表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/25

悩める旅人たちへ

社会問題に切り込んだ問題作です。閲覧注意。

結論から言えば俺はゲヘナチケットなるものを売った。

あんな得体のしれないもの、持っているだけで気味が悪い。

幸いにも金券ショップでの買取額は高く、俺は予期せぬ臨時収入を手に入れたことでご満悦だった。


いや、正しくはご満悦「だった」のかもしれない。

あの出来事が起こるまでは。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その日の午後、俺は稼いだ銭で映画を見に行くことにした。

常に流行には敏感であらねばならない。それが情報屋として生きるコツだ。

当然、見に行く映画は「人情もの鬼狩り侍」だ。


パチンコデカデルデに併設された映画館、「シネマ41」に入館するとそこは人であふれていた。

等身大パネルと写真を撮るもの、コスプレをしているものと楽しみ方は人それぞれだ。

だが、俺の目的はこいつらとは一味違う。

俺はポップコーンと野草ジュースを片手にスクリーンへと入場する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【解説】

人情もの鬼狩り侍


時は大正、人の身体を屠る鬼とそれを討伐するために結成された少年11人から結成されるサッカーチーム「鬼滅FC」。

日の光を浴びると饒舌になる鬼と、体幹が異常なまでに強い少年たちが繰り広げる試合シーンは必見もの。

特にキーパーの有栖川タクジンが試合中に放った「あれは虚栄だ。砂の砂漠だ。」というセリフは流行語大賞に選ばれそうだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


映画を見終わった後、俺は急いでお土産ショップに駆け込む。

もちろん涙目だ。映画自体は普通に感動した。

映画パンフにアクリルキーホルダー、クリアファイルと目についたもの全てを買い占める。


俺にはある考えがあった。

それは現代の錬金術、「転売」だ。

今の時代、人気のあるコンテンツのグッズを買い占め、ネットサイトで売りさばけば結構な稼ぎになる。

しかし『問題』はそこで起こった。


「お客様、グッズの購入はおひとり様三点までとなっております」


淡々とした態度でそう言い放った店員。その態度は天晴と言わざるを得ない。

よくも、よくもこの私にたいそうな口を利けたものだ。

とはいえ返す言葉もない。私はすごすごとレジカウンターから戻ってくる。

その手には汗がにじんでいた。パンフレットには黒色のシミが広がっている。





結論として、俺はその夜枕を濡らした。

思い出せば思い出すほど、自分が情けなくなる。

部屋中にある段ボールは捌けなかった在庫の数々だ。

俺はどうしてこうも不甲斐ないのか。その答えを探るため、我々調査班は南アフリカへと飛んだ…。

次回の異世界ふしぎ発見は特別編でお送りします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ