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異世界旅行  作者: 肥後 椿
3/29

異世界旅行(第3部)

理沙

「どれも素敵でしょう?」


「ええ、どれも興味をそそられるわ」


「ああ、どれも面白そうだな」


翔平と薫は、理沙の話に耳を傾け

数時間が過ぎた


「ねえ翔、翔は何処がいい?」


「うん、薫は何処がいい?」


「そうね…まずはここにしない?」


「うん、いいね」


薫と翔平は鏡の異世界の

1つの額縁に決め手を当てた


「シュン…」微かな音


そこはまるで不思議の国のアリスの

ような世界

アニメの中に出てきそうな動物達が

楽しそうに会話をしている


小さい扉や、大きな扉が幾つもあり

ミニチュアのような家や

大きな家具がまばらに置かれている

どれもがロココ調で可愛らしい


その1つにピアノが置かれていた

薫は、ピアノに触れてみる

1つのキーに1つの映像が流れた


「うわぁー素敵!」


「凄いなぁ…」


その映像はまるで

プロジェクションマッピング

夢の様に美しい映像が

キーを叩く度に、空一面に広がる


キーを叩く度に、呼応するように

森の木々がザーッと動く


薫はその映像にうっとりと見惚れている

翔平もまた、その映像に見惚れながらも、薫の横顔に見惚れていた


動物達が話している

その会話に耳を傾けてみる


リス

「ねぇねぇ知ってる?」


リス2

「なぁに?なぁに?」


リス

「あのね、鏡の世界の理沙に恋人ができたんだって!」


リス2

「えー!そうなの?すごいね理沙に恋人ができだんだぁ?!」


薫は、リス達の会話を聞きながら

思わずふきだした


「面白いね、リス達の会話」


「ええ、とっても」

薫は笑いながら応えた


リス達の会話は、面白かったが

向うに見える森の湖の

動物達の演奏会も気になり森の奥へと進んだ


動物達が、ピアノやヴァイオリンを弾いている

奏でられる曲は、美しく

心が、癒やされていく


動物達の演奏会の横では

透き通った湖が、広がり

青空と森の緑、透き通った湖が

美しく、どれも1枚の絵画を

見ている様な気持ちになった


森の木々には妖精たちが

可愛らしく舞っている


しばしの間

薫と翔平は、その演奏会に聴き入っていた


夕陽が差し始めた頃

動物達は演奏を止め

森の中へと帰っていった


「素敵だったわ!」


「ああ、いい演奏会だったね」


翔平は、薫を見つめながら

薫が翔平の方へ顔を向けると

照れくさそうに、目を逸らした


森の中は暗くなり夜になった


「そろそろ、帰ろうか?」


「そうね、また今度来ましょう?」


「うん」


2人は額縁へ手を当て鏡の異世界へと戻ってきた


理沙

「如何でしたか?」


「ええ、とっても素敵な

 時間だったわ」


理沙

「それは良かった、

 この季節は素敵なんですょ」


「ええ、凄く可愛らしかったわ」


「季節によって違うんですか?」


理沙

「はい、季節毎に

 違う面が見られますょ」


「ステキね!また行きたいわ!」


理沙

「はい、是非!」


「うん、また来ような」


額縁はあるものの

どんな異世界なのかは

行ってみないとわからない


理沙

「今日は、お疲れ様でした」


「こちらこそ、ありがとう」


異世界の世界で、過ごした1日も

現実には、数時間程度しか経っていない


鏡の異世界では、

ホテルにもなっている

薫と翔平は、

部屋へと入ってきた


「うわぁーステキ!」


「薫が、好きそうな部屋だな」


部屋の中は

ロココ調の家具が

置かれていて

あの異世界で、見た家具と

そっくりだった


「うん、私好み」微笑みながら応えた


テーブルには、ワインと果物


「ようこそ鏡の異世界へ、

 ごゆっくりお過ごしください」

とカードが添えられている


「ねえ、翔、来てよかったわね」


「ああ、

 何より薫が喜んでくれてるのが

 僕は嬉しいょ」


ホテルの窓からは、

鏡の異世界が一望できる

夕陽に照らされて鏡が反射し

キラキラと輝いて見えていた



























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