異世界旅行(第7部)
薫
「今朝も変わった料理だったけど
すごく美味しかったわね?」
翔
「ああ、どれも珍しくて
美味しかったな」
薫
「今日は何処へ行こうかしら?
楽しみだわ」
翔
「うん、僕はあそこがいいと思う
行ってみたいって思う所が
あるんだ」
薫
「そうなの?じゃあ今日は
其処へ行きましょう」
2人は、朝食を済ませ
一旦、部屋へと戻った
決めた異次元へ行くため
服を着替えた
理沙
「着替えられたのですね
素敵なお召し物ですね
今日は何方へ向われますか?」
薫
「今日は、翔の行きたい場所へ
行こうと思います」
理沙
「わかりました、それでは
…こちらへ」
広いフロアの少し奥へと進む
理沙
「こちらの異世界になります」
薫
「うわぁ、ここも凄く素敵ね」
理沙
「はい、それではお楽しみ下さい」
微笑みながら、書類に書き込んだ
薫が額縁の真ん中に手を置く
「シュン…」微かな音
薫
「ステキ!色とりどりの
風船みたい、可愛い!」
街の中は、何十色もの風船の様な
形状でできた、家や店か並んでいた
1つ1つが
風船を、並べているように
丸くデコボコしている
それが、四角の形状で
家の形や、店の形をしていた
薫
「翔!ここも素敵ね!」
翔
「そうだろ?
チラッと覗き見したとき
ここいいなぁって思ったのさ」
薫
「ウンウン、1つ1つが
とっても可愛いわ!」
人々の姿も
風船を、繋ぎ合わせた様な
服装で、カラフルな感じを受ける
薫
「バルーンの街みたいね」
翔
「ああ、そうだな」
翔平は、薫の溢れそうな
笑顔を見ながら微笑んだ
数多の店が並び
バルーンの様な服が
ウィンドウを飾る
薫
「すごく可愛い!
これ着てみたいわ」
翔
「うん、可愛いな、着てみろよ」
薫
「うん!」
薫は、店に入ると服を選び始めた
どれも、バルーンの様な服だが
その中でも
カラフルなドレスを1着
選ぶと、早速着替えた
薫
「どう?似合う?」
翔
「…うん、似合うよ」
翔平は、薫の姿を見つめながら
少し照れくさそうにしている
薫と翔平は、着替えを済ませると
劇場のような所へ入った
薫
「ここは、何かしら」
ステージらしきところでは
お芝居が、あってるようだった
その手前には
幾つもの
ガラスケースが、置かれてあり
ケースの中には、宝石や古書が
置かれている
薫
「あら?これって
隆史さんの部屋で見た
古書に似てるわ」
翔
「へー、そうなのか?
珍しい古書だな」
薫
「うん、変わってるわよね」
暫くの間
ガラスケースの中を見ていたが
見開きに、されている古書を
薫は、見つめていた
薫
「うーん、やっぱりわからないわ」
そう言いながら
宝石の並ぶ、ガラスケースへと
目を移した
薫
「こちらの宝石も
変わってるわね?」
翔
「そうだな、石の色が多くて
綺麗だな」
薫
「うん!綺麗ー!」
2人は、ステージ上の
お芝居を見ようと、前の席に座った
薫
「面白かったわね?」
翔
「ああ、面白かった」
2人が劇場を出る頃
夕陽が差していた
街中を、2人で歩きながら
気になった店へ入ってみる
全てが、バルーン状で出来ていて
見るだけでも、楽しく感じた
薫
「もう、夜ね」
翔
「うん、そろそろ帰るか?」
薫
「ええ、楽しかったわ」
薫はバルーン状の
ドレスを着たまま
大きな額縁の前に立った
真ん中に、掌を広げて手を置く
「シュン…」微かな音
理沙
「おかえりなさいませ
如何でしたか?」
薫
「ええ、とても面白くて
素敵な世界だったわ」
理沙
「それは良かったですね
お夕食の準備が出来ております
のでお食事をどうぞ」
薫
「ありがとう」
翔
「ありがとう、理沙さん」
2人は、テーブルに着いた