緒鳴堂 第拾参話 饅ぴー 續前編
第拾参話 饅ぴー 續前編
やきもきやきもき……。
やきもきやきもき……。
あ〜火照っちゃうよ〜っ……。
ジャ〜っ……キュッ! キュッ! キュッ!
「んん〜ん……」
ボトボトボトボトボトボト……ポッタンポ……ポッタンポ……。
ぺとぺと……ぺとぺと……。
「あ〜あ……真っ赤っ赤だよ〜……顔、火照ってるし!」
ペタ〜〜〜〜〜……ギュウ〜……。
「暑いけど……鍔広帽ペランペラン付きを装着しますかね! 遮光度は、どれくらいが良いかな……でも、顔が見えなくなるのは嫌だしな?」
キンキラキンキラキンキラキン。
「はあ〜……やっぱ、ここが壱番落ち着くわ〜……」
キンキラキン……。
「黄金の御居処とはよく言ったものだわ! 全て純金の装飾に壱面金箔だもんね! 床は特殊コーティングされてるし! 最初は緊張したけど……慣れるって怖いわ、何とも思わなくなるもんなのよね……毎日使ってると、不思議なものよねぇ! 隣の電算室兼仮眠所も、何の味気も無い殺風景……何とかしてほしいんだけどな……? まあ……クーラーガンガン何だけどね!」
ン〜ンン! ン〜ンン! ン〜ンン!
緊急警報! 緊急警報!
ネトラレ! ネトラレ!
ン〜ンン! ン〜ンン! ン〜ンン!
緊急警報! 緊急警報!
ネトラレ! ネトラレ! ネトラレ!
「どうしたのアイちゃん! もしかしなくても、荒れてるのかな? 此方に転送して!」
は〜い! 了解です!
ピックアップして、転送しました!
「うわ……真っ赤っ赤! オレンジもかなり来てるわね……レッドとオレンジは売りかな?」
全てですか……?
「そう全部! アイちゃん! 若竹の伸びそうなの何か無いの?」
待って下さいよ! こちらですかね……。
「……ああ……無いね……姫筍のつんとかは……」
のこニョッキじゃなくて……姫筍のつんですか?
「わたしのゴーストが囁くのよ、今日はのこニョッキは駄目っぽい気がするから……姫筍無いの?」
姫竹は、これくらいですかね?
「ん〜と……これと、とれと……これかな?」
ピッピッ……ピッピッピッ!
「これでどうかな?」
良いとおもいます! ですが、こちらは……買われないんですかね……?
「まだまだだねぇ! アイちゃんさ……そうね、アイちゃん用にそれ、壱阡買っとこうかな? 勉強しなさいな!」
私用に頂けるんですか……有り難う御座います!
「何時までも優等生ぶった答えじゃ、詰まらないでしょ! 壱度、痛い目にあってみなってアイちゃん!」
いえ、大丈夫です! 必ず伸ばして見せますんで!
「どうだかね!」
あっ! 買付けの時間なので失礼しますね!
「は〜い! じゃあねぇ……大損ぶっこいちゃったなぁ……さあてと……受け渡し窓口に戻りますかね! 遮光度25%かな……あっ! 今日からだったよね? 確か……う〜らうらうらうら、ベッカンコ〜! よっし今日からだ! お昼参Pで頼めるようになったんだった! 本店の食堂まで戻るの、遠かったからマジ助かるわ! 真裏だもんね!」
トゥルルルルル……トゥルルルルル……。
はい! お電話有り難う御座います! 緒鳴堂参P別館で御座います!
「あっ! 裏の、ビックサン受け渡し場だけど! 暴れん棒弐子玉セットにパーニャカウダー付けて持ってきてよ! 今日から良いんだよね! それってさ? 留子っちが居なくなったからかな?」
「今日から大丈夫ですよ! 暴れん棒弐子玉セットに、パーニャカウダー付けるんですね! 了解です! バチバチ色々ありましたからね! その質問はイケズですよ! また、休み時間に寄りますから……色々と聞いて下さいよ!」
「あははははは……分かった! 良い出物とか、耳寄りのドロロンがあるのかな……?」
「それは、会って驚く為五郎ってことで……では……後程……承りました!」
「ふふふ……今日の肥やしになりそうね!」
チャン チャ〜ララ〜ラ ラ〜ラララ ラ〜ラ ララ ララララ ララララ ラ〜ラ ラ〜ララ ラララ! ラ〜ラ! ララララ ララ!
「良い感じで、リトルサンのご到着ね! 伍セットの内、何セット出来たのかしらね? 伍分割弐佰壱セットだったわよね? まっ、降りて見て考えるか……」
カツ〜ン! カツ〜ン! カツ〜ン!
チ〜ン!
ういぃ〜ん!
「態々ピンヒールの、カツ〜ンの音にする意味あるのかしらね? 社長のういぃ〜んの声も腹立つし! まったく……! 閉まれ〜胡麻!」
ういぃ〜ん!
どちらへ行かれますか?
大声でお叫び下さいませ!
「はあ……ボタンにしてよね! リトルサンへ! いっきま〜す!」
音声認識確認致しました!
目的地リトルサンルートセット完了です!
音声認識裏コードをお願い致します!
「音声認識裏コード! 御汁粉知る子蛭子です!」
音声認識裏コード、御汁粉知る子蛭子です確認致しました!
セバスチャンネームを、呼称して下さいませ!
「セバスチャンネーム! セバスチャン!」
ただいま確認中です、暫くお待ち下さいませ!
セバスチャンネーム認識スタート!
セバスチャンネーム……セ確認! OK!
セバスチャンネーム……バ確認! OK!
セバスチャンネーム……ス確認! OK!
セバスチャンネーム……チャ確認! OK!
セバスチャンネーム……ン確認! OK!
オールクリア!
セバスチャンネーム、確認しました!
IDアイ網膜認証致します!
しっかりと目ん玉ひん剥いて、お見せ下さいませ!
「いい加減、階段つけてよね! まったく!」
ピィ〜ピピピピピ……。
IDアイ網膜認証確認致しました!
リトルサンへと、お連れいたします!
揺れにご注意下さいませ!
シュン……!
チ〜ン!
リトルサン! リトルサン!
ういぃ〜ん!
「地下壱階に降りるのに……いるかな? このシステム?」
ようこそリトルサン、俺の自慢さステーションへ!
「おっ! 来てる来てる! なっちゃん! 荷物はどんな感じなの……?」
「あっ! 蛭子さ〜ん! 弐佰、参セットで〜す!」
「そう! 弐佰、壱セットずつで、ビックサンに仕込んじゃって! 上で待ってるから!」
「了解で〜す!」
「はあ……面倒臭!」
ういぃ〜ん!
「あ〜腹立つ声! ビックサン! スタンドアップ!」
ういぃ〜ん!
ビッグサンスダンドアップ!
了解致しました!
行き先をお申し付け下さいませ!
「ターミナルA連結通路」
ターミナルA連結通路ルート確認中です……。
オールクリア!
ターミナルA連結通路ルート、ジバシリ待機中です!
「えっ? まだ連絡入れて無いのに……もう来てるのか」
音声認識裏コードをお願いします!
「音声認識裏コード! 御汁粉知る子蛭子です!」
音声認識裏コード、御汁粉知る子蛭子です確認致しました!
セバスチャンネームを呼称して下さい!
「はあ……面倒くさ! セバスチャンネーム! セバスチャン!」
只今確認中です……暫くお待ち下さいませ!
第拾参話 饅ぴー 後編につづく……。




