緒鳴堂 第拾漆話 あっかんべーぐる 後編後
第拾捌話 あっかんべーぐる 後編後
コン! コン!
「チーベー! 参時の販売、行けますよね? 焼き上がり何時ですかね……? スペース空けてますよ!」
「……」
ねえ! 確認のついでに、宣伝用のポップとか、必要な物取って来てよ!
全然準備してないじゃん! 担当誰だっけ?
「は〜い! わかりました!」
弐窯だよね! 上がってたら、持って来てもいいよ!
「は〜い! だ、そうです! 上がってたら、持って行きますけど……?」
「もう少し時間頂戴! 上がったら、持ってくから!」
「そうですか……お願いしますね!」
「ごめんやで!」
「もうすぐ焼き上がるそうです! ポップ取ってきま〜す!」
貼るのもお願いね!
は〜い!
「えっと……出来て無いって言わへんのや?」
「言えるかいな? 焼きは、上っとうで……後、どないするかやな……?」
「どないするって……どないするんや……?」
「どないもこないもあらへんわ? はっちゃけたんやろ? それで行こや?」
「手洗いに行ったまんま……帰ってこうへんで……?」
「いじけとんのやろ?」
「呼んで来るわ! あっ……来たわ!」
「ほら見て! めっさ洗ってきたで! ピッカピカやで! 爪も切って磨いてきたわ!」
「ほうか……で、どないすんや! 催促きたで! スペース空けて、待っとんやってさ!」
「何が……?」
「何がって? 何やねんや?」
「何が……? ピッカピカやがな? ほら……?」
「いやいやいやいや……オチャラケはええねん? はよいいやな……?」
「ピッカピカやがな……? 何やねんな……?」
「いやいやいやいや……何やねんや、や、のうてな……?」
「あかんわ……呆けてもうてるわ?」
「何が……? ピッカピカやがな……? ほらほらほらほら……?」
「ええわ! それはもうええねん?」
「何やねんな? 洗て来い言うたんわ? そっちやで? 何がもうええねんな? わからへんわ? ちゃんと洗て来たやんか? な?」
「それはオッケイや!」
「ほな、ええやんか? な?」
「ちゃうがな?」
「何がやねんな? ちゃわへんわ?」
「ちゃうちゃう?」
「何がちゃうちゃうやねんな? ちゃわへんわ! 言うてんねんで?」
「ケツカッチンやねん!」
「何がケツカッチンやのん?」
「はったゃけたん、ちゃうかったっけ」
「おお! そやわ! はっちゃけたな? もつとおの昔やで? そんなもんぶっ飛んでしもたわ?」
「何やそれ……?」
「何やそれって、何々や?」
「全部パーやがな? の、何やそれやがな?」
「聞かんかったんは、そっちやろが! 悪無いわ!」
「悪い悪無いは、言うとらへんわ! 阿呆やがな?」
「阿呆って言うもんが阿呆やわ!」
「もう知らんわ!」
「ほんまや! 知らんわ!」
「ちょっと堪忍してぇな……?」
第拾捌話 あっかんべーぐる 後編後之後へつづく……。




