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テト  作者: 安田丘矩
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探検隊ってどうやって食べてるんだろう

オケラって見たことありますか?大人になるまで見たことなかったんですよ。

「手のひらを太陽に」の歌詞でも出てくるけど実物とか見たことないから実感がなかった。

数年前から何か虫の鳴き声?というか地面からゴーゴーって言うから、何だろうって。

それがオケラだと知って、家の庭にいるんだとちょっと嬉しかった。

そして、終いには耕しているときにオケラを初めて見つけた。コオロギのような感じだけど、

前がスコップのような鎌なっているんだね。逃がしてあげて土に潜る姿もばっちり観察しました。

けど、今までいなかったのに自分の家の庭に住むようになるなんてね。

虫さんも移動しながら暮らしやすい所を探しているんだろうね。

アルヴァンは見た!!魔宮に住まう古の魔物と出会った!!!



アルヴァンはユリスが言っていた魔宮の入り口にやってきていた。ここには古の魔物『タクトマスター』が住んでいる。ユリスはそこで遭遇した後、サインをもらい召喚獣を観察したそうだ。


アルヴァンは戦力不足を懸念し何かいい案がないかと模索した結果、『タクトマスター』に助力願えないかと思惑をもってここを訪れていた。


魔宮の中はくすんだ大理石が壁や床に敷き詰められ、入り口から入った広間は壊れた石像や朽ちた家具、落ちた天井などが散乱していた。倒れていた燭台を立て、カエルらロウソクを取り出し火をともした。


そして、さらにメティスを取り出してアルヴァンは言った。

「じゃあ、探知してくれ。」


「じゃあ、じゃねぇよ。魔物遣いが荒いんだよ。」

メティスはご機嫌斜めだった。


「怒らない、怒らない。」


「探知なら、シドの能力でいいだろ。」


シドは影から出てきて言った。

「それが、何も引っ掛からないんです。」


「その能力大丈夫なのか?」


「ここにはいないのか。もしくはこの能力をすり抜ける策があるのか。」


「だから、メティス。頑張ってくれよ。」


アルヴァンは両手を合わせた。メティスは舌打ちをして先ほど灯した燭台の火に呪文を唱え始めた。

「『闇より出でし光よ。蘇れ。』」


すると、ロウソクの火が飛散して魔宮の奥へと入って行った。しばらくして、メティスが言った。

「魔宮内にある火が灯る所、全てに火が点いたぞ。それで、細かい反応はいくつか確認できるが・・・おかしいのは地下5階の突き当りの部屋を通過した行き止まり。不自然に燭台が一つあってその壁の奥に何か反応がある。」


「さすが、メティス様。一流ですね。」

シドが拍手した。


「こんなもん朝飯前だ。」

メティスは胸を張った。


「じゃあ早速行くか。」

アルヴァンはさっさと先に進んでいった。


「だぁあかぁあらぁあああ!おまえのそういうところだぁあああ!」


メティスはキレた。そして、思いっきり火球をアルヴァンに投げつけた。アルヴァンはギリギリでかわした。火球は思いっきり壁に当たり魔宮は揺れた。


「おまえ!ただでさえボロいんだぞ!!崩れたらどうす・・・る?」


魔宮全体に警報音が鳴り響き始め一体何が起きたのかアルヴァンたちは動揺した。すると突然、アルヴァンは後ろから衝撃波をくらい吹っ飛ばされた。そして、壁に叩きつけられた。


「アルヴァン様!」

シドは驚きアルヴァンに近づいた。


「おいおい、嘘だろ。あいつがぶっ飛ばされるなんて。」

メティスも恐る恐るアルヴァンに近づいた。


「大丈夫・・・ですか?」

シドは顔を伺うように聞いた。


「この状況が大丈夫に見えるなら相当な頭お花畑だと思うぞ。」

アルヴァンは腰を摩りながら痛みを堪えた。


「けど、アルヴァン様がぶっ飛ばされるなんて。」


「急に後ろから魔力の反応が現れたんだ。避ける間もなかった。」


「これがタクトマスターの力ですか・・・。」


アルヴァンはさすがにムカついたのか呪文を唱え始めた。


「アルヴァン様・・・何する気ですか?」


「この魔宮を吹っ飛ばす。」


「えっ!タクトマスターへの助力は!」


「ンなもん関係あるか!こっちが下手に出ているのにこの扱いだぞ。それに姿も見せずに攻撃してきた。この魔宮がさぞ大事だと聞いているんだ。なら、報復は否めないだろ。」


「また、単細胞なことを・・。」


アルヴァンの練りだした魔力は次第に大きくなり稲光が球体の中で起き始めた。その光に照らされたアルヴァンは実に悪い顔をしていた。


するとどこからか声がした。

「やめろ!!!このバカ者が!!!!」


壁の中から皺くちゃの老人?が現れた。アルヴァンはその老人に含み笑いをした後で言い返した。

「どっちがバカだったかこれではっきりするだろう。じじい、恨むならお前の対応の悪さを憎みな。」


すると、アルヴァンの横へ巨大な鬼の魔物に2体が歩み寄ってきた。そして、1体が話し始めた。

「俺は止めたんですよ。さすがに良くないって。せめて追い払う程度でいいんじゃないかと。」


もう一体もアルヴァンに言った。

「俺は止めなかった。」


「おい、止めろよ。」

アルヴァンは思わずツッコんでしまった。


「止めなかったけど、脅かす程度だって言ったから加減はすると思っていた。」


「そうか、あのじじいが悪いってことだな。」


じじいは怒りながら言った。

「こらぁ!兄者、弟者!己はワシを売るのか!!」


「だって、面会に来た人を無下に扱うのはマナーとして良くない。」

兄者が言った。


「そうだね。兄者の言う通りだ。悪質な勧誘ならともかく用件は聞くべきだと思う。そして、『結構です。』じゃなくて、ちゃんと『お帰りください。』って言うべきだ。」

弟者が言った。


「お前何で最後だけ実務的なんだ。」


アルヴァンは渋々魔力を相殺させ収めた。


「すまないな。客人よ。主人が無礼を働いた。」

兄者が言った。


「主人は歳を追うごとに質が悪くなっている。」

弟者が言った。


「おまえら!言いたいことばっかり言って!」

タクトマスターは兄者と弟者の前に来て言った。


「それで、用件を聞いてくれるのか?」

アルヴァンはタクトマスターに聞いてみた。


「誰がおまえの言うことなど聞くか!」

タクトマスターは怒りながら言った。


「主人。ちゃんと人の話は最後まで聞かないとダメですよ。」

兄者が言った。


「主人。短気は損気ですよ。」

弟者が言った。


「あぁああああ!もうぉおおおお!わかったわ!!どいつもこいつもうるさい、うるさい!!」

アルヴァンたちはタクトマスターに案内され魔宮の奥へと入って行った。



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