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緒鳴堂 【WEB】  作者: 雨澤 穀稼


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緒鳴堂 第拾話 ぼわあめ


   第話 ぼわあめ


「おばちゃん! これ!」


「お姉さんよ!」


「おばちゃん! ぼわあめ!」


「お姉さんよ! どの御口が言ってるのかな……?」


「おばちゃん! 早くしてよ! こ、れ! くるくるしてよ!」


「ふ〜ん……お姉さんって、言ってみようか……?」


「おばちゃん! みんな、並んでるんだよ!」


「みんな並んでるよね! お姉さん!」


「ねぇ! おばちゃんは、くるくるするの仕事何でしょ?」


「わたしも早くくるくるしてほいよ〜……」


「早くしてよ!」


「おばちゃん! はい!」


「ぼくも! はい!」


 はいはいはい……。


「お姉さんよ! ぼああめはサービスなの!」


「あっ! ハアハアおじさん来た!」


「はいはいはい……囲まない囲まない……順番に並んでね! はい! 最初にお姉さんって言えるの誰かな〜?」


「おばちゃん! お姉さんって言って欲しいの?」


「言って欲しいのじゃ無くてね? 本当にお姉さんなのよ! 見ればわかるよね?」


「おばちゃん!」


「ハアハア……ハアハア……お……お姉さん……」


「……ああ……有り難う……御座います……お待ち下さいね……?」


「おばちゃん! 早くしてよ! こ、れ!」


「分かったわよ! お姉さんね! お姉さんって知らないんだ?」


「知ってるよ! お姉さんでしょ! お姉さんでしょ! あそこもお姉さん!」


「わたしは……?」


「おばちゃん!」


「何でよ? 私の方が若いのよ! どっちかって言えば、あっちの方がおばちゃん何だからね?」


「姥目さん! 結構並んでますよ? お昼に出来ませんよ?」


「そうね……分かった! 14時からの分は若森さんよね?」


「そうです! わたし始めて何ですよ?」


「簡単よ! 漆色(ななしょく)のザラメが其々あるわよね! コレですくってココ入れるでしょ! フェアリーフロスが、ボワッとなるわよね! 後は割り箸にくるくるするだけだから!」


「おばちゃん! はい!」


「お姉さんよ! ボワ棒預かります!」


「割り箸だよ! おばちゃんも言ってたし!」


「お姉さん! ぼわあめに巻く時はね、大人の事情でボア棒って呼ぶのよ? 分かってね! もうそろそろお姉さんって呼ぼうね! 何色にするの?」


「レインボーぼわ!」


「レインボーぼわね! 分かりました!」


「若林さん! 若木さん! 姥目さんがレインボーぼわの実践するわよ! 見といたら! 明日担当でしょ?」


「そうですね! 若鶏さん少し代わってもらって良いですか?」


「いいよ! お客様来られたらでいいよね?」


「お願いしま〜す!」


「姥目さん! 勉強させて頂きます!」


「やめてくださいよ……わたし壱番(いちばん)年下(なん)ですから?」


「見た目の貫禄がねぇ……どうしても姉御肌(なん)だよねぇ!」


「始めてよ!」


「分かりました!」


「最初の芯の分はプレーンでいきます!」


 カラカラサララララ………。

 フワンフワン……シャララララ……。

 くるくるくるくるくるくる……。

 

「後は自分の感覚を信じて、適当にザラメをチョイスしてくるくるして下さい!」


 フワンフワン……くるくるくるくる……。

 ホワンホワン……くるくるくるくる……。

 カラカラ……カラカラ……。

 ぷふぁ……ぷふぁ……ホワンホワン……。

 ぶううう〜ん……。

 シュッシュッ……シュッシュッシュッ……。

 くるくるくるくる……ホワンホワン……。


「おお! 見る見る膨らんでく?」


「こんな感じね! はい! どうぞ!」


「でっか〜い! 有り難うくるくるおばちゃん!」


「お姉さんよ!」


「おば様! はい!」


「(おばさまって?)……お姉さんね! 何色?」


「マンゴー大盛りで!」


「マンゴーね! 」


 くるくるくるくるくるくる……。


「はい! どうぞ!」


「おば様! 有り難う! 木星みたい!」


「でっかいメロン!」


「メロンね!」


 くるくるくるくるくるくる……。


「どうぞ!」


「有り難う! おばちゃん!」


「何かへこむわ〜……」


「ハアハアハアハア……お姉さん! 銀河をお願いします!」


「……あっ(面倒くさの来たな?)……銀河ですね!」


「姥目さん? 銀河って(なん)ですか……?」


「目玉焼き見たいなやつです! すみませんけど……ザラメ持ってきてもらって良いですか……?」


「あ……うん!」


「ハアハアハアハア……」


 パン! パン!


「気合い入れないとね!」


「ハアハアハアハア……ハアハアハアハア……」


「先ずはコアから!」


 くるくるくるくるくるくる……。


「コアですか?」


 くるくるくるくるくるくる……。


「これをしっかりやっとか無いと、持たないから!」


 くるくるくるくるくるくる……。


「ザラメ持ってきました!」


 くるくるくるくるくるくる……。


「ハアハアハアハア……」


「くるくるするのに集中したいから……投入お願いします!」


 くるくるくるくるくるくる……。


「分かりました!」


「ハアハアハアハア……」


 第拾壱話 次こそは多分、あっかんべえぐる 後編へつづく……。

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