悩める旅人たちへ
社会問題に切り込んだ問題作です。閲覧注意。
結論から言えば俺はゲヘナチケットなるものを売った。
あんな得体のしれないもの、持っているだけで気味が悪い。
幸いにも金券ショップでの買取額は高く、俺は予期せぬ臨時収入を手に入れたことでご満悦だった。
いや、正しくはご満悦「だった」のかもしれない。
あの出来事が起こるまでは。
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その日の午後、俺は稼いだ銭で映画を見に行くことにした。
常に流行には敏感であらねばならない。それが情報屋として生きるコツだ。
当然、見に行く映画は「人情もの鬼狩り侍」だ。
パチンコデカデルデに併設された映画館、「シネマ41」に入館するとそこは人であふれていた。
等身大パネルと写真を撮るもの、コスプレをしているものと楽しみ方は人それぞれだ。
だが、俺の目的はこいつらとは一味違う。
俺はポップコーンと野草ジュースを片手にスクリーンへと入場する。
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【解説】
人情もの鬼狩り侍
時は大正、人の身体を屠る鬼とそれを討伐するために結成された少年11人から結成されるサッカーチーム「鬼滅FC」。
日の光を浴びると饒舌になる鬼と、体幹が異常なまでに強い少年たちが繰り広げる試合シーンは必見もの。
特にキーパーの有栖川タクジンが試合中に放った「あれは虚栄だ。砂の砂漠だ。」というセリフは流行語大賞に選ばれそうだ。
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映画を見終わった後、俺は急いでお土産ショップに駆け込む。
もちろん涙目だ。映画自体は普通に感動した。
映画パンフにアクリルキーホルダー、クリアファイルと目についたもの全てを買い占める。
俺にはある考えがあった。
それは現代の錬金術、「転売」だ。
今の時代、人気のあるコンテンツのグッズを買い占め、ネットサイトで売りさばけば結構な稼ぎになる。
しかし『問題』はそこで起こった。
「お客様、グッズの購入はおひとり様三点までとなっております」
淡々とした態度でそう言い放った店員。その態度は天晴と言わざるを得ない。
よくも、よくもこの私にたいそうな口を利けたものだ。
とはいえ返す言葉もない。私はすごすごとレジカウンターから戻ってくる。
その手には汗がにじんでいた。パンフレットには黒色のシミが広がっている。
結論として、俺はその夜枕を濡らした。
思い出せば思い出すほど、自分が情けなくなる。
部屋中にある段ボールは捌けなかった在庫の数々だ。
俺はどうしてこうも不甲斐ないのか。その答えを探るため、我々調査班は南アフリカへと飛んだ…。
次回の異世界ふしぎ発見は特別編でお送りします。




