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2話 冥王の魔導書

 次にクロエが目を覚ましたのは、森の中だった。


「うっ?」


 クロエは、太陽の光がやけに眩しく感じて目を閉じた。

 もう一度ゆっくり目を開くと緑が視界一杯に入ってきた。


「森だ!」


 ずっと不毛な大地を見てきたクロエにとって、緑がどうしようもなく懐かしく感じられた。

 近くには小川も流れている。


「やった!私、本当に生き返ったんだ!」


 勢いよく立ち上がったクロエは、やけにスースーと風を感じて違和感を覚えた。


「・・・え?」


 自分の身体を見ると、クロエは一糸纏わぬ全裸で森にいる事に気が付いた。


「キャアアアアア!?」


(え?なんで裸?冥界ではちゃんと制服着てたよね?)


 クロエは混乱しながらもうずくまって身体を隠す。

 幸いな事に森の中なので見られる心配は無いが、いつまでも裸で歩いているわけにもいかない。


「冥界の力をくれる前に服を下さいよ〜」


 クロエは、リリスへ愚痴を呟く。

 その瞬間、クロエの目の前に黒い本が突然現れた。


「え?何これ?」


 分厚い本は、宙に浮いており、常にクロエの前に位置している。

 本には見た事のない文字列が並んでいたが、何故かクロエにはそれが読めた。


「冥王の魔導書?」


(これがリリスが言ってた力のことかしら?)


 クロエは、取り敢えずページを開いて見る。


-本文-

 契約者よ、汝に我が冥王の力を授ける。

 但し、冥王の力を行使する為には、その力に足り得る魔力を注ぐか、定められた代償を支払う必要がある。

 また、冥王の魔導書は、魂を生贄に捧げる事で更なる力を解放する事だろう。

 汝が我が望みを叶えた暁には、永遠にこの力を汝に授ける。

 但し、汝が契約を破り、逃亡したり、達成出来ずに死んだ場合は、永遠に冥界を徘徊する亡者にする。

 

「亡者って、それに定められた代償って何?」


 クロエは、不吉な言葉を見つけて顔を青ざめる。


「と、取り敢えず魔力があれば代償は要らないんだよね?」


(異世界転生の基本はチートなステータスだし、魔力も賢者クラスでしょ)


 クロエがページを捲ると、都合良くステータスらしき情報が載っている。


契約者

名前:黒木絵里

略称:クロエ

種族:人間

年齢:18歳

身長:162cm

体重:43kg

筋力:8

体力:15

速度:12

知能:10

耐久:6

魔力:0


 ステータスを見たクロエは、驚愕した。


「魔力ゼロ!?」


 異世界から間違えて召喚されたクロエは、一般人であり、当然、魔力なんてものは持っていなかった。


(え?無理ゲーじゃん!魔力ゼロでどうやって世界征服すればいいのよ?しかも、10段階じゃない時点で他のステータスもクソ雑魚って分かるレベルだし)

  

「私ってもしかして・・・めっちゃ弱い?」


 クロエは、魔力も筋力も無い、かよわい女子高生が異世界の森の中に全裸で放置されている現実を冷静に考えて、かなりのピンチである事を悟った。

 

「と、取り敢えず、冥王の力とやらを確認しよう」


(そうよ!リリスも世界を滅ぼせるくらいの力があるって言ってたじゃない)


 クロエは、僅かな希望に掛けてページを捲った。


レベル1:スケルトン召喚



「スケルトン召喚?」


(え、待って、それだけ?しかも、スケルトンってRPGなら雑魚モンスターじゃないの?)


「代償が何かも書いてないし、これじゃあ無闇に試す事も出来ないじゃない」


 クロエは、必死に次のページを開こうとするが、何故かそれ以上はページを捲ることが出来なかった。


「魂を捧げて力を解放しないとダメって事?」


 冥王の魔導書は、意識するだけで亜空間から出し入れができる様で、クロエが本を閉じると、冥王の魔導書は消えた。



 バキッ!


 その時、背後から音がしてクロエは心臓が口から出そうなほどビクリと肩を跳ね上げる。


「ゲギャギャギャ!ニンゲンノオンナミッケ」


 森の中から現れたのは、3体の緑色の肌をした醜い顔の小人だった。

 クロエは、ゲームや漫画で似た様な魔物を知っていた。


「ゴブリン!?」


 3体のゴブリンは、裸のクロエを見て、いやらしい笑みを浮かべて舌舐めずりをする。

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