彩
祝!20話記念!
「まずは豪柱、仏柱、そして…印柱。」
不意に3人の柱が呼び出された。
一番初めに呼び出される柱は、大体給与のカットもしくは高難易度ミッションへの参加が命ぜられる。
「お前たちには惑星キャロル・ムーへの探索へ赴いてもらう」
やはり、だ。
俺を含めた三人は今年、顕著な実績を上げることができていなかった。
それに加えて豪柱は年末の社員旅行の金を横領した罪がある。
仏柱には十二勇士の公式ツイッターを炎上させた罪が、そして俺には…。
いや、俺の罪は今更語るまでもあるまい。強いて言えば俺は「ここにいること」自体が罪だ。
俺たちは特異型ラージテール16号に乗り込んだ。今か今かと十二勇士たちが発射の時を待っている。
豪柱は泣きながら出入り口のドアを叩き続けている。仏柱はヤッホー知恵袋に質問を投稿し、状況の打開方法を探している。
俺はそんなことはしない。俺は知っている。この状況を打開するための方法を。
「……。」
祈れ。そう教えてくれたのはアンタだったはずだ…。
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「打ちあがったアル…」
会議会場にて中継映像を見ていたシェンファンがそう呟く。
いつの間にか日は落ち、辺りは闇に包まれていた。独柱が急いで部屋の明かりをつける。
いつの間にか皆、中継に見入っていたのだ。夜が近づいて来ていることも分からなくなるほどに。
暗くなった会場で画面を凝視する大人たちの姿は『異様』というほかなかった。
だが大人たちは目から汁を流して歓喜した。
悲しみの味を知らない3⃣匹の獣は、今日、【可能性】になった。
~十二勇士、残り【9人】~
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さて、首だけになった転売ヤーである俺は、相も変わらずマコと一緒に夕日を眺めていた。
こいつはやたらと俺に日の光を見せたがるのだ。小高い丘を見つければ俺を抱えたまま走っていき、日が出ている方角に俺の顔を向ける。
正直苦痛でしかなかった。眩しいだけで楽しくもなんともない。
こいつはどうしてこうも俺に日の光を見せたがるのか、その答えを探るため我々調査班は…。
「……?」
その時だった、不意に遠くの草むらから何かが近づいてくる。
よくよく見ると肌色のそれは、失ったはずの俺の身体であった。
地面を這うようにして俺に近づいてくるその姿には愛嬌すら覚えた。
体中にまとった草木や泥がここまでの旅路がいかに過酷であったかを物語っている。
身体も俺に気づいたようで、気づかれないようにゆっくりと、だが確実に一歩ずつ距離を縮めてくる。
気づいていないのはこの女だけ。あと数メートルで俺の体が戻ってくるのだ!
俺は祈った。その日ほど必死で祈ったことはなかった。
それで、身体は戻ってきたのかって?
さぁね、それは俺の知るところじゃない…。
~印柱ジョゼ~




