インテリ邪魔者
観光協会会館の廊下を、部員達がどやどやと広間へ向かって歩く足音を聞きながら、幸村朱鷺は栗の皮を剥いていた。大きな茹で栗を、渋皮の付いたまま口に放り込んで何か言う。
「もごもごと何を言っているのかわからない。呑み込んでから話してくれ」
高山紫紺が愛想なく言った。幸村はごくりと口の中の物を呑み込むと、お茶をひと啜りした。
「今日は佐藤君の講義の日か?繁盛しているようで」
「碌でもない噂しか聞かないぜ」
「うむ。まあ暫くは好きにさせよう」
「そう言いたいところだが、幹部からも熱心に通っている奴がいるから厄介だ」
「藤田か」
「あいつは元々生温いところがあるし、俺のことも良くは思ってない節もあるしな」
「それは思い過ごしだろう」
「どうだかな」
「勘弁しろよ、古株同士でごたごたするのは。若い部員が動揺するぞ」
「それは佐藤の野郎が藤田をどう利用して、藤田も藤田でどういう態度に出るか次第だろうよ」
「佐藤が何か企んでいるということか?しかし、まさかお前を敵に回して一戦挑もうなんてことは考えまい」
「俺だけじゃねえ。あんたにも喧嘩売ってくるかもしれねえぜ」
「馬鹿なことを!」
幸村は栗をまた、口に放り込んだ。
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