異世界旅行(第11部)
隆史は、先日薫が触れた
異次元の扉の様子を
見に来ていた
隆史
「うん、少し亀裂が
大きくなっているが
何とか大丈夫そうだな」
楓
「おかえりなさい、どう?」
隆史
「うん、何とか大丈夫みたいだ」
楓
「良かったわ」
薫が触れた事により
少し亀裂が広がっていた
亀裂からは
「ヴィーン」と微かな重低音が聞こえている
楓は念の為、その夜、公園の亀裂
へと向かった
黒い石を扉の前に置き
呪文を唱えながら、手を円を描くようにまわした
楓
「ふぅー、これで、取りあえずは
大丈夫ね」
呪文を唱え終わると
亀裂がまた、元の大きさに戻った
薫は、前夜の体調の悪さも回復していた
薫
「昨日の夜のあれ
何だったのかしら?
蜃気楼の様な所に触れたら
急な目眩を起こして
体調も悪くなったわ
不気味な感じがするわ」
翔
「薫ー、体調大丈夫か?」
翔平が、部屋に入ってきた
薫
「うん、ありがとう
もう大丈夫ょ」
翔
「そうか、良かった」
薫と翔平は、昨夜の出来事について
話始めた
あれは、一体何だったのか?
隆史が静止た訳も、気になっていた
蜃気楼の様に見える、公園の1角
その1角に触れた事によって起こった
不可思議な体調不良、なぜ隆史は
静止たのか?疑問は尽きない
薫は触れることはしないが
どうしても気になって
もう一度、あの公園へ行くことにした
公園に着いて
真っ先にあの1角へと、向かった
やはり蜃気楼の様に見えている
蜃気楼の様に、見えている場所の
縁を辿ってみる、アーチ型の門の様な大きさをしていた
薫
「これ、一体何なのかしら?
何でこんな門の様な扉の様な
大きさなのかしら?」
翔
「ああ、不思議だな」
2人は、門の様な形をした蜃気楼の周りを、ぐるぐると回った
一種の面の様な箇所
蜃気楼の厚さは、約数センチ
空中に浮くように見えている
薫は体調が悪くなるのを避け
触れずに、ゆっくりと
周りを観察する
蜃気楼の中にも
特に中央辺りは蜃気楼の揺らぎが
大きくなっているその部分を
注意深く観察すると、まるで
何かの、亀裂の部分の様に思えた
薫
「触れさえしなければ
特に害はなさそうだけど…」
翔
「うん、不思議な蜃気楼の部分だな」
薫は、誰もいない夜の公園で
蜃気楼以外の場所も確かめた
公園の周辺から周り、蜃気楼のある
場所までくまなく調べたが
その場所以外では、特に妙な所は
見当たらなかった
薫
「ねえ、翔、思うんだけど
これってまさか
異世界に関係してる
とかじゃない?」
翔
「まさか!?
異世界は管理されてて
それ以外では
存在するはずがないよ」
薫
「うん、そうだけど…
何だかそんな気がするの」
翔
「うん、確かに不思議な空間だけど、僕は違うって思うぜ」
薫
「うん…そうよね考えすぎよね
今度異世界旅行に行くから
そんな気がするのかも…ね」
翔
「あぁ、そうさ」
2人は、夜の公園を調べるのに
約2時間程公園内外を周っていた
異世界ヘ行く事は普通になっていたが、
異世界への、出入り口や
そこへ行くことは、旅行会社の様な所ヘ行って初めて行ける様になっている全てが管理された状態になっていた
「安心、安全な異世界旅行」
そんなCMさえ普通にTVに流れている
ハワイに行くのと、同じ感覚で
旅行に行ける
旅行前には
異世界に関しての注意事項や
健康診断を受ける様になっていた
薫
「取りあえず、体調も回復したもの気にはなるけど…帰りましょう」
翔
「ああ」
家に戻ると、部屋の中は
少し冷んやりしていた
あの蜃気楼の場所は
異世界に通じる門か扉ではないか?
そんな考えが薫の中で過ぎったが
まさか?という思いもあった
その夜も何処か腑に落ちない
気持ちだったが
薫にとっては、翔との異世界旅行
への期待が大きく膨らんでいた
隆史
「薫さんたちは
気付いていないといいが」
楓
「ええ、不思議には思ってるでしょ
うけど蜃気楼って話てたから
多分、扉だとは
気付いてないと思うわ…」
隆史
「うん、僕達以外には、扉だとは
わからないんだな」
楓
「ええ、そうね亀裂も元に
戻ったし、薫さんも
もう、触れないと思うわ」
隆史
「ああ、そうだね」
公園の中の亀裂は
一瞬小さな光を放った