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エピローグ

 どこまでもどこまでも広がる海。


 そしてその水面に浮かぶ空へのみちしるべのようにきらめく光の道。その道にいざなわれるように、もっと空へと光へと近づきたくて陸に上がるもの、光を見つめていたくてそこにとどまるもの、空が光が眩しくて海の奥底へと潜るもの。その全てを慈しみ優しく包み込んでくれる母なる海。




「なんで海の色ってこんなに違うんだろうね」


「プランクトンとかの包有率の差だよね。あとは水深」


 お決まりの返しに顔をしかめると、隣でふっと笑う気配がする。


「色の違いは科学的に解明されつつあるけど、でも、数ある海から、その時、自分の見たい色の海を無意識に選んでいるのかもね」


 眩しそうに眼下の海を見下ろす彼に身を寄せると、これもお決まりのようにふわりと包み込んでくれる。そうしてしばらく2人で寄せては返す、さざ波の音に耳を傾けた。


 今、私達が一緒に見ているのはターコイズブルーとコバルトブルーの混じり合う遠浅の穏やかな穏やかな海。これから先、荒れ狂う冬の日本海だとか、夕焼けに染められたどこまでも続いているかのような海岸線の海だとか、今よりももっともっと鮮やかなブルーの南の島の海だとか、これから2人で選ぶ海を心にとどめていきたい。見上げた先にはこちらをのぞき込む私にだけ向けてくれるメガネ越しの暖かな瞳が映る。だから、またこれもお決まりのように話し始める。ただ思いついただけの他愛もない話を。





 誰かを照らしたいと願った深海魚は明るい海を目指した。

 強くなりたいと願ったイワシは群れから離れ新たな海を目指した。


 そうして、それぞれ旅をした2匹はまた出会い、光射す波の狭間でお互いに寄り添い共に進む。

初投稿、無事に完結しました。読んでくださる方がいて本当に感激です。


ちょっとポエムみたいで読んだあとに海が思い浮かぶ話を目指していましたがいかがでしょうか?


次回は肩の力を抜いた作品を準備中です。でもそのうち井上くんの話も書いてみたいと思っていたりします^^

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