58話 ランクアップ
朝を迎えたクロエは、汗だくでベッドの上で果てていた。
ゲイルは、浮気された事がショックだったのか、いつも以上に激しく責めてきたので、クロエは完全に足腰が立たなくなっており、気絶する様に眠っていた。
「朝だぞ!今日は冒険者ギルドに行くんだろ?」
ゲイルに起こされたクロエは、眠たそうに目を擦る。
「もう朝なの?」
(眠いけど、超回復と健康維持の効果で体調は万全なのよね)
クロエは、ベッドから起き上がると、いつものパーカー姿になり、仮面を着ける。
基本的に素顔は誰にも見せないで生活をする事に決めたので、人前で仮面を取る事は無い。
「確か、朝食付きだったよね」
食堂に行くと、クロエの席が用意されており、スープに目玉焼きとパンとウインナーが準備されていた。
「美味しそう」
期待していたより、良い朝食にクロエは満足そうに笑みを浮かべて完食した。
「よし!冒険者ギルドで報酬を貰いに行くわよ!」
(いくらになるかなぁ?楽しみ!)
殆ど自分では働いていないクロエだが、お金を稼げると言うことが嬉しくてワクワクしていた。
冒険者ギルドまでは歩いて10分くらいの距離なので、ゲイルと共に向かう。
「昨日からスケルトン達も働いてくれてるだろうし、今日もいっぱい稼げると良いね!」
「ああ、金はあるに越した事は無いからな」
ゲイルは、退屈そうに相槌を打つ。
そうこうしている内に冒険者ギルドに到着したクロエは、受付嬢の所へ向かった。
「く、クロエ様!お待ちしておりました!」
昨日とは打って変わって、丁寧な対応をする受付嬢にクロエは、首を傾げる。
「報酬を受け取りに来ました」
「はい!準備は出来ております!」
そう言うと受付嬢は明細を渡してくれた。
精算書
・ホーンラビット×15:7,500センス
・ハニーベア×5:50,000センス
・グリーンディア×10:50,000センス
・マッドボア×10:100,000センス
・キラーエイプ×10:500,000センス
・ゴブリン×10:10,000センス
・ポイズンスネーク×9:9,000センス
・ジャイアントポイズンスネーク×1:100,000センス
・レッサーバジリクス×1:1,000,000センス
・キラータイガー×2:1,000,000センス
・グレイウルフ×20:200,000センス
・ルビー原石:20,000センス
・サファイア原石:30,000センス
・魔性石:50,000センス
「合計3,126,500センス!?」
(普通の人の年収分くらい稼いじゃったの!?)
予想以上の報酬にクロエは、驚きを隠せない。
(これだけあれば、暫く遊んで暮らせそうだけど、金はいくらあっても困らないし、稼げる時に稼いでしまおうかしら?)
「あのー、すみません」
「まだ何か?」
「実は、それは素材の買取代金のみでして、一部の魔物には、討伐報酬があります」
「え?ラッキー!いくら貰えるの?」
「レッサーバジリクスとキラータイガーは、素材と同額の討伐報酬になります」
「つまり、プラス2百万センス!?」
(もう大金持ちになった気分ね!)
「それと、今回の実績を鑑みて、ギルドマスターがCランクへの昇級を許可しました」
「Cって事は前はFだから3階級もアップしたんだ!」
「異例ですが、今後も実績次第では飛級での昇級を許可するそうです」
「分かったわ!また、依頼を受けたいんだけど、何かある?」
「クロエ様の実力でしたら、こちらは如何ですか?」
受付嬢が渡してきた依頼書を見る。
「森に現れたスケルトンの調査と謎の黒い犬の群れの討伐?」
(これって、間違いなく、アイツらよね?)
「今のところ、人的被害は無いのですが、目撃情報が多く、黒い犬が魔物を殺しまくっているらしく、生態系への影響が心配されています」
「へぇ、そうなんですね、取り敢えず他の依頼にしていいですか?」
クロエは、目を泳がせながら別の依頼をお願いする。
「そうですか?残念です、ではこちらは如何ですか?」
「パペットエイプの討伐?」
「はい、危険度が高く、相当な被害が出ているとの事でかなり高い討伐報酬が懸けられています」
「へー、報酬は5,000,000センス!?」
(私の今回の報酬と同じくらいの金額だけど!?)
「討伐するのがかなり難しい魔物らしいので、気をつけて下さいね!」
「はぁ、分かりました」
(まあ、私が討伐するわけじゃないし、金額も高いからいっか)
依頼を受けたクロエは、冒険者ギルドを後にした。




