与えた。


「有利になったのではないのですか。」

メージは再び詠唱文を浮かび上がらせた。


「な・・何を言っているのですか。どれくらいの威力なのか身を呈して体験したまでです。」


シドは空間を捻じ曲げて、メージの球体は歪み一瞬亀裂が入った。

「まだ軽いジャブですよ。大丈夫ですか、メージ。」


「挑発は結構です。そんな余裕もないでしょう。」


今度は空間を圧縮させながらメージを圧迫していく。それでも球体は音を一定間隔で刻み続けている。


「いつまで引きこもっているつもりですか?まぁあなたらしいですけど。」


「安心してください。もうすぐ終わりますから。」


メージの球体は次第に膨張して行き、シドの空間もそれを押さえつけようと圧をかけていく。球体からはミシミシと音を立て亀裂が入るもののそれでも止まらない。


そして、「破滅のブラックホール。」

球体は一気に圧縮されそして、物凄く勢いで回転し始め空間ごと飲み込み始めた。


「さぁ終わりです。これであなたとの因縁ともサヨナラです。」


シドの作り出した空間はメージの球体に吸い込まれそして、ついにメージはすべてを飲み込み外へ出ることができた。


球体の状態を解いて周囲を見渡した。辺りは閑散として、いつの間にか問い詰めていたパーチとクレアもいなくなっていた。


「やれやれ、少々時間を掛け過ぎました。早くエネヴァー様の元へ。」


メージが一歩踏み出した途端、一気に地面が爆発した。メージは爆発に巻き込まれその場に倒れこんだ。


「な・・・なぜ・・・だ・・と・・。」

メージは瀕死の状態になった。


「そんなの決まっているじゃないですか。私がマジックボムを埋めておいたからですよ。あなたが私の空間で力を消耗している間、一番最初に取り囲んだ影に潜んでせっせと埋めてました。」


「そんなこと・・・分身体が独立して動いていたというのか。あの空間をだぞ・・。」


「別に難しいことはないですよ。力を分身体にほとんど渡して、行動自体も限定して空間を捻じることと、圧縮することしかしていませんでしたよ。あなたへの応答は分身体を通して私が返事していればあたかもあなたが私と対峙していると思い込む。それだけのことですよ。だからマジックボムを埋める時間もありましたし、あなたが最終手段を使う過去のせいもあるので非難する時間も稼げました。消耗したあなたが出てきて油断して踏めば大ダメージ。」


家の物陰にパーチとクレアがこちらの様子を伺っているのが見えた。


「申し訳・・・ございません。エネヴァー様・・・。わたしは・・。」


「最期に言い残すことはありますか?」


「くたばれ!シド!必ずお前を呪う!!」


「あなたっていつもそうですよね。プライドだけで卑下されるとこの様。小物感がすごいんですよ。」


「うるさい!」


「さようなら、メージ。そんなあなたでも尊敬していたんですよ。」

シドはメージに触れて言った。

「鬼さん捕まえた。」


シドはメージの生気を吸収し始め、メージは苦しみながらも最後は息を引き取りそのまま、地面に溶けていった。シドはメージが溶けていったところをじっと見つめた後でパーチとクレアのもとへ近づいた。


パーチとクレアはシドを警戒しながらも、さっきここまで運んでくれたので悪い魔物じゃないとは思っていた。


シドは影の中から回復薬を取り出しパーチが負ったの傷にかけた。傷口はみるみるうちに塞がり痛みもなくなった。

「すごい。痛くない。」

二人は驚きながらシドをみた。


そして、シドはさらにクレアに一冊の本を渡した。それは~ヘドリングに伝えて~だった。

「どうして、この本を?私に逃げる途中で落としちゃって。」


シドは何も言わずにそのまま二人の元から去って行った。シドは本を渡したことを少し後悔したがこの著者を崇拝する同志として改めてこの本を譲ることを決意したのだった。


「しばらく、私も身を潜めて体力を回復しなければ。アルヴァン様はどこへ・・・。」

シドは一先ず一番近くに気配を感じた兄者と弟者の元へ向かった。





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