表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/25

鬼人戦隊デデデ 第2話 無色の虹


 俺はいつも出撃の前には牛丼に丼から溢れるほどのチーズをかけて食べる。それが俺の験担ぎだ。今日は特別に三種類のチーズをかけた。最高に贅沢だ。


 俺たちは何故空を飛ぶ?

 さぁな。俺も知らねぇ。もっと上の奴らに聞けよ。俺が17ヶ月いて分かったことなんてコイツの動かし方だけだ。


 コイツは気紛れだ。皆口を揃えてこう言う。

『祈れ』

馬鹿馬鹿しい。俺は毎日必死こいて祈ってる奴が炎に包まれて無音の悲鳴を上げているのを見た。祈ってもコイツの癇癪は治らねぇ。

 祈りなんかよりもっと考えるべきだ。後悔のないようにな。牛丼を食い逃したくはねぇ。


 乗るたびに明日また昨日と同じ日々が来るのか頭をよぎる。まったく無意味だってのに。

 死ぬなら笑っていたい。だが、死ぬ瞬間に笑ってられる自信はねぇ。あいつらの顔が、声が、頭から離れない。


 いざ自分もゆくとなると足は思うように進めないな。ただ誰も何も言わねぇから他人から見たらいつもと変わらない俺なんだろう。

 そうだな。前と同じで何事もなく終わるかもな。全ては運次第だ。俺はただ明日の牛丼のことを考えればいい。

 そしたらまた変わらない明日が来る。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


戦闘詳報 抜粋 [検閲済]



魚交暦56年9月49日


作戦計画

イロミズ39号作戦、発令

イロミズ39号作戦概要  以下略


目標:言語を解すサメ(詳細不明:作戦後調査報告下段)

使用機体:ラビット式レイザーテール7号 

型番3857 識別番号665

パイロット:◾️◾️◾️◾️◾️


作戦経過 

135645 発射準備完了

140005 発射

140006 ◾️◾️◾️◾️◾️[ゲーミング]

140018 圧核推進機、分離、破棄成功

140056 第一拘束高度離脱

140112 速度安定空域水平飛行へ移行

141035 排他的空域離脱

141708 国籍不明機補足

141725 国籍不明機2機目視確認

141726 国籍不明機2機と戦闘態勢

141728 空対空ロケット2発発射を確認

+0005 妨害用フレア展開

+0013 ロケット1撃破

+0045 2発目対空対ロケット確認

+0048 回避の為、高度低下

+0053 ロケット失速 墜落

+0101 戦線離脱

141729 国籍不明機、撤退

143224 目標空域到達

143232 【以下検閲済】


164856 機体を確認

171212 回収チーム出動

175705 領海内で機体を回収


戦果報告 【検閲済】


損耗状況

ラビット式レイザーテール7号 

型番3857 識別番号665 大破

破棄決定済み


戦死者


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 空にかかる虹は特別。光のスペクトルは対流層で乱反射する。推進機の熱と圧縮空気が空を2.5度歪める。

 電波が与える影響は人の超自我にダイレクトに共鳴する。我々はさらに先へ行けるだろうか。

 7号はここに来て最低の成果をあげた。王も満足であろう。

 阿呆はまだ星を見ているのか?砂の中にこそ虹はかかるのだ。鐘の音が聞こえないのだろう!

 今世界は回っている。

 国民たちよ、立ち上がれ。彼はその炎を燃やして我等に崇高なる新秩序を見せてくれた。


 え?なんだ?あぁ、あのサメか。まったくあのサメのことを皆聞きたがる。砂の中を泳いだり喋ったりウイルスを狙うサメなんて何が面白いんだ?

 また今度話すから今日は帰って飯にする。

 俺は牛丼を食べなくちゃならないんだ。



 

やぁ。グエンタクリヌンチャスでもどう?要らない?そう?じゃあヤヌノコンリーママゴズは?どうぞどうぞ、君の好きなだけ貰っていくといいよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ