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欲望のカボチャ村と古都の荒くれ観光協会  作者: 源健司
フフシル事件
81/125

岡莉奈、開発

次回 2/25 21時

 暑い夏の夜も、宇宙に包み込まれるように深まった頃、聖女無天村に騒々しい声が響き渡り、寝床にいた村民が大通りに集まって来た。それと同時に南のゲートからボロボロになった櫓がゆっくりと入村してきた。驚いたのは、その櫓に何やら獣のようなものを縛り付けていることだったが、それが観光協会の超危険人物、岡莉菜だとわかると、大通りは祭り支度をしていた一昨日の真昼のような大騒ぎとなった。


「松明を掲げろ!」


 旦国寺猫の坊が命じると、櫓に使った残りの材木に松脂を含んだ布を巻いて、そこに火が灯された。

「これをどうするつもりだ、クソ坊主!」柘植重衛が傍らから櫓を押しながら喚いた。


「そのまま宮へ通すぞ!」


 そう言って櫓から降りると、猫の坊は一足先に高天の宮へ向い、門前で桃龍への拝謁を願い出た。

 無論、桃龍はまだ起きていた。彼らの成果を見届けるまで、彼女も今宵は床につくわけにもいかない。

 天藍の打掛を羽織り、胸元をしめて自室から早足で玄関へ出ると、そこで猫の坊を引見した。


「どうであった」


 珍しく食い入るように、報告を求める桃龍に、「大成功ですぞ!」と猫の坊は額から汗を流しながら意気揚々と答えた。


 その言葉を聞いて、彼女は「よかった」と呟き、柄にもなくへたり込んだ。


「あの娘は?」


「那智がお連れして帰村しておりますが、訳あって我々は先を急がせてもらいました。大宮様、今夜は長い夜になりますぞ!大きな手土産を持ち帰って参りました」


「手土産とな?」


 同時に桃龍は、目前の猫の坊を通し越し、闇夜の中、大門の向うから松明の火に照らされながらやって来る櫓を視界に捉えた。やがて、その姿がぐんぐんと近づくと、その御身に縛られた巨人に気が付いた。


「あれは」


「観光協会の岡莉菜です」


「まあ!」


 桃龍は裸足のまま土間を駆け下り、大門まで出て櫓を迎え入れた。

 岡莉菜はすでに意識を取り戻していた。しかし、何重にも針金に巻かれ、微動だに出来 ず、観念したのか、抗うことも無く、鋭い視線を上目遣いに上げて桃龍を睨んでいる。


「ああ、なんて美しい」


 桃龍はそう言いながら岡莉菜の黒い頬を撫でた。


「口づけしたら噛まれるかしら」


 「危ないことはお辞めくだされ」猫の坊が慌てて割って入った。「唇を持って行かれますぞ」


「ではどうするの。このまま飾っておくつもり?」


「とにかく、櫓ごと庭に運びますぞ。さあ、野郎ども、もう一息じゃ」


 櫓は大門より高い為、男が二十人がかりで横に倒し、宮の庭に入れ込んだ。

 その様子を軽く腕を組んで眺めている桃龍に、猫の坊が言った。


「あれを南瓜で酩酊させ、宮様にご寵愛頂くというのはいかがでしょう?十中八九、奴は南瓜と誓約の虜になる。協会の戦力を削ぎ、村の味方にできますぞ。そうなれば観光協会など恐れるに足りません」


「観光協会との争いなどどうでもよい。わたしはあやつの体が欲しい。あやつの体が成熟した暁には、わたしの氏子としよう」


「えっ?」


「でかしたぞ!猫の坊!」


「いやあ、しかし、それでは拙僧の位はどうなるのです?」


「心配するな。お前もしっかりと成仏させてやる。生きて帰れると思うなよ」


「有り難き幸せ!」


 猫の坊は今にも腰砕けてしまうそうに、足をがくがくと震わせながら頭を下げた。


高天の宮の西の庭、池のほとりに櫓が通されると、両脇に焚火台が用意され、松明から火が移される。巨大な池の水面に映った炎がぐらぐらと揺れ、満月の光をかき消した。


 旦国寺猫の坊が指揮を執り、焚火に乾燥した南瓜の実や葉がくべられた。


「おいおい、なんちゅうことを、もったいない」


 どさくさに紛れて侵入していた大山大和が嘆かわしい顔で炎を見つめているが、村人は躊躇うこともなく、更に火を巻きあげた。同時にどこからか立てると腰ほどの高さの太い丸太が二本、運ばれて来て、横に並べたそれに櫓を倒して支えさせると、残った針金で固定し た。岡莉菜の体諸共、斜め四五度になった形だ。

 それからまた、今度は細めの丸太が一本、運ばれて来て、猫の坊に渡された。


「大山よ、こいつをここに通して動かぬようにしてくれるか」


「何をする気じゃ」


「いいから、大工道具はここにある」


 大山は言われた通り、手早く丸太の表面を彫刻刀で削ってダボを作り岡莉菜の太ももの裏を、左から右へ貫通させるように通すと、ダボを櫓のほうに空けた穴にはめ込んだ。さらに小さな木片の両端を両者に釘で打ち付けて補強する。


 作業が終わる頃には焚火が良い感じに煙を吹き上げ、岡莉菜を左右から燻していた。瞳孔が開いた目をして、口を開き、天を見上げている。


「準備はできたかい?」

 自室の戻っていた桃龍が、不意に濡れ縁に現れた。その場で打掛を脱ぎ捨てると、肌の色が透けるような薄い寝間着姿になって、草履を穿き、庭に下り立つ。


「それでは仕上げだね」


 そういうと岡莉菜の足元に立ち、腰を屈めると手を伸ばしてゆっくりと、下着も一緒にジャージのズボンを下ろした。ミノムシのように胴体を縛られた岡莉菜はそのまま下半身のみ露わにされ、間の抜けた格好になった。濡れ縁に集まった宮女たちから静かで上品な歓声が上がると、岡莉菜はこっちを見るな!と言わんばかりに、池のほうに恥辱に塗れた顔を逸らせた。


 猫の坊と柘植重衛が顔を見合わせ頷き合うと、岡莉菜の両足をおっぴらげるように持ち上げ、大山が取り付けた丸太の左右に柔らかそうなベロアで出来たロープで括りつけた。まるで分娩台に座ったような、男としては羞恥を極めた格好になった。


「おい、よそ見をするな」


 言うが早いか、マタギの梅也は岡莉菜の頭を掴んで正面を向かせ、京極乳二郎がアルミのじょうごを口に突っ込むと、安治鵺丸が一升瓶を抱え上げてその中に流し込み始めた。中身は南瓜汁だ。岡莉菜は口の脇からダラダラと汁を垂れ流しながらも、喉仏を上下に動かしている。体内に入れなければ溺れてしまう。


 やがて二升が空になったところでじょうごが抜かれた。岡莉菜は大いびきのような呼吸音を出しながら息を切らせ、唇を痙攣させている。もはや、自分が何者なのかもわかならいほどの酩酊状態であろう。沈みゆく感覚は己を魚とも思わせ、中を浮く感覚は鳥とも思わせ る。あるいは、現世であるのかあの世であるのか、それすら判然としない。


「さあ、男どもは去りなさい。あとは宮の仕事よ」


 桃龍が言うと、村の男どもは立ち上がり、庭から出て行った。


「何をしているの?あなたもよ」


 桃龍は傍らで指を咥えて立っている大山大和を睨んで命じた。


「へえ、だがこれから何が始まるのか、儂は非常に興味があるのですが」


「恥辱の快楽は精神状態が大事なの。女に見られる屈辱は快楽に繋がる。しかし、心に一点の曇りがあれば台無しよ。男が男にこんな情けない姿を見られたらどう思う」


「死んだほうがマシです」


「だったら去りなさい。あなたがいると台無しなの」


「なるほど、さすが大宮様!ようわかりました。しかし、ずうずうしい事を言うようじゃ が、儂も今宵は命がけで働いたつもりです。何というか、その褒美的なものを頂けたらな と、厚かましいようじゃが、儂は欲の塊のような男ですから」


「何が望みなの?」


「実は儂も男として生まれたからには夢がありまして。一度で良いから、その、誓約というものを受けてみたいと」


「無礼者!」


 縁側で大玉引が立ち上がり、叱責の声を上げたが桃龍は左手を水平に出してそれを遮り、「考えておこう」と言った。


「是非是非、良いお返事をお待ちしております!」


 大山大和は飛び上るよう出て行くと同時に入れ替わるようにして、渡り廊下を清体師が木箱を下げて歩いて来た。

 岡莉菜の姿を見ると、清体師は目を丸くした。


「まあ、これは難儀ですよ、大宮様」


「毛むくじゃらね」


「剃ってしまっても?」


「構わぬ。任せる」


 清体師は木箱の中からしゃぼんを取り出し、岡莉菜自身の体毛を使って泡立て始めた。そうして剃刀を取り出し、脛から上に向かって、剃り上げて行く。剃刀の刃が通過すると、白い泡が消え、そこに生えていたチリチリとした体毛が無くなり、浅黒い肌が露わになる。

 足の付け根まで剃り終わると、脹脛から丹念に筋肉を揉み和らげて行く。清体師の指に力が入る度、岡莉菜は快感が抑えられず、ふぅっ、ふぅっと小さく声を上げる。やがて太ももまで終わると、今度はまた脹脛に戻り、指先を肌に軽く触れ、くすぐる程度に肌を伝わせて、太ももとの間を何度も往復した。岡莉菜は浮遊して行く己の体に、柔らかな風が触れているかのような心地よさに、目を軽く閉じたまま積極的に受け入れた。そのうち、触れられた指先が鼠蹊部を刺激し始めると、彼は腰を浮かせて、「続けてくれ、やめないでくれ」と言わんばかりに腰を小さく何度も上下させる。


 遠くから女の声が聞こえる。「あら、感じているわよ」という囁き声とともに、クスクスと笑う声。彼はそれに苛立ちを覚えるどころか、更なる快感を増幅させられ、プライドを傷つけられるどころか、そんなプライドなど踏みにじって、肥溜めの中にでも蹴落として欲しいとさえ願った。


 指先は更に深い所に触れる。岡莉菜はグンと腰を突き上げ、濡れ縁からこの恥体を眺める宮女たちに、俺はこんなに感じているぞ、ほらこの情けない姿を存分に眺めてくれと、快楽の限りを表現して見せた。


 が、清体師の手は一旦、そこで止まる。再び剃刀を手に持つと、今度は鼠蹊部から陰茎の周りをそれで撫で始めた。やがて肝心な部分を除いて処理が終えると、おもむろに陰茎が持ち上げられ、その裏から睾丸、肛門に至る道を刃先が走る。それがまた、恥ずかしくも気持ちが良い。岡莉菜の下半身を包んでいた、獣のような毛が全て消えた。

 次は何が始まるのか。岡莉菜はもはや、次なる一手が楽しみで仕方が無く、まるで久方ぶりに主人に会えた発情期の犬のような心境だった。


 しかし、そこで清体師は小道具を木箱にしまい、何事もなかったかのように、庭を出ていた。一糸どころか、ムダ毛一本も纏わず、それを見送る岡莉菜を、宮女たちは「見て、あの悲しそうな目」「可哀想・・・」「ほら、あんなに萎んじゃって」とあざ笑う。


 そんな岡莉菜の背後から、そもと耳の裏に桃龍が生暖かい声を吹き付ける。


「がっかりすることはないよ。こんな程度で終わっちゃあ、高天の宮の名折れさ。心配するな、二度とこの村から離れられない体にしてあげるよ」


 桃龍は岡莉菜の分厚い唇に吸い付つき、暫くと息を漏らしながらしがみ付くと、今度は突き放すように、その巨体を退け、「あとはこの者たちが相手をいたす」と言い残し、濡れ縁へ上って自室の襖をぴしゃりと閉めてしまった。

 それと同時に隣の襖が開き、二人の女が現れた。ひとりは褌を締め、襟元に五穀豊穣と刺繍のされた純白の法被に鉢巻を締めた壮年の女、もうひとりは、乳頭と女陰だけが辛うじて隠れる黒の生地を施した口の部分だけ開いた般若お面を被った女である。

 ふたりは素早く庭の下り立つと蛇のように、岡莉菜の硬い身体に絡みついた。

 褌の宮女は極楽導師という。彼女が鼠蹊部をなぞると、岡莉菜のそれは元気を取り戻し た。


「あらあら、凄いっすねえ、このお兄さん」


 極楽導師はべらんめえ口調で叫んだ。「では皆さん、この巨根のお兄さんを凄いことにしやすよ」


 そう言うと、後ろから手を回すような形で、左右から鼠蹊部を攻撃する。


「見て下さい。ほら、もう何か勝手に溢れて来てますよ。駄目っすよ、巨根のお兄さん、まだ出しちゃ駄目っすよ。触ってもないんですから。では皆さん、見ててくださいね、行きやすよ、やばいとこ押しますよ、さん、にっ、いち、ほら、うわ、あっ、まだ駄目っすよ、我慢して下さいね」


 岡莉菜はまた、腰をのけ反らせ、左右に悶えている。それを見て、宮女たちはきゃあきゃあと歓声を上げて、拍手した。

 般若のお面を付けた火焼丸という宮女は一言も言葉を発さず、耳を舐めながら首元から、胸を指で優しく摩ったり、時折、乳房を彼の腕に擦りつけたりしている。その後も大事な部分をあえて外すような形で、体中の性感帯を攻めた彼女はやがて、岡莉菜の腰に跨ると、両腕を彼の首に回し、股間に全体重をかけた。と、同時に睾丸と菊紋の間のツボを、極楽導師が「それっ」と親指で押す。「うんぐあああああ」という物凄い雄叫びを上げて、岡莉菜の一発目が放たれた。尋常な量ではなかった。幼児の尿くらいの量は出た。それを見て、宮女たちも、普通に驚いた。


「これりゃあ、また凄い量が出やしたねえ。お兄さん、人間ですか?馬なんじゃないっすか?」


 極楽導師がそう言いながら、容器に入った粘液を指に塗っている。岡莉菜の陰茎はまだ天に向かって聳えたっている。


「留まるところを知らないっすねえ、お兄さん。じゃあ、まだ見ぬ世界を開拓して行きやすよ。皆さーん、菊紋行っちゃっていいっすかあ?」


 極楽導師が煽ると「お願いしまーす!」「野生に返らせてやってー!」「三途の川、見せてやってくださーい」という野次が飛んだ。


「じゃあ、始めちゃいやすよ」と極楽導師が指先へどす黒い菊紋の皺を撫で始めると、それだけで岡莉菜は「むおん、むおん」と奇声を上げ始めた。


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