緒鳴堂 第参拾話 饅ぴー 後編 制服 中編
第参拾壱話 饅ぴー 後編 制服 中編
「参卍のパピヨン! 例の物を……!」
こくり!
「はい! ただ今! チャララ、ララ……ララァ〜……チャララ、ラァ〜ラ……ラァ〜ラァ〜……」
ガラガラガラガラガラガラガラガラ……。
キュルキュルキュルキュルキュルキュル……。
カチッ! カチッ!
「お待ちどうさまです!」
「舞子さんの無駄遣いでしょ? 何ですか? その黒いてるてる坊主は……?」
「参卍のパピヨンです!」
「そこは、徹底してるんですね?」
「カバーを外して!」
「はい! え〜い!」
バサッ!
「割烹A! これを見て! 問題無いか確かめて!」
「えっと……衣紋掛けに掛かった、新しい制服ですか……?」
コンコンコンコン!
「しっかり見て! 問題は無いかと……聞いてるのよ! 閲覧タイムスタートよ!」
「はい!」
カチッ!
「そうですね……見た感じ、問題無いと……思いますけど……?」
「しっかり見たの? 本当に問題無いのかな……?」
「えっ? 何か問題があるとか……? 何ですか……? 真逆の間違い探し的な奴ですか……?」
「別に問題があるとは、言って無いわよ? それを確認するのは、これを発注した、あなた自身でしか出来ないでしょ……? 特注品何ですからね……?」
「あっ……そうか……これ、わたしのだわ」
「今頃気付いたの……? はあ……全くお目出度い事ね? で……どうなのかしら……?」
「はあ……見た感じ、問題無いかな?」
「本当に良いのね? 引き渡した後は、修整出来ないわよ? 本当に良いのね? 後からゴチャゴチャ言って来ても、自腹での修整になりますからね! 今の内にしっかり見とく事をお勧めするわ!」
「自腹とか! 不安を煽らないで下さいよ! デザイナーさんや御針子さんとは、密に遣り取りしたんだもん! 大丈夫っしょ!」
「そこはしっかり見といた方が良くないですか……? 何か、裏が有りそうじゃ無いですか……? あの不敵な笑みを見て下さいよ?」
「何言ってるのよ? 裏何て無いわよ? ありませんよね! 栗戸さん?」
「参卍のリリスよ!」
「そうでしたね……はあぁ……参卍のリリスでしたね!」
「何も無いですよね? 答えてもらってませんけど……?」
「……」
「……はっ? 何故に……沈黙してんのよ? 反論して下さいよ? 沈黙で不安を煽らないでもらえますか……?」
「割烹Aさん! 確認タイム後壱分切ってますよ! ほら!」
「タイム制なの? 後壱分って? 最初に言って下さいよ! 舞子さんも舞子さんですよ?」
「わたしは、参卍のパピヨンてすよ!」
「確認タイムスタートと言ったと思うけど? 聞いて無かったのかしらね?」
「わかり易くタイマー、カチッと押したんですけとね? 分かりにくかったですかね……?」
「パピヨンは悪く無いわ! 割烹Aの集中力が、事更に足りなかっただけですからね!」
「いきなりやって来て、何々ですか? 集中力が足りないとか酷く無いですか? もう!」
ピーピピピピピピピ……。
「確認タイム終了で〜す!」
「パピヨン! アレを持って来て!」
「はい! アレですね!」
「確認タイム終わったんでしょ? まだ何かあるんですか……?」
次回 第参拾弐話 饅ぴー 後編 制服 後編へつづく……。




