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12話 銀髪の青年

 上空から眺めた異世界の街は美しい円形に形作られていた。

 巨大なお城が街の中央にあり、その周りを円形に囲む城壁が3層構造で街を区切っている。

 中心に近い区域は、高級な屋敷が立ち並び、いかにも貴族や上流階級の人間が住んでいそうな雰囲気だ。

 一段下がって2層目の区域は、庶民から中級階級の人間が住んでいそうな戸建やマンションが並んでいる。

 そして、一番外側に位置する区域は、農民や貧しい平民の労働者が住む様な小さな家やプレハブの様なスラム街に近い区域が広がっていた。

 

「これが格差社会ってやつね」


(どこの世界も基本は変わらないのね)


 クロエは、闇夜に紛れる様に、ゆっくりと降下して行く。

 そして、スラム街の中でも光が灯っていない暗い裏道に着地した。

 全身鎧を着た2体のスケルトンも同じ様に着地する。

 周りを見渡してみるが、人影は無い。


「潜入成功」


(何だかスパイ映画みたいね)


 クロエは、若干、ワクワクしながら笑みを浮かべた。


「面白い入国方法もあるんですね」


 その時、真上から声を掛けられて、クロエはビクッと肩を震わせた。


「え?」


 上を見上げると、屋根の上に座っている銀髪の美青年がクロエを見つめて笑みを浮かべていた。


「こんばんわ、お嬢さん」


 青年のエメラルドグリーンの瞳からクロエは目を離せず、吸い込まれそうになる。


(はっ!マズイ!不法入国がバレたら捕まるかも!)


 正気を取り戻したクロエは、直ぐに後ろに下がって距離を取る。

 青年は何処となく気品があり、白いワイシャツも清潔感がある。


(明らかに上流階級の人間って感じね、関わらない方が良さそう)


「すみませんが、先を急いでるので」


 クロエはスケルトンを盾にする様にして急いでその場から離れようとする。


「え!?」


 しかし、いつの間にか、足元が凍り付いており、クロエの足は地面に固定されていた。


「いきなり逃げるなんて酷いなぁ」


 青年はいつの間にか背後に立っており、護衛のスケルトンは全身氷漬けにされていた。


(こいつヤバイ!)


 クロエは背中の大剣を抜こうとするが、一瞬にして、身体が凍えるくらい冷たくなり、全身に力が入らなくなった。


「うそ、動けない!?」

 

「手荒な対応をして申し訳ありません」


 銀髪の青年は、謝りながらも、クロエの拘束を解く気は無く、クロエのフードを外した。


「ですが、僕にはクロエの力が必要なんです」


 銀髪の青年に愛称を呼ばれて、クロエの背筋がゾッとする。


(あれ?私、名乗って無いよね?)


 銀髪の青年は全てを見透かした様にクロエを見つめて笑みを浮かべる。


「僕は君が欲しい」


 銀髪の青年は動けないクロエの左胸に右手を添えると、青く輝く冷たい光の球を押し当てた。


「うっ、冷たい」


 まるで氷の塊が心臓に当てられたかの様な感覚に、クロエは身震いする。


「今のは氷結の呪いです」

 

「呪い!?」


「はい、クロエが僕の命令に逆らったり、僕から逃げようとすると、心臓を凍てつかせて止めてしまう魔術です」


「はい!?」


(まって、それじゃあ、私はこの見ず知らずの男に逆らえない上に逃げられないって事!?)


「でも、安心して下さい、クロエが僕に従順で逃げ出さない限り、危害を与える事は有りませんから」


 銀髪の青年は、不適な笑みを浮かべる。


「ふざけないでよ!そんな非人道的な事が許されるはずが無いでしょ!」


 クロエは、暗黒物質を操って攻撃しようとするが、即座に心臓が締め付けられる様な痛みが走り、動けなくなる。


「カハッ!?」


 クロエは、呼吸ができず、苦しくなり膝をついた。


「ふふふ、僕に敵意を向けただけでも息が出来なくなるでしょ?苦しい?良いよ、そのままお休み」


 段々とクロエの視界が暗くなり、そのまま意識は闇の中に落ちていった。


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