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欲望のカボチャ村と古都の荒くれ観光協会  作者: 源健司
ワールドスポーツフェスティバル葦原京
123/125

消えた南瓜

「どういうことだ!夢南瓜はどこにある!話が違うぞ、佐藤!」


 曽我部議長が鉄扇で佐藤果花のこめかみを横殴りに殴った。


 大混乱に陥ったワールドスポーツフェスティバルの開会式も、何とか無理矢理収めて終わり、そのまま日付が変わっての明け方である。数時間前に議長にもたらされた「夢南瓜は違法薬物」との報告が一転、科学警察研究所の研究員を叩き起こして行われた実験結果がまた、混乱を呼び戻した。


 確かに、高天の宮から押収された夢南瓜からは、覚せい剤やコカインと言った違法薬物が検出されたが、市中で市民が使用していた夢南瓜を分析したところ、一切の化学薬物成分が検出されなかったのである。


 すぐさま、警察に身柄を拘束されている大宮桃龍にこの事実がどういうことか、追及されたが、彼女は断固として知らないの一点張りだった。


「我々が売っていた夢南瓜は、高天の宮での加工食品。その街で押収したという南瓜は、どこか他所から持ち込まれたものじゃないの?」


 そう言って、妖艶な笑みを浮かべるだけであった。取り調べていた堺警部も、この女を自分のものにできるなら、気づき上げたキャリアを捨て去っても良いと思った。


 その後、連日連夜、村人のいない聖女無天村の家宅捜索が行われた。

 しかし、証拠物件は一向に出てこない。

 あの夜、村人が所有していた夢南瓜、パンプキンバーの食材として保管されていたものも含めて、全て、ドラム缶に入れてかがり火の材料として火を着けられた。その夢南瓜がもたらす神秘的な煙を浴びながら、あの夜、皆は戦っていた。


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