表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/66

11話 闇収納

 日が傾きだし、空が真っ赤に染まって行く。

 

「もう直ぐ夜ね」


 クロエは、森の中を歩きながら、辺りを警戒していた。

 スケルトンの黒騎士が左右の守りを固めており、クロエ自身も大剣を背負って、いつでも抜ける様にしていた。


「探すと獲物って中々見つからないものね」


 クロエが探しているのは食糧になりそうな獣か金になりそうな魔物だった。


(街に入るにしても、売れそうな素材があれば、色々と便利よね?)


 そんな事を考えながら歩いていると、草陰から何かが現れた。

 灰色の毛皮に鋭い牙を持つ獣は、青い瞳でクロエを見つめると、牙を剥き出しにして低く唸り声を上げて威嚇する。


「狼?」


 体長は3m近くあり、犬では無いことは明らかだ。

 しかも、群れと遭遇してしまったらしく、灰色狼は30匹以上いる。


(あれ?これって結構ヤバいんじゃない?)


 狼の群れはゆっくりとクロエ達を取り囲み始めて、逃げ場を塞いでいく。


「でも、今の私はそんなに甘く無いわよ?」


 クロエは、ゆっくりと浮遊して、狼の牙が届かない上空で静止すると、背中の大剣を抜いた。


「狼の毛皮って高く売れるのかな?」


 クロエが大剣を地上へ向けた瞬間、高速で射出され、1匹の灰色狼を両断した。


「ギャウンッ!?」


 それを合図に他の灰色狼達が一斉に地上に残ったスケルトンへと襲い掛かる。


 しかし、灰色狼の牙や爪では暗黒物質の鎧を貫く事は出来ず、スケルトン達によって一方的に蹂躙されて行く。


「ハハッ!流石は私のスケルトン達ね!」


 クロエは上空からスケルトンが狼の群れを斬り殺す様を眺めながら笑みを浮かべた。


(血か、思ったより平気ね・・・私が直接殺しているわけじゃないからかな?)


 地上では灰色狼の血が噴き出し、臓物を撒き散らしており、凄惨な光景が広がっているが、クロエは案外平気な自分に驚いていた。


(一定の魂が捧げられましたので、冥王の魔導書の力が解放されました)


 全ての灰色狼が血に染まった頃、再びクロエの頭の中で声が聞こえた。


「やった!新しい力が解放されたのね!」


 直ぐにクロエは冥王の魔導書を開いて確認する。


レベル3:闇収納


(闇収納?これは良くあるアイテムボックス的なアレの事かな?)


 名前からある程度の機能を予測できたクロエは、地上に敵が残っていない事を確認して、ゆっくりと降りた。

 地上には、30匹以上の灰色狼の死体が転がっており、血の海が出来上がっていた。


(酷い臭い)


 血の鉄臭さと獣臭が混ざり合った臭いに、クロエは鼻を手で塞いだ。


「下手に素人が毛皮を捌くよりはそのまま持って帰った方が良いよね?」


 クロエは、右手を前に出す。


「闇収納」


 すると空間に穴が開き、闇が溢れ出る。


(まるでスケルトンを召喚する時の穴みたいね)


「あっ、ンンッ!?」


 クロエは、アソコを舐め上げられる様な感覚に身悶えする。


(何この感覚?まるで・・・)


 クロエは獣人兄弟の長い舌で身体中を舐め回された時の感覚を思い出した。


(悔しいけど、気持ちが良い)


「ァンッ、や、そんな場所まで」


 身体の隅々まで舌が舐め尽くす感覚はナメクジが身体中を這っているかの様だ。


「お、狼の死体をしヒャッテ!」


 クロエは、身体をくねらせながら、スケルトンに命令を下す。


 スケルトン達はせっせと灰色狼の死体を担ぐと闇の穴へと放り込んでいく。


「ふぅ、これで全部かしら?」


 1匹も運んでいないのに汗だくになったクロエは、闇収納を閉じた。


「もうすっかり夜ね」


 日は完全に沈み、辺りは闇に包まれていた。


「・・・美しい夜空」


 空を見上げると、満天の星空が輝いており、巨大な月が2つあった。


「それじゃあ、そろそろ、不法入国と行きますか!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ