緒鳴堂 第弐拾伍話 大目玉玉子玉屋
第弐拾伍話 大目玉玉子玉屋
くるくるシャカシャカシャカシャカ……。
じゅ〜っ……。
カチャカチャカチャカチャ……。
「よっ!」
くるっ!
「よっ!」
くるっくるっ!
「いのちの出汁上がったよ! 恒吉さん! 崩さないように、コレ詰めてね!」
「はいです!」
「たらこ上がったよ!」
「九条葱まみれやっちゃって!」
「ほ〜い!」
「オーダーいれるよ!」
ペタペタペタペタペタペタ……。
「また来た! 間に合わないよ!」
「プレーンと葱焼きの、ハーフ&ハーフ上がったよ! 恒吉さん! お願いね!」
「はいです!」
「じゃがバタチーズの方、先にやっちゃって!」
「ほ〜い! じゃがバタね!」
「チーズ乗せだよ!」
「チーズは恒吉さんとこで乗るんだから、別に呼称しなくてもいいじゃん? 注文伝票見ながらトッピングするんだしさ? 結局わたしが作るの、じゃがバタでしょ!」
「そうだけど! 気持ちの問題でしょ!」
「はいはい……くるっくるっくっと! じゃがバタチーズ上がったよ!」
「すみませ〜ん! 悪魔的煮玉子って? あと何玉いけますかね! 参拾参玉欲しいそうなんですけど……?」
「ちょっと待ってね!」
「オーダー入れるよ!」
ペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタ……。
「ちょっとオーダーストップかけてよ! 間に合わないし!」
「ストップならストップって言っといてよ! もう入れちゃったから頑張って! わたしも、そっち入るからさ!」
「恒吉さん! それ包んだら、わたしと代わってね!」
「はいです!」
「伍拾松さんご覧店! 予約の大目玉弁当デラックス王様の煮玉子トッピング! 上がってる!」
「悪魔的煮玉子、まだ伍拾いけます!」
「全部上げて持ってきて! ショウケースのプレーン無くなるよ! 追加持って来て!」
「えっ! 伍拾松さん……て、参時指定だったよ? 本店で詰めてもらってるから確認するわ!」
「はやくね!」
「分かった!」
「済みません! 煮玉子です!」
「あっ……有り難う! プレーン出来たらお願い! それと、もう少し包むのやっててもらえるかな……?」
「はいです!」
「あっ! 九頭竜さん! 伍拾松さんの大目玉弁当デラックス王様の煮玉子トッピングって上がってます……?」
「オムクレープみたらし上がったよ! あっ! 結構オムクレープ入ってるじゃん!」
ペッペッペッペッペッ!
「伍拾松さん! 急ぎだったら、本店の方で渡せるそうよ! 聞いて見て!」
「確認します!」
「オムクレープ! 焼き穴子、鰻蒲、鯰蒲烏賊足エイヒレ、軟骨、上がったよ!」
「本店で受け取られるそうです!」
「分かった!」
「恒吉さん! 慣れたかな? やってけそうかな……?」
「あ! はいです!」
「参時の休憩の時に話そっか? 店舗移転とか、その間の本店での仮営業のこととかさ……色々とあるから!」
「あっ! はいです!」
「う巻き上がったよ! 恒吉さんお願いね!」
「はいです!」
次回 第弐拾陸話 饅ぴー 新後編へつづく……かも。




