3.女の子をいじめるのは見逃せません
冒険者学校に入校してから早くも3か月が過ぎていた。
相変わらずまとまらないクラスの中にもいくつかのグループができていた。
入校式の朝に私と母に絡んできた男の子も同じクラスであった。
そしていくつかあるグループの最大勢力のとなっていたのが彼のいるグループであった。
世間一般に言ういじめっ子集団というやつであろうか。
自分たちが勝てそうな子を見つけては嫌がらせを繰り返していた。
今日も体力も魔力も乏しい女の子2人を相手に5・6人でいじめをしていた。
男の子同士で同じような光景は見て見ぬふりをしてきた。
あまり目立ちたくないし、私の力は母を守るために使うと決めていたからだ。
しかし、女の子がやられているとなっては見過ごせない気がする。
心の中で唱える。
【女の子2人に風の保護を!災いをもたらすものに風の精霊様の制裁を!】
すると、女の子につかみかかろうとした男子生徒2人が窓の外まではじかれて吹き飛んでいった。
そして、女の子1人の周りは雲掛かっているように見えるが、おそらくバリアなのだろう。
「お前らなにをした」
と、また一人とびかかり窓の外まで飛んでいく。
残す者たちは怖気づいたのか、飛んでいった者たちを探しに外に飛び出していった。
2人は何があったのかわからず、顔を合わせたまま固まっていた。