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4話 代償

 水から上がったクロエが最初に行ったのはゴブリンの死体の確認だった。

 ゲームなどでは、触れたらドロップアイテムが自動で手に入る便利な仕組みがあるが、現実(ここ)では、そうもいかない。


「うぅ〜、臭い」


 先ず何より嫌なのは、その悪臭だった。

 腐った雑巾をドブ川に1週間漬け込んだかの様な臭いが鼻を刺激する。

 しかも、血や臓物が傷口から出ているので、生臭い。


 ゴブリンの纏う布を取ろうとしたが、余りに臭くて諦めた。

 全裸なクロエは、大事な部分を隠す為に使いたかったが、不衛生過ぎて病気になる方が怖かった。

 他にもいくつかアイテムを見つけたが、殆どが使えない物ばかりで、労力に見合わない。

 謎の腐りかけの肉や怪しい紫色のキノコなど、とてもじゃないが口に入れる気が起きなかった。


「使えそうなのは、これくらいかな」

 

 何とかクロエにも使えそうなのは、刃渡り40cmくらいのナイフだけだった。

 

(プロならナイフ1本でサバイバル生活が出来るって言うし、あるに越したことはないよね)


 クロエは、無人島サバイバルの動画で見た知識を思い出しながら、ナイフを握って軽く素振りしてみる。


「うん!これなら大丈夫そう」


 クロエがそんな事をしている間、スケルトンはじっとクロエを見つめながら微動だせずに待機していた。


(このスケルトンって消えないの?)


 普通のRPGなら、召喚した魔物は一定時間が経過すると消滅するか帰還してしまう場合が多いが、このスケルトンは1時間以上経っても消える気配が無い。


「私が召喚したんだし、私の命令に従うんだよね?」


 クロエは、スケルトンの暗い眼窩を覗き込む。

 スケルトンは喋らない上に反応も無い。

 

「ここでキャンプをしたいから、薪と葉っぱを拾ってきてくれる?」


 クロエが試しに命令を下すと、スケルトンは森の方へ歩き出した。


「へぇー、ちゃんと言うことは聞いてくれるのね」


 クロエは、少し安心すると共に護衛のスケルトンが居なくなったことで不安が込み上げる。

 また、さっきみたいにゴブリンに襲われたら生き残れないかも知れない。


「じゃあ、次のテストね」


 クロエは、深呼吸をして、気を落ち着かせる。

 緊張で高鳴る心臓の音が頭に響く。


「スケルトン召喚」


 クロエが力を行使した瞬間、先程と同じ様に地面に闇の穴が開き、新たなスケルトンが現れた。


「やった!出来るじゃん私!」


 クロエは喜んで跳びはねる。


「ひゃっ?」


 しかし、その瞬間、何かが身体に触れた気がした。

 クロエは、触られたお尻を押さえて背後を振り返った。

 しかし、そこには誰もいない。


「・・・ンンッ?」


 今度は胸を弄られる様な感覚がクロエを襲う。

 

(な、何が起きてるの?)

 

 確かに胸を触られている感覚はあるのに、目の前には、誰もいないし、胸にも異常は見当たらない。

 まるで、透明人間に見えない手で悪戯されているかの様な状況にクロエは、恐怖を覚える。


「誰かいるの?」


 クロエが声を掛けるが、当然、返事は無い。

 

「アッ」


 クロエは股を優しく撫でられて思わず声を上げてしまう。

 気恥ずかしさで頬を赤らめながら右手でアソコをしっかりガードした。


「ふへっ?」


 それでも、クロエのガードを無視して股を触られて、クロエは混乱する。


「い、嫌、触らないで」


 見えない手はしつこくクロエの敏感な場所を撫でる様に繰り返し触ってきて、徐々にクロエの漏らす吐息も荒くなっていく。

 クロエの乳首は刺激され過ぎてピンと立っており、股は腿まで汁が滴っている。


「あぁ、だめ、ンンッ!」


 もう直ぐと言う所で、見えない手の責めはピタリと消えた。


「あっ、ハァハァ、お、終わったの?」


 クロエは、嬉しい様な残念な様な微妙な顔で顔を上げた。

 

「もしかして、代償ってコレの事?」


 クロエは、嫌な予感が込み上げてきた。

 見えない手はスケルトンを召喚した直後から現れた上に、それ以外特にコレといった事は起きていない。


(女王リリス様が求める代償は、快楽への堕落です)


 ゴブリンに襲われた時に聞こえた声が再びクロエの頭の中に聞こえてきた。

 冥王の魔導書の解説機能なのか、会話は出来ず、不定期で情報を発信してくれる様だ。


「快楽への堕落って、めっちゃエロいじゃん!」


 クロエは、全裸で顔を真っ赤にして蹲る。

 

(お父さん、お母さん、クロエは、異世界をチートで無双する世界と間違えて、同人エロマンガの世界に来てしまった様です)


 しかし、クロエの心の声が両親に届くことは無かった。

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