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テト  作者: 安田丘矩
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どんなに離れていても心は通っている

最近、コロナもそうだけれどもインフルエンザが流行していますね。

インフルエンザって冬じゃないのと思ったけど、

エアコンつけて乾燥している部屋だと感染してもおかしくないし

こんな暑いと免疫機能も低下してウィルス、ウェルカムみたいになっちゃうわな。

自分もお盆前に風邪の片鱗が見えて喉の腫れがひどかった。

薬局で喉の腫れと痛みを抑える薬を買って飲んだらなんとか良くなったけど

この暑い中で病気になるのは嫌。けど、このまま冬までずっと続くとなると

蔓延しすぎて大変なことにならないだろうか。皆さんも気をつけて。

ユリスは町をさまよっていた。なぜか敵の魔物が襲ってくることはなくジュテームを抱えながら傍観しながら歩いていた。


「あたし、用事が済んだから早くダーリンを探しに行かないといけないんだけど・・・どうしようか、ジュテーム?」


ジュテームは首を傾げていた。


「そうよね。アルヴァンちゃんと合流した方がいいわよね。」


ジュテームは喉を唸らせた。

「それにしても、やけに魔物の数が多いわね。そんなにここを陥落させる必要があるのかしら。」


四肢をバラバラにして取り合う魔物、必死に抵抗して家族を逃がそうとする男性、町の避難を優先し魔物と戦う冒険者。


「こっちには行かせない!」

ユリスの前に立ちはだかったのはシルバだった。右目をから血を流していた。


「あらお嬢さん大丈夫?ケガしているじゃない。」


「お前、喋れるのか?」


「私を誰だと思っているの?才色兼備ユリスとは私のことよ。」


シルバは表情を変えず黙った。


「ちょっと、何か言いなさいよ。」


「そもそも、ユリスという魔物など知らない。」


「まったく、最近の人間ときたら無知にもほどがあるわよ。」


ユリスは指を鳴らすとシルバの目が治療された。シルバは痛みが引いたことを驚き自身の目を触れてみた。


「さすがに視力は戻らないけど治療はできたはずよ。」


「お前は一体・・・。」


「アルヴァンちゃんを探しているんだけど知らない?援軍としてここに来たんだけど・・・用が済んだから帰るって言いたくて。」


「アルヴァン?知らないな。」


「そう・・・どこへ行ったのかしら。」


ユリスはジュテームの頭をくりくりと触りながら見渡していると突然後ろから

「おや、まさかここでお会いするとは思いませんでした。」


その声を聞いてユリスはジュテームを手放し、そのまま裏拳をくらわせた。しかし、頬に当たる手前で片手で受け止められた。

「いきなり、拳で挨拶とは粋なものですね。」

そいつはエネヴァーだった。


「見たくない顔だからついつい手が出ちゃって。ところでエネヴァー・・・ここで何しているの・・。」

ユリスはすぐに後退して鋭くにらみつけた。


「エネヴァーだって!イレリアを襲撃している首謀者だと。」

シルバは驚きすぐに身構えた。


「お嬢さん、早くお逃げなさい。あなたが叶う相手ではないわ。あと、アルヴァンちゃんを見かけたらさっきのこと伝えておいて。」


「さっきのって・・・帰る旨か?」


「まぁこいつを相手した後になっちゃったけどね。さぁ早く。あとジュテームをお願い。」


シルバはジュテームとボソッと言った時、一羽の鳥がシルバに近づいてきた。

「これがジュテーム・・・。」

シルバはジュテームを拾い上げて避難場所へと走り出した。


「人間に肩入れしているとは相変わらず物好きですね。」


「あんたよりつまらない魔物よりずっとマシよ。それに・・・あんた何飼ってるの。」

ユリスは魔力を練り上げて片手をエネヴァーに向けた。


「さすがですね、ユリスさんは。私の新たな力の存在に気づくなんて。隠しているはずなんですけど、あなたにはバレてしまいますかぁああ!」

エネヴァーの顔半分が飛散した。


「御託はいいから、さっさとして。私今忙しいの。」


エネヴァーの身体がうごめき始めて顔が再生した。

「素晴らしい。これがあなた能力ですね。初めて受けましたよ。」


「ワザと受けてくれてありがとう。さっさとあんたの得意技でも使ったら。蓄積したダメージを跳ね返すアレ。」


「お見通しですか。それを使うにはまだ早いです。もう少し楽しみましょう。」


「ふざけた野郎ね。まぁどうせ死にそうにないから。これをあげるわ。」


ユリスはエネヴァーにあるものを投げつけた。それは、ムカデのような節足魔物だった。しかし、死んでいるのか動かなかった。


「なんですかこれ?動かないですよ。」


「そう、その子はもう死んでいるわ。けど、その子はどうかしら・・・。」


そのムカデのような魔物からじわじわと小さい同じ魔物が大量で身体から溢れはじめエネヴァーにまとわりついた。必死に振り払おうとするエネヴァーをゴミを見るような目でユリスは見つめていた。


「うわぁすごい数だ。しかも痛い。嚙みちぎってくる。」


「それは地獄虫よ。特定危険生物で凄まじい繁殖力と獲物を見つけたときの反応速度が速い。親死んだ子供たちは血肉を欲しているわ。だから、あなたが食べられて頂戴。」


エネヴァーは身体中を地獄虫によって浸食され身動きが取れづらくなっていた。すると急に黒い靄が現れそして黒い炎でエネヴァーが炎上した。すると地獄虫が次々に焼け落ち死んでいった。ユリスは再び片手をエネヴァーに向けて身構えた。炎の中からエネヴァーではなくロキが現れ炎は鎮まった。


「おやおや、大したものだな。・・・男?なのか女なのか?」

ロキは困っていた。


「あんたがエネヴァーの中にいたのね。随分胡散臭いのが出てきたこと。」


「それは褒め言葉なのかい。まぁいい、できれば君と戦いたくはないんだが。」


「調子のいいこと言って、エネヴァーとつるんでいる時点で私の敵よ。」


「そうかい・・・残念だよ。」


ユリスは後ろから光の杭に打たれた。悶絶しながらユリスは跪いて堪えた。


「急所だと思ったんだけどちょっとそれてしまったようだ。最期に言い残すことは?」

ロキは指さしてユリスの返答を待った。


そして、ユリスは思った。

『これで死ぬのね・・・。最期に一度でもダーリンに会いたかった。』


ユリスは懐からお帰りくんを取り出して見つめた。脳裏にはドミニクとの思い出が走馬灯のように溢れだしそして言った。

「ただいま。」


すると、ユリスの姿が消えた。ロキはさすがに驚いた。


「まさか、移動魔法。魔法の痕跡もない一体どうやって。やはり、魔物とは面白いものだな。」

ロキは高々と笑った。




その一方で、


「ユリス!ユリス!」

ドミニクはユリスを抱きかかえて名前を呼び続けていた。


「これは夢なのかしら・・・。最期にあなたに会えた。」

ユリスはドミニクの頬に手を伸ばして触れた。


「あぁ会えたさ。お帰り。」


ユリスの持っていたお帰りくんの帰る行き先はドミニクの腕の中になっていたことでようやく会うことができたのであった。作った本人はてっきり研究室だと思い込んでいたため今まで使用していなかった。


「ただいま・・・ダーリン。」

ユリスは気を失った。


「ユリス!ユリすぅうううう!!!」

ドミニクは大声をあげた。


「あぁドミニク大丈夫だ。ユリス様は脱皮すれば元に戻る。」

セイルはサラッと言った。


「えっそうなの。」

ドミニクはそれを聞いて驚いたが一安心してユリスの頭を撫でてキスをした。



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