儂の全てを見てください
夏ももう終ろうとしている。自室の襖を開けていると、庭から涼しい風が吹き込んでき て、風鈴をけたたましく揺らせる。
「もう夏は終わり」
碧小夜は観光協会会館で聞いた音を思い出した。犬若はあのあとどうなったのか。獏爺は無事か。村へ戻ってからずっと気になっている。
風鈴の音に交じって、母の部屋のほうから派手な叫び声が聞こえる。あまり聞きなれない声だ。また新しい氏子を増やしたのかと、半ば呆れていた頃に、ふと、大宮付きの禿の少女がやって来た。禿は碧小夜に向かって桃龍の部屋へ行くように命じた。
碧小夜は彼女の案内で渡り廊下を奥に進み、桃龍の部屋の襖を開けた。そしてすぐさま、絶句した。
坊主頭の大きな男が、尻の穴に突っ込まれた黒い棒のようなものを上下に揺らしながら、分娩台の上で悶えている。その顔は見覚えがあった。男も男で、碧小夜の顔を見ると、目を見開いて絶句した。
「大山さん、何をしているのですか?」
大山は顔を両手で覆うようにして、恥じらった。その姿を見て桃龍が声を上げて笑っている。
「ほら、望み通り、お前の好きな碧小夜を呼んでやったぞ」
「それだけは勘弁してください。恥ずかしい!」
「勘弁ならないね。さあ、碧小夜、こっちへおいで」
碧小夜は戸惑いながらも奥の部屋に入り、おっぴろげになった大山の股間の前に正座し た。
(さすがは高天の宮の女。何の抵抗もないのか)
己の恥部を凝視する碧小夜に大山は育った環境の違いとは恐ろしいものだと、感じ入っ た。
「おい、見んといてくれ、碧小夜よ。こんな情けない姿を見られて、儂は恥ずかしい」
「大丈夫ですよ、大山さん。馴れていますから」
「そういう問題やない。見んといてくれ、碧小夜。ああ、恥ずかしい。恥ずかしいけど、なんか気持ちいい」
「では母上、大山さんはこう仰っていますのでわたしは退出します」
「待ってくれ、やっぱり行かんといてくれ。もっと見てほしい。いっぺん見られたんじゃ、ここまできたらとことん見てくれ。儂の恥ずかしいところを全部見てくれ。頼む!」
尻から出た棒は相変わらず、お辞儀をするように彼の言葉に合わせて上下に激しく動いている。
「さあ、約束の褒美をやろう」
桃龍が碧小夜の腕を掴んでその場に立たせた。「ほら、彼は尻尾が大好き。尻尾を触ってあげなさい」
「はい、母上」
碧小夜は尻から出た棒を軽く握ると、手首にスナップを聞かせて、彼の筋力では届かな い、感部の上天井や底板を刺激した。大山はふぉ、ふぉっと奇声を上げている。
「儂のお尻はまだ発展途上じゃ、どうかお手柔らかに頼む。でないと、肉が緩んで垂れ流しになってしまう」
「あら、まだ後のことを考える余裕があるのね」
桃龍は南瓜の煮つけを口に入れると、柔らかく噛み砕き、大山に口づけして、ペースト状になったものを彼の口に流し込んだ。
「糞尿など、垂れ流しておきなさい。指を指されて笑われながら暮らすの。素敵でしょ?」
「はい、素敵です」
大山は、この快楽の為なら、おむつを穿いた生活も悪くないと、本気で考えた。
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