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転生5回目!? こ、今世は楽しく長生きします!  作者: 実川えむ
ロジータ、覚醒する

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第1話 ロジータ10歳、今、穴に落ちてるところ

「なーんーでーっ!」


 こんにちは。ねこじゅうじん、ロジータです。

 やっと、このまえ10さいになって、ぼうけんしゃギルドにとうろくして、まちのちかくのダンジョン、こうりゃくのパーティのポーターのおしごとにつきました。

 じゅんちょうにこうりゃくのすすんだ、みっかめのおひるきゅうけいのとき、なぜか、まっくらやみのあなにおとされました。せいかくには、つきおとされました。

 おちるしゅんかん、いやーなかんじにわらってたパーティのおねえさんたちのてには、わたしのマジックバッグがありました。


「いやぁぁぁぁっ!」


 あたしのおさえきれないさけびごえが、ごつごつとしたいわのむきだしのかべにはんしゃして、ぐわんぐわんとひびいていきます。


「ひえぇぇぇぇっ!」


 りょうてをおよぐようにバタバタさせたところで、おちるスピードはかわりません。

 おきにいりのぼうしが、とんでいきます。

 みじかいくろかみはばさばさ、くろいねこみみはいかみみ、ながいしっぽはぶわっとふくらんで。


「あ、あ、ひやぁぁぁぁっ!」


 こわくてこわくて、きんいろのめから、なみだがあふれてきて。




 急に時間の流れが、目に見えて遅くなりました。

 それと同時に、何やら、頭の中にいろんな情報が一気に入ってきました。

 ただでさえ、(散々、色んな人に言われた)小さい脳みそなのに、ぎゅるぎゅると押し込められるように入ってくる内容に、思わず声をあげてしまいます。


「ぴぎゃぁぁぁぁっ!」


 そして、頭の痛みと同時に『走馬灯そうまとう』のように、いろんな情景が過ぎていきました。


 ――『走馬灯そうまとう』ってなに?


 知らない単語なのに、思い浮かぶことに疑問を感じつつも、そんなことよりも膨大な情報量に、身体が震えだして、思わず両手で自分の身体を抱きしめます。

 そして、真っ暗な中、ついに視界にゴツゴツした地面が見えました。


 ――もう、じめんにぶつかっちゃう!


 パニくってる『あたし』と、このまま激突か、と妙に冷静に思っている……いや、諦めている『わたし』と、この程度、たいしたことないでしょ? と呆れている『私』が錯綜して。


「……フライ」


 私の口から自然と零れた言葉は、空を飛ぶ風魔法の言葉でした。

 ふわりと空気抵抗がなくなったのは、地面激突5秒前。黒々としてゴツゴツとした岩肌が目の前にあります。これ、ぶつかってたら熟した『トマト』みたいにぐしゃっとなってたかも、と思ったら、ゾッとします。


 ――『トマト』って何?


 そう思ったら頭の中に、真っ赤な丸い果実のような実が浮かんで……ああ、『トマト』か、となりました。

 今まで見たことはないのに、どこからその情報が? と、普通なら思うのでしょうけれど。

 

 どうも、私は前世の記憶というのを思い出したようです。

 ただそれが……前世だけではなく、前々々々世……4回前? の記憶までも。

 正確には、今回が5回目の人としての転生のようなのだと、宙に浮いたままの私、猫獣人、ロジータは気付いたのでした。


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