緒鳴堂 第拾伍話 あっかんべーぐる 後編
第拾伍話 あっかんべーぐる 後編
ほっか、ほか……もあもあくねくねくねくね……。
「あ〜あ……焼けてもた……結局、不毛な意地の張り合いしとったら……何も思い浮かば何だな……?」
「でもさ! いい感じ何じゃない……な!」
「ほんでも……ちいと柔らかいんとちゃうか……?」
「ええねんええねん! そいくらいで丁度ええねん!」
「そやろか?」
「そやそや!」
「ほな……どうしよな? このまんまでええんか?」
「ええこと無いけど、しゃあないやんな?」
「せやな!」
「ベーコン、焼いとかなあかんやんな?」
「せやな……焼いとこ焼いとこ!」
「焼いてから、巻いたらええんちゃうの?」
「アレにか……?」
「ふん!」
「どない巻くんや?」
「それは、分からんけどな? なんとのう、そう思っただけやけどな?」
「でも……巻くん……ありとちゃうか?」
「あんたもか? 取り憑かれよったんか? 巻き巻き様の呪いに? どうやって巻くんや?」
「それは分からんけどな? なんとのうな……そう思っただけやけどな?」
「なんやそれ? 雁首揃えて、同じ事、時間差で鸚鵡返ししとるだけやんか? 何も話し進んどらへんわ?」
「せやな!」
「……」
「よっしゃ! わたし、逆立ちして考えるわ!」
「おいおいおいおい……徐ろに、逆立ちするか? いきなり……スカート、ぺろんなっとるで!」
「しっ……妙案が出るんちゃう? この流れは……閃きぴかりんこよ」
「そやろか……時間の無駄やと思うけどな? 嗚呼! あかんわ〜っ、何も思いつかんわ〜で……終わりそうな予感、プンプンしとるけど……?」
「いや! ここは出る感じだって! 閃きぽんだよ!」
「閃きぴかりんこって、ゆうてなかったっけ? ふん! そうかな〜……もうプルプルしとっで……?」
プルプルプルプル……。
「そこっ! 五月蠅い! 集中出来へんわ!」
「ほら……やっぱ! あないな事、言うとるやんか……?」
プルプル……プルプル……プルプル……。
「あんた……プルプルしとるで……ここんとこ、鈍っとるんとちゃうか……?」
プルプル……プルプルプル……。
「五月蠅いな!」
プルプル……プルプル……プルプルプル……。
「少し黙って集中さしたり〜な? なぁ!」
「分かった分かった……黙っとったらええねんな……?」
「はっちゃけた! はっちゃけたでぇ!」
「ほうか……」
「テンション低いな〜……閃きぴかりんこしたみたいやで!」
「閃きポン? 言うてなかったか?」
「まあまあまあ……聞かへんのか? はっちゃけたんやで!」
「そうやね……取り敢えず……その手、洗ってこか?」
「はっちゃけたんやって! 聞いてぇな?」
「分かった分かった……はっちゃけたんやね……あっちで! しっかり……手! 洗ってこか! な!」
「……はっちゃけたんだよ! 分かったし! 洗って来るし! ちゃっちゃっと洗って直ぐ戻って来るからね!」
「あかんあかん! 手! しっかり、作業前の奴で、洗って来てよ!」
「ええ〜っ?」
「ええ〜っ? や、ないわ! あんなとこ手着いたらアカンやろが!」
チロ……。
「分かったし! しっかり時間かけて洗ってくるわ! もう……」
ペタペタペタペタペタペタペタペタ……。
「何で雪駄やねん!」
ペタペタペタペタペタペタペタペタ……。
「しらんわ!」
ペタペタペタペタペタペタペタペタ……。
第拾伍話 あっかんべーぐる 後編後につづく……。




