異世界旅行(第6部)
今日は、バレンタインデー
薫は朝から
翔平の事を、想いながら
バレンタインコーナーへと
急いだ
薫
「うわぁ、混んでる」
バレンタインコーナーは人が多く
種類も豊富
薫
「どれがいいかしら?翔って
甘いもの好きだし
アーモンドチョコがいいけど
中々ないわね?」
ズラリと、並ぶバレンタインチョコ
翔平の事を、想いながら選ぶ
薫
「これもいいなぁ、あっこれも…」
既に、軽く1時間は経過している
薫
「うわぁーこれかわいい!」
大きなフロアに
様々なチョコが並ぶ
かわいいものや面白いもの
薫
「あっ!これならいいかも!」
薫は2品選んで決め
レジの行列に並んだ
薫
「翔平、喜んでくれるかしら?」
顔を少し赤らめながら
店を、後にした
薫
「ねえ、翔、今日は
お休みでしょう?」
翔
「おう!何処か行こうか?」
薫
「うん!」
2人は、見たかった映画館へ行った
薫
「面白かったね?」
翔
「おぅ…いい映画だったなぁ」
映画館を出て、レストランへ向かう
平日だが、バレンタインデー
の為か?混んでいたが
やっと席に着けた
薫
「翔、これ」恥ずかしそうに
バレンタインチョコを翔平に渡した
翔
「うん、ありがとう
開けていい?」
薫
「うん、喜んでもらえたら
嬉しいなぁ」
包装紙を開ける翔平
翔
「うわ、美味そう!
おっ!これもいいね
ありがとな薫」
薫
「うん」
薫は、チョコとジャケットを渡した
翔
「ホワイトデーが高く付くなぁ」
そう言いながら、嬉しそうに微笑む
薫
「そうよ」とくすりと微笑んだ
2人のテーブルに
料理が運ばれてきた
薫
「美味しそうね?」
翔
「ああ、食べようぜ」
2人は、話しながら料理を堪能した
薫
「美味しかったわね」
翔
「うん、美味かったな」
レストランを出て、家の近くの公園までやってきた
この公園は、子供の頃から翔と
来ている公園だった
薫は、見慣れた
公園の一角に、違和感を覚えた
一角だけが、蜃気楼の様に見えている
薫
「あれ?…」
蜃気楼の様に
揺らいで見える一角に
手を、触れようとしていた
隆史
「薫ちゃんに翔平君」
隆史の声がしたので、振り向く
薫
「隆史さんに楓さん
こんにちは」
隆史
「今日は休み?デートかい?」
薫
「はい、今日は
バレンタインデーだから」
隆史
「あっ!そうか、楽しんだかい?」
薫
「はい、これから翔の家へ
行くところなんです」
隆史
「そうか、楽しんでおいで」
薫
「うん、ありがとう隆史さん」
薫は蜃気楼の様に揺れる一角に
触れるのを止め
翔の家へと、向かった
隆史
「危なかったね…」
楓
「ええ、知らずに
薫さんが触れてたら大変な事に
なってたわ」
薫
「翔、何だか隆史さん達
少し変じゃなかった?」
翔
「そうか?気が付かなかったよ」
薫は、翔平の部屋ヘ入る
薫
「どう?」
翔
「うん、いいよ、ありがとな」
翔平は、薫から貰ったプレゼントを
早速鏡の前で着てみていた
薫
「よかったー、迷ったんだけど
やっぱりこっちが、似合うわね」
薫は翔平を見ながら
ホッとしていた
翔
「珈琲飲むだろ?」
薫
「うん、ありがとう」
薫は、翔平の部屋の
ソファに腰掛けながら
翔平の本棚に、目を移した
趣味の本がズラリと並ぶ
一冊を、手にとって読み始めた
翔平が、珈琲をテーブルに置いた
翔
「いいだろう?その本」
薫
「うん、翔っぽい本だわ」
薫は、本を閉じて
珈琲を口へと運んだ
2月にしては、暖かな1日
窓の外は
すっかり暗くなっていた
翔
「今夜は、泊まってくだろう?」
薫
「うん、隣だけど、久しぶりに
翔の部屋に止まるわ」
薫は、一旦家へと帰り
お泊り支度を済ませ
翔の家へと、戻ってきた
2人の夜は、楽しく更けていった。