ピンチはチャンスという人間ほど頭の中お花畑
クオカードをもらう機会があるんですけど、あれ使う店舗がコンビニ一択になる。
ご利用できる店舗が少ないというか近所に使える店舗がない。
あるんだけど、その店では使えない場合があるから使いづらい。
なのでコンビニ一択になるんだけど、寄るときも限られるから中々使う機会に恵まれない。
かと言ってクオカード使う用事を作るのもなんだかなぁ。
結局財布の中に入れておいて使えるときに使おうと入れっぱなし。
そして、使うの忘れて現金で買ってしまう。
ただ、コンビニの種類によって対応に差がある。気になるのがファ〇リーマート。
あれクオカードの取り扱える機器が一台しかないのかな?
なんか、別のレジの下のところにクオカード差し込んでいるの見たから
レジごとにクオカード使えないみたい。これで残高無くて二枚渡ししたら変な空気になるなぁ。
夜空に星が輝くころにとある赤い星が日に日に大きくなっていることが観測されイレイアではちょっとした騒ぎになっていた。魔導天文部の話では現状このまま衝突せず通過する結果となり、この極めて珍しい天文ショーを人々は待ち望み楽しみに待ち続けていた。
そのことはアルヴァンの耳にも届いていた。そして、悟った。
「そうか、約束の日ってケツァルコアトルが閉じ込められている赤い星がここに接近してくる時だったのか。だとしたら、このまま10日ってところか。」
「アルヴァン様。あまりに出来すぎてませんか?」
「出来すぎていて当然だろ。だって、あいつがこの状況を作り出していると同義だ。」
「そうですが。この余興は、テスカトリポカと魔王様との駆引きなのにそこに古の戦いに敗れて封印した赤い星が約束の日としてここへ帰って来るってそもそもケツァルコアトル様に対しての遺恨としか思えないのですが。」
「確かに。そうか、俺らあまり二人の関係のこと考えたことなかったけどどうしてそこまでテスカトリポカは兄であるケツァルコアトルに固執するんだ?」
「以前、ピグマン様からは嫉妬心に駆られての行動と聞いていましたがどうも聞いていたニュアンスと違うようです。」
「不安要素が存在するってことか。逆にテスカトリポカに関する手掛かりを探す方が難しくないか?」
「そもそも、信仰されていたのかも疑わしい神です。それでケツァルコアトル様から何か連絡等はないのですか。」
「ないな。俺らアルムトゥラムトに行ってからもう一年も経っている。あいつ神のくせに逃げたな。」
「頼みの綱には逃げられるとは・・・。」
アルヴァンは赤い星を眺めながらため息を吐いた。
この一年敵からの攻撃は一切なく平和な日々が続いた。ただ単純に戦い前の静けさなのだろう。それに戦いのカウントダウンはもう始まっている。
この一年でアルヴァンがやったこと
①モッフィーに暗示をかけること。
テスターさんのところで家畜しているモッフィーに暗示をかけている。それは襲撃があった時にこの場から脱走し、町の人々の守るように仕向けた。
②魔物を発生させて冒険者や警備兵を増員させる。
以前、シルバに目をつけられたこともあったがある程度力のある者が必要だと思い、ギンガルから離れた地点に魔物を寄せ集めて意図的に発生させた。そして、ギンガルの森に『植物の叡智』というユリス印の育ちすぎて大変な活性剤を撒いておいた。これにより森は実り豊かになりすぎ遠くからの魔物も余計に来るようになり、警備兵や冒険者のギンガルに常駐する人数は増えていった。
③魔術刻印をギンガルの周囲の木々に刻む
敵襲に備えてギンガルを取り囲むように木々に魔術刻印を刻みいつ来ても分かるように備えた。この魔術刻印は半径十メートル範囲で感知することができ、その範囲を通過した魔力保持者に反応する。魔力保持量が多いものほどアルヴァンは鮮明に感じ取れる。そして、明らかに危険と判断したらマアサの工場の裏に隠したマジックボムを爆発させて花火が上がるように仕掛けておいた。
④ヒッツキ虫の調達
魔界に住む厄介な虫で魔力があるものによって来る。その魔力量が多いものほど寄ってきやすく。一度触れられると中々剝がれず、さらに魔力を吸収し始める。アルヴァンは自分を囮にしてその虫を大量に捕獲した。そして、この虫の対策はユリスから昔教えてもらっている。この虫はハッカの匂いが苦手でそれを塗っておくと寄ってこないのだった。なので、襲撃に備えてハッカの香水を自作しておいた。けど、さすがに覚めるような匂いなので普段使いはできない。
その他諸々の準備をしてきたが正直勝てる気がしなかった。明らかに受け身な戦いになりそうでこちらが疲弊していく感じがしている。ドラゴンたちが手助けしてくれているとはいえ相手の戦力が測れない分悩んでいた。
「実際に戦ってくれる戦力が足りませんね。」
シドは落胆した。
「ほんとう、俺ら友達いなさすぎだ。」
「魔物同士の付き合い程薄いものですから。」
アルヴァンはカエルから何かを取り出した。それは毛がむしり取られた鶏?のような黄色い鳥だった。
「なんですか?その残念な鳥。」
「メールダッチョウ。」
「ふざけているんですか?」
「真面目だ。これに伝えたいことを吹き込んで離すと伝えたことを口にしながら凄まじい速さで走り去っていく。」
「それで?」
「それだけだ?」
「ふざけているんですか?」
「だから、真面目だ。どこへ行ってしまったか分からないユリスに伝わればいいんだが。『〇×月■□日にロリババアがギンガルにやって来る。ユリス来てくれ。』」
アルヴァンはメールダッチョウを手放し、凄まじい速さで走り去っていった。
「無駄なあがきのような・・・。」
「もしかしたらユリスが聞いてやってきてくれるかもしれないだろ。保険はかけておくものだ。」
「そもそも、あんな鳥いるんですか?」
「おそらく、この世界で唯一の一匹だ。」
「それ冗談ですよね。」
「凄まじい速さで走り去っていくのは死期が近いからなんだ。もともと安静な状態で生活していればあんなことが起きない。もともと、絶滅する寸前で捕獲して眠らせておいた個体だ。」
「えっ・・・とぉ・・・。どういう状況で?」
「まぁ細かいことは気にするな。最期に俺たちの役に立ってくれるはずだと信じてる。それだけだ。」
「・・・せめて、仲間と一緒に死なせてあげたほうが良かったんじゃ。」
「みんな死ぬときは一人だぞ。」
「あぁ・・・そういうの。」
シドそれ以上何も聞かなかった。