6話 スケルトン軍団
朝の日の光でクロエは目を覚ました。
(私、いつの間に寝てたの?)
起きあがろうとした所で、全身が弛緩した様に力が入らない。
「え?どうなってるの?力が入らない」
昨日、激しく何度も絶頂して痙攣した筋肉が弛緩しており、力が入らなかった。
立とうとしても、産まれたての子鹿の様に膝がガクガクと笑ってしまう。
「アハハッ、鬼ヤバすぎて動けない」
クロエは、自分の考え無しの行動に笑うしかなかった。
しかし、冷静に考えると笑ってもいられない。
森の中で動けない全裸の女の子がベッドの上で寝てたら襲われても文句は言えない。
時間を掛けて、何とか立ち上がったクロエは、シェルターから出て驚愕した。
「な、何これ!?」
クロエの目の前には、100体を超えるスケルトンの軍団が直立不動で待機しており、クロエの命令を待っていた。
「成る程、そりゃあこうなるわけね」
クロエは、自分のガクガクな脚を見て乾いた笑みを浮かべた。
(あぁ、彼氏もいた事無いのに、身体だけエロく開発されていくみたいで、虚しくなるわ)
クロエは、一体のスケルトンに目で合図した。
スケルトンは、クロエの意図を理解した様に近づいて来て、クロエに肩を貸す。
「本当に使える奴らね」
召喚に必要な代償は大きいが、召喚したスケルトンが優秀なのは、せめてもの救いだった。
(全身汗でベタベタだし、水浴びしたい)
クロエは、スケルトンに寄り掛かりながら、小川へと進んで行き、水に浸かる。
少しひんやりするが、水で汗を洗い流すと気持ちが良い。
グウウ〜!
(お腹空いたなぁ)
この世界に来てから何も食べていない事を思い出したクロエは、主張するお腹を押さえて、スケルトンに指示を出した。
直ぐに数体のスケルトン達が森の奥へ入っていき、別の数体のスケルトンが川へ入って行く。
「何するんだろう?」
クロエは、スケルトンの行動を観察する。
3体のスケルトン達が横並びに川をバシャバシャと音を立てて岸に向かって歩いて行き、反対側ではスケルトンが剣を構えて待っている。
(これって、追い込み漁?)
次の瞬間には、逃げ場を失った大きな魚が跳ねた所でスケルトンの剣が魚の頭を一突きにした。
パチパチパチパチ!
思わず拍手をしたクロエに気を良くしたのか、スケルトン達はまた追い込み漁を始めた。
身体を洗い終えたクロエは、川から上がるが、拭くタオルも着る服もない事を思い出した。
「流石にそろそろ服が欲しい」
(人里で服を買いに行くにも、服屋に着て行く服が無いんじゃ仕方がないし)
そんな事を考えていると、スケルトンがクロエの前に50cn以上ある川魚を3匹置いた。
まだ活きが良いからかピクピクと動いてる。
(・・・今の私みたいね)
クロエは、変な親近感を感じながら、川魚とスケルトンを交互に見る。
「これを食べろって事?」
スケルトンは答えない。
(確か、川魚って寄生虫とか多いから生は危険ってお爺ちゃんが言ってたよね?)
「せめて、焼こうよ」
(ってか火がないじゃん!)
クロエは、肝心な火がない事に気づいて、悩む。
「火の付け方なんて分からないし、どうしようかしら?」
すると、スケルトンが枯葉や藁などの燃え易い物を集め出した。
そして、2体のスケルトンがそれぞれの持つ剣と剣を合わせて、ギャリンッと擦り合わせる。
その瞬間、火花が散り、枯葉に火がついた。
直ぐに小さな小枝などを火に焚べていき、安定させてしまう。
「コイツら、絶対元プロキャンパーじゃん!」
クロエは、スケルトンの手際の良さに感嘆していた。
スケルトンは、ちょうど良い枝に魚を串刺しにして、焚き火の周りの地面に刺して炙る。
「あー、これ死ぬまでに一度はやってみたかった事の一つだ」
クロエは、既に一度死んだ事は忘れて、楽しそうに魚が焼けるのを見つめていた。




