神様の気まぐれに巻き込むんじゃない
よく百均を利用するんですが、皆さん何買われてます?
基本的には消耗品を買うことが多いかな。
ビニール袋やウェットティッシュは毎度買っている。
昔はちょっとした本棚とかバスケットとか欲しいなと買っていたんだけれども
はじめはスッキリしたと自己満足にかられるけど、時が経って何で買ったんだろうと後悔して
物によっては粗大ごみに持っていくのめんどくさいってなる
便利グッズもそう。買ったはいいけど、二、三回で使わなくなり
そして、こんなの買ったっけぇで終わってしまう。
100均だからまっいっかぁで済ませてしまう自分に反省しなければ。
アルヴァンが気が付くと宮殿の祭壇の前に戻っていた。辺りを見渡すと誰もいない静けさが漂っていた。来た時と違うのは宮殿に陽光が入り、初めて来たときのおどろおどろしさが消えていた。
「あいつどこ行った?」
テスカトリポカの姿はなくアルヴァンだけが取り残された。
「アルヴァン様・・・。」
シドが鈍く影から出てきた。
「おぉ、おまえ大丈夫なのか?」
「えぇ、だいぶ楽になりました。それにどうやら紫の霧が消えているようで。」
「そうだ。確かに消えている。」
けれども、かすかに宮殿の奥の方から紫の霧で感じる。気配を感じる方へ歩いて行くとどうやら宮殿の地下へと続いていた。たどり着いたのは牢獄だった。湿っぽさを感じる中でここにはまだ紫の霧が充満している。
「アルヴァン様・・・また酔いそうです・・・。」
「おまえは入り口で待っていろ。」
アルヴァンだけで牢獄の中へ入って行った。一番奥の牢獄から紫の霧が湧いてきている。近づいて牢の中を見るとぶよぶよした塊から気泡が現れては破裂して紫の霧が放たれていた。
「なんだ?気持ち悪いな。これどうすればいいんだ。」
アルヴァンは戸惑いながら外へ運び出すことにしたがさすがに触りたくなかったので移動魔法で宮殿の外へ飛ばした。宮殿の外へ出されたぶよぶよは陽光にさらされて溶けだしていった。溶けだした跡にはなぜか草花が生え始め、そして大きな種は出てきた。アルヴァンはその種を持ち上げてまじまじと観察した。
「アルヴァン様、何の種でしょうか。」
「さぁ。テスカトリポカの毒牙にやられていたって考えたら、あいつにとって不都合な何かだろう。埋めてみるか。」
アルヴァンはその場に植えてみた。しかし、何も生えなかった。
「生えないな。」
「水をあげないとダメなんじゃないですか?水をあげないと。」
「そうだな。」
アルヴァンは水魔法で軽く水をあげた。すると、地面が揺れた。
「なっ!なんだ!!」
しばらく揺れ続けた後で地震が治まった。
「一体何だったんでしょう。」
「さぁな。結局何も生えてこない。」
「時間がかかるんでしょう。それで、何にか進展がありましたか?」
「テスカトリポカはいたんだが結局いなくなってしまった。手掛かりはつかめないまま。」
「けど、ここは関係があったんですね。」
「あぁ、もう少し中を見てから戻るとする・・・か?」
アルヴァンがシドと話しかけていると急にシドが隠れてアルヴァンは何かを見つけた。それは、いろんな方向から人々がこちらに向かって歩いて来ていた。それはいろんな格好をした人たちだった。気が付くとアルヴァンは人々に囲まれてしまった。
「魔物?こんなところになぜ・・・。」
一人の正装した男がアルヴァンに話しかけてきた。
後ろに数名の召使と兵士を連れていた。ただ、ジェルマや家来が着ていたような今どきの服装ではなくどこか古いものだった。
『なんか、お前らどこから来たんだ?』
冒険者やら礼服の者や盗賊のような、皆時代もバラバラな様子だった。
『お前ら、まさか?死者たちか・・・。いや、死んでなかったのか?』
アルヴァンは思い当たったがさすがにこの状況をどうすればいいのか分からず困ってしまった。
「突然意識が戻ったんだが、ここはアルムトゥラムトなのか?」
『アルムトゥラムト?あぁこの宮殿か。』
アルヴァンは頷くと男は戸惑いながら家来たちと見合った。他の皆も互いに話し始め何が起きたのかを確認し始めた。
「なんだか、かなり外壁が荒れているな。まるでかなりの年月が経ったようだ。」
『まさか蘇るとはな。けど、このまま故郷に戻っても帰る家がないのでは・・・。』
すると、また地震が起きた。皆姿勢を低くして身を寄せ合った。すると地割れが起き始め、皆慌ててこの場から離れて行った。その割れ目から宮殿も超すくらいの大きな双葉が生えた。アルヴァンを含め皆見上げて唖然となった。
『は・・・生えた。これは植えてよかったのだろうか。』
『ありがとう。ようやく自由になれた。』
突然頭に語り掛ける声にアルヴァンは驚き周りを見渡した。周りの皆動きが止まっている。すると、竜の仮面をつけたものが双葉の葉から飛び降りてアルヴァンの下に降り立った。
『おまえはケツァルコアトルか?』
『そうだけど、残念ながら幻像に過ぎないが。ありがとう、テスカトリポカの呪いを打ち砕いてくれて。』
『あの声はお前だったんだろ。ちゃんと願いは帰ったんだな。』
『お空を飛び回っているよ。』
『ところでこの・・・芽って何?』
『これは七変化っていう植物だ。その時の状況によって咲く花が変わるんだ。時には癒しを。時には守りを。』
『お前の分身ってことなのか。』
『そういう所だな。昔は私の分身が民を助けて民からの支持を集めてきたんだ。』
『そうか。テスカトリポカとしては厄介なものだったんだな。』
『君のおかげで私の力が少し戻ったよ。何かお礼がしたい。』
『なら、テスカトリポカを止めてくれ。』
『その力はない。』
『あっそう。なら何ができるんだよ・・・。じゃあ、こいつらを元の時代に戻してくれ。』
『ここにいる民をか?』
『もともと、お前の弟のせいでこの時代まで取り残されたんだろ。ちゃんと兄として責任を取れ。』
『返す言葉もないな。良かろう。』
『できるんだ・・・すげぇな神様って。』
『ただ、戻した後何か現代に変化が起きるかもしれないからな。だから、戻したりすることは基本しないんだ。』
『そうか。別に変ったところで失うものなどない。普通だったら、そこの人間がその時代で普通に暮らしてそして死んでいったなら、戻してあげないといけない。』
『君は神様に向いているね。』
『よせ。そんな大層なことなんてしていない。』
『そうかい?君は何気に人たらしだと思うんだが。』
『いいから、さっさと戻してやってくれ。』
『わかった、わかった。』
ケツァルコアトルは手を合わせて祈った。優しい光が辺り一面を包みアルヴァンは目を塞いだ