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テト  作者: 安田丘矩
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やりすぎも良くないと思う

遠出したときに道の駅によることあるけど、

あれ儀式のように野菜コーナーを見てしまうのはなぜだろう。

もちろん一番に価格を見て安いとか思うけど、

なんだろうそこでその野菜を見るとおいしそうに見える魔法。

まだお家にあるのに買ってしまう。仕方ない、おひたしにでもするかと。

特によく買うのは丸いもの、白菜、かぼちゃ、冬瓜、トマト。

季節ものは押さえておく感じで買う。涼しくなった?けど、まだお野菜高いから

すこしでもお買い得においしいものを買いたいと思う性。

けど、結局近くのスーパーで買った方が安いというオチ。

いいんです。気分がいいから、問題ない。だよね・・・。

アルヴァンたちはカタギリを見るなり黙り込んだ。


そして、タクトマスターが一番最初に声をあげた。

「おまえ、まだ倒してなかったのか?」


「いや、みんなやって来るから。」


「だめですよ。トドメをささないと。」

兄者が言った。


「そうですよ。死んだか確認しないと。」

弟者が言った。


「そういう詰めの甘さが命取りになるんじゃぞ。」

タクトマスターが呆れながら言った。


「おまえら、揃いもそろって・・・。」

アルヴァンは不満に思いながらも言い返せなかった。


「『涅槃(ビューティフルワールド。)』」

カタギリは呪文を唱えた瞬間、辺り一面が真っ白になった。そしてカタギリの姿も消えた。


「おい!巻き添えだぞ!」

フィンクスはアルヴァンに怒った。


「仕方ないだろ。みんな集まっちゃったんだから!」

アルヴァンはフィンクスに文句を言った。


「安心しろ。この白い中で囚われない限り問題ない。」

タクトマスターは冷静だった。


「主人。幻惑の中だと普通に回避するの難しいですよ。」

兄者が言った。


「主人。すべてを自分基準で考えるのは良くないですよ。」

弟者が言った。


「じゃあ完全に向こうの掌じゃないか!」

フィンクスは動揺していた。


「落ち着け。あいつが広範囲の幻惑を使えるなんて思ってもみなかったが、幻惑には幻惑をぶつければいいだけだ。」

アルヴァンは自信満々に言った。


「そんなこと初めて聞いたぞ。」

タクトマスターはアルヴァンに言った。


「仕方ねぇ。あんまり幻惑術は得意じゃないけど見せてやる。」

アルヴァンは両手を合わせて念じ始めた。すると辺り一面が水に包まれた。


「ほぉ。こんなこともできるんだな。」


「できるというより、教えてもらった。」


「アルヴァンさん。これ俺たちにも効かないか?」

兄者が言った。


「あぁ効くよ。」


「アルヴァンさん。それは良くないのでは?」

弟者が心配そうに言った。


「かかっても俺が攻撃しない限り問題ない。ただ、効いている状態になると口をあけっぱなしにして上を向いている。」


「それは良くないです。」

弟者が言った。


「そんな顔見られたくない。」

兄者が不満そうに言った。


「安心せい。お前らにはワシが耐性をつけておく。」

タクトマスターは兄者と弟者に呪文を唱えた。


「あの・・・タクトマスターさん?俺にもお願いしてよろしいか・・・。」

フィンクスは恐る恐るタクトマスターに頼み耐性つけてもらった。


アルヴァンはその水に触れた瞬間波紋が広がった。今度は二回触れて、次は一回触れた。すると、水面が勝手に波紋を次々と広げ始めた。すると白い壁が歪み次第に視界が白くくすんできた。


「相手も抵抗しているようだな。」

タクトマスターは少し感心していた。


「幻惑同士が摩擦しているからな。互いに打ち消しあっている感じだ。」


「じゃあ、ワシが手を加えてみようかな。」


タクトマスターは指揮棒を取り出して水をかき回し始めた。次第に渦潮のように回りはじめ波をたててうねり始めた。


「相変わらず荒々しい爺さんだな。幻惑に表情をつけたな。」


「それは褒め言葉として受けとめておく。」


次第に白く覆われていた空間に亀裂が入り始めた。


「ほれ、もうどこにいるか分かるじゃろ。」


「ハイハイ、何でもお見通しってわけね。」


アルヴァンは手をパンっと叩いた。すると、さっきまで荒れていた水が止まりシーンとなり、白い空間が崩れ元の町に戻っていた。そして、目の前に仰向けに倒れ、目を上に向けながら口を開けているカタギリの姿があった。アルヴァンは幻惑を解除して近づいてみた。


「こりゃあ、もう駄目だな。完全に逝っちゃってる。」


「そりゃあ、幻惑の圧力をあげたからのぉ。」

タクトマスターは自信満々に言った。


「俺、死ぬときはこんな風になりたくない。」

フィンクスはゾッとしながらアルヴァンに言った。


「まぁ、子孫たちに看取られながら死ねるように命を大事にしろ。」


「ここに連れてきてそれを言うのか、おまえ。」


「時にアルヴァンよ。ロキ、エネヴァーの行先は分かっておるのか?」

タクトマスターはアルヴァンに尋ねた。


「知らねぇ。ただ、さっきみたいな気配で分かると思うが。」


「侮るな。奴は気配など消すことなどたやすい。それとおまえの言っていた魔王の依り代というのはどこへ。」


「今避難所にいるが。」


「すぐに行ってこい。嫌な予感がするわい。」


アルヴァンは言われるがままにテスターさんの農場の方へと走り出した。

取り残されたフィンクスは何をすればいいのかタクトマスターをチラチラ見た。


「そういえばお主もアルヴァンに呼ばれたのか?」

タクトマスターはフィンクスに尋ねた。


「えぇ・・まぁ。腐れ縁ってやつか、敵の削りをお願いされている。」


「そうか、なら背中を借りても良いか。」


「えぇ!」

フィンクスは正直嫌だった。


「主人。ずるい。俺も乗りたい。」

兄者が言った。


「主人。ただ、乗りたいだけだろ。」

弟者が不満そうに言った。


「お前らが乗ったら潰れてしまうわい。安心せい、上空から敵を一網打尽にするだけだ。」


「あぁ・・はい。」

フィンクスは逆らえなかった。


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