43話 新たな始まり
クロエは森の中で目を覚ました。
「うっ?」
太陽の光がやけに眩しく感じて目を閉じた。
もう一度ゆっくり目を開くと緑が視界一杯に入ってきた。
「・・・森?」
凄く長い夢を見ていた様な気がするのに、何故か思い出せない。
(私、冥界の女王と契約して・・・冥界から蘇ったのよね?)
クロエは、冥界で女王リリスと契約を交わしたところのまでの記憶しか思い出せない。
「私、本当に生き返ったんだ」
立ち上がると、やけにスースーと風を感じて違和感を覚えた。
「・・・え?」
自分の身体を見ると、クロエは一糸纏わぬ全裸で森にいる事に気が付いた。
「キャアアアアア!?」
(え?なんで裸?冥界ではちゃんと制服着てたよね?)
クロエは混乱しながらもうずくまって身体を隠す。
幸いな事に森の中なので見られる心配は無いが、いつまでも裸で歩いているわけにもいかない。
「え、何これ!?」
クロエは、自分の下腹部を見て、目を丸くした。
「タトゥー!?こんなの無かったはずだけど・・・」
クロエの腹の下、ちょうど子宮がある位置には、ピンクのハートをモチーフにした淫魔の印が刻まれていた。
「こんなエロいタトゥー、恥ずかしくて見せらんないじゃない!?」
(しかも、この感じは何?凄く下腹部が熱いし、なんか興奮して来ちゃう?)
クロエは、自分の乳首と栗が勃起している事に気付いて、余計に恥ずかしくなって来た。
「私の身体どうなってるのよ?勃起が治らないんだけど?まさかこのタトゥーって、淫魔の印的な効果があるの?」
すると、クロエの目の前に黒い本が突然現れた。
「え?何これ?」
分厚い本は、宙に浮いており、常にクロエの前に位置している。
本には見た事のない文字列が並んでいたが、何故かクロエにはそれが読めた。
「冥王の魔導書?」
(これがリリスが言ってた力のことかしら?)
「そうだ!これがクロエの力だ!」
「え?本が喋った!?」
「俺は魔導書の管理者クリス様だ!」
「魔導書の管理者?」
「そうだ!俺が色々と指導してやるから俺の指示には従う様に!」
「は、はぁ、分かりました」
(会話できる相手がいるってのは、少し心強いし)
クロエは、取り敢えずページを開いて見る。
-本文-
契約者よ、汝に我が冥王の力を授ける。
但し、冥王の力を行使する為には、その力に足り得る魔力を注ぐか、定められた代償を支払う必要がある。
また、冥王の魔導書は、魂を生贄に捧げる事で更なる力を解放する事だろう。
汝が我が望みを叶えた暁には、永遠にこの力を汝に授ける。
但し、汝が契約を破り、逃亡したり、達成出来ずに死んだ場合は、永遠に冥界を徘徊する亡者にする。
「定められた代償って何?」
「代償ってのは、快楽への堕落だ!」
「快楽への堕落?余計分かりにくいんだけど」
「簡単に言えば、エロい事をしたり、快感を感じた分だけ、エロパワーを溜めて冥王の力を使えるって事だ!」
「何それ?エロ漫画の読み過ぎじゃない?」
(何がエロパワーよ!こっちはまだ処女で男の人と付き合った事も無いってのに!)
「確かに俺はエロ本が好きだが、エロい事をしないといけないのは、クロエの方だぜ?」
「取り敢えず魔力があれば代償は要らないんだよね?」
(このクリスの話は真面に聞かない方が良さそうね、異世界転生の基本はチートなステータスだし、私の魔力も賢者クラスでしょ?)
クロエがページを捲ると、都合良くステータスらしき情報が載っている。
契約者
名前:黒木絵里
略称:クロエ
種族:人間
年齢:18歳
身長:162cm
体重:43kg
筋力:8
体力:15
速度:12
知能:10
耐久:6
魔力:0
加護:リリスの呪い(排泄絶頂・魅惑狂化・常時勃起・痛覚快感化・不老不死化・健康維持・超回復・常時欲情・愛液蜜化・理性低下・避妊管理・下着装着不可・精神強化・精力強化・感度狂化・代償後払禁止・絶倫・意思疎通・精液美味化.etc)
ステータスを見たクロエは、驚愕した。
「魔力ゼロ!?」
(いや、そんな事より、リリスの呪いって何よ!?マイナス効果っぽいのも有るけど、不老不死って、チート感が半端ないわね)
「って事は、私は死なないって事!?」
(なんか、いきなり人間辞めましたみたいな感じになってるんだけど、大丈夫だよね?)
「色々と気になる効果がいっぱいあるけど、下着装着不可って何!?一生ノーパンで過ごせって事!?変態の露出狂じゃない!」
その瞬間、クロエはアソコがジュワッと濡れて行くのが分かった。
(な、何これ!?私、凄い興奮してるの?愛液が洪水みたいに溢れてくるんだけど!?)
「私、こんなエッチな女子高生じゃなかったはずなんだけど・・・もしかして、呪いのせい!?」
「正解!常時欲情と常時勃起の効果で今後、クロエは24時間365日、乳首と栗を勃起させた興奮状態が続く事になる!」
「何よそれ!?私が常に発情してるエッチな女みたいじゃない!」
「みたいじゃなくて、エッチな女なんだよ」
「なっ!?」
クロエは、恥ずかしくて顔を真っ赤にする。
「な、治してよ!そんな効果要らないから!」
「これはリリスの呪いだから消す事は出来ないし、解呪も不可能だな!まあ、無駄な抵抗をするより、自分の性欲と上手く付き合って行く方法を考えた方が建設的だぜ?」
「そんなぁ」
(彼氏も居ないのに24時間ずっとエッチな気分でいたら、欲求不満で死んじゃうよぉ)
「まあ、クロエが能力を使うのには、快感は必須だし、オナニーでも何でもして、性欲を満たしていけば良いんじゃないか?」
「お、オナニー!?な、な、何をエッチな事を言ってるのよ!?私がオナニーなんかするはず、ないでしょ?」
「まあ、そう言う事にしといてやるか、いつまで耐えられるか知らんけど」
「この喋るエロ本め〜!」
(このセクハラクリスは無視して、次のページを見よう!世界征服するにしても力がないとね!リリスも世界を滅ぼせるくらいの力があるって言ってたし、どんなチート能力があるのかな?)
クロエはページを捲った。
レベル1:スケルトン召喚
「スケルトン召喚?期待したのとはちょっと違うけど、強いの?」
(他にはどんなのがあるのかな?)
クロエは、次々とページを捲っていく。
レベル2:暗黒物質
レベル3:闇収納
レベル4:魂憑依
レベル5:ブラックハウンド召喚
レベル6:リッチ召喚
レベル7:デスナイト召喚
「ここまでしか開けない、続きは魂を捧げて力を解放しないとダメって事?」
(でも、なんで最初からレベル7まで解放されているんだろ?)
冥王の魔導書は、意識するだけで亜空間から出し入れができる様で、クロエが本を閉じると、冥王の魔導書は消えた。
「取り敢えず、力を試してみようかしら?スケルトン召喚!」
クロエは、1番弱いレベル1のスケルトン召喚を発動した。
しかし、何も起こらない。
「何でなにもお起きないの?」
「当たり前だろ!クロエはまだ何も代償を払っていないんだからな!」
「代償って、エロパワーのこと!?セクハラジョークとかじゃなかったの!?」
(え?って事は、魔力が無い私が力を使う為には、代償として、本当にエッチな事をいっぱいしないといけないって事!?何その同人エロマンガにありそうな設定!?)
「当たり前だ!力を使う前に十分な快感を溜めてないといけないから、事前にオナニーでもするんだな」
「な、そんなの恥ずかしいから嫌よ!」
(何で私がクリスに言われてお、オナニーなんかしないといけないのよ!)
「あっそ、なら好きにしろ!不死身だから死なないしな!敵に敗北してからエロパワーを溜めて行くクロエの姿が楽しみだよ」
バキッ!
その時、背後から音がしてクロエは心臓が口から出そうなほどビクリと肩を跳ね上げる。
「グオオオオ!!」
森の中から現れたのは、5m近くある巨大な熊だった。
「嘘、熊!?」




