緒鳴堂 第弐拾話 饅ぴー 後編
第弐拾話 饅ぴー 後編
パンパン! パン! パン! パン!
パチパチ! パチパチ! パチパチパチパチ……!
「えっと……」
「復帰おめでとう!」
「……あ……有り難う御座います……ご迷惑お掛け致しました!」
ペコリ!
「携帯治ったの……?」
「……今だ、ブラックアウトから復帰せずです……新しいのに換えました! きっと何時かは戻って来てくれると信じて充電だけはくりかえしてます……」
「そっか……じゃあ! みんな! 今日の議題何だけどさ……方向性からやってこうと思うんだけど……」
「えっと……今日まで考えてきた試作の発表するんじゃ無かったっけ……はい! これ! お願いします! 約束通り、拾語考えてきたし!」
「はい! みんな揃ったところで、手元のプリント見て欲しいんだけど……」
「えっと……試作は僕だけしか……持って来て無い感じ……何かな……?」
「はあ? プリント見てって、言ってるじゃん? その件なら、昨日謝ったと思うんだけど……?」
「えっと……御免! プリントもらっても良いかな……?」
「あっ! 御免! はいこれ!」
「有り難う……えっと……聞いて良いかな?」
「もう読んだの……? 早すぎでしょ? 今、説明してるんですけど……? コレについて……? ね?」
「えっと……試作は……どうなったのかな……?」
「昨日、謝ったのお忘れですか? 夢の世界から来たとか……?」
「謝っでた感じは、覚えてるけど……?」
「なら……いいね! でね!」
「えっと……」
「何……? 納得いって無いわけ……? 真逆? 今から蒸し返そうとか、無しだかんね? 切羽詰まってんのよ?」
「ご迷惑お掛けしてたから……何とも言えないけどさ……? 壱週間胡瓜胡瓜胡瓜胡瓜の胡瓜漬けで考えたんだよ? 胡瓜の試作、見てくれて良くないかな……?」
「先輩! 禁句何で! それ!」
しっ!
うんうんうんうん……。
「何が禁句なの……? みんなうなずいてるけど……?」
「何……そんなにわたしの失敗を煽りたいわけ?」
「失敗も何も……煽るとか無いし……? 胡瓜の試作見て……欲しい……かなって……」
「謝ったら気がすむわけ? 謝るわよ! わたしが全て悪う御座いました! 御免なさい!」
ペコリ!
「えっと……謝られてもね……? 困ったな……?」
「何よ!」
バン!
ガラガラガラガラガラガラ……。
タッタッタッタッタッタッ……。
「先輩が悪いですよ?」
「えっと……何が……かな?」
「酷いと思いますよ! 胡瓜胡瓜胡瓜胡瓜何て連呼する何て、傷口に塩を塗りたくってるようなもんですからね……?」
「そうですよ! みんな気をつけてるんですからね?」
「復帰そうそう……ないわぁ……」
「えっと……話しがついてけて無いんだけど……?」
コンコン!
「ねぇ! 誰が泣かせたのよ? メッチャ号泣してたけど……? ねえ! チェリー君! 顔貸して! 割烹着チェックすらから、事務室に持って来てくよ!」
「あっ……はい」
「先輩! コレも壱緒に御供養してきて下さいね! 百合ちゃん! 書けた!」
「合点承知の助です! はい、書けました! どうぞ!」
「……えっと……有り難う……? この、緑の誘惑、魅惑の壱本 拾番勝負 あなたはイボイボ派! それともイボ無し派! っての……? 何の奴なの……?」
「いいからいいから! 深くは考えないの!」
「栗戸さん! グッドタイミングです! 来月の企画の案のプレゼン、持ってくとこだったんですよ!」
「へえ〜……そうなんだ? 来月の企画、決まってたの……?」
「いいからいいから! 先輩! 復帰そうそう、お役に立てるチャンスですよ! 健闘を祈ります! みんな! 先輩を送るよ! 敬礼!」
ピシッ!
「ふ〜ん……それがそうなの……チェリー君、持って来て! 社長に通せる物か、見させてもらうから……? 割烹着は、わたしが取ってきますから! 先に言ってて!」
カツカツ……カツカツ……。
「えっと……はい! ねえ? 誰か説明してよ?」
「先輩! ファイト!」
パチパチパチパチパチパチパチパチ……。
第弐拾壱話 饅ぴー 續後編へつづく……。




