異世界旅行(第10部)
薫と翔平が
鏡の間へ行くと
理沙が、準備を終えて待っていた
理沙
「今日はあの異世界でしたね」
薫
「はい、興味を唆る場所です」
ニッコリと微笑んだ
翔
「僕も興味が湧いてるよ」
理沙と薫と翔平は
鏡の間の右端にある
額縁へと向かった
いつも通り、額縁に手を当てる
「シュン」微かな音
薫
「着いたわね」
翔
「うん、楽しみだな」
2人が着いた場所は
何処かヨーロッパの
城の様な場所だった
城の中をゆっくりと進むと
1人の男性が出迎えてくれた
「ようこそいらっしゃいました
ここはいわゆる
超能力者の異世界です」
男性の名はユーリ
この異世界の管理人だ
男性に連れられて、城の奥に進む
幾つもの部屋が、別れており
其々に、超能力者が生活をしている
ユーリ
「レミ、こちらのお客様に
訓練の様子を見せてあげて」
レミ
「はい、こちらへどうぞ」
案内された場所は
城の中の中庭
噴水もあれば花壇もあり
その横にはアスレチックの様な場所
もあった
レミ
「それでは、こちらから様々な
訓練の様子をご覧ください
終わりましたらお迎えに
あがります」
そう言うと
レミは誰かと話しをして
軽く会釈をして、去っていった
「こんにちは、ラミですレミとは
姉妹になります」
薫
「こんにちは、私は薫
こちらは翔です」
翔平も、挨拶を交わした
2人は、ラミの訓練の様子を
見学させて、もらえる事になった
ラミの側には、教官がいて
厳しい声が聞こえていた
教官の声と共に
ラミが、訓練を始めた
ラミが、物に向かって手を翳す
手を翳した場所に
置いてあるものが
素早く別な場所へと、移動する
念動力のようだった
教官
「まだまだだな、もう一度!」
ラミ
「はい!」
ラミが手を翳す
大きなソファーが
ゆっくりと動き始め
右へと移動する
今度はそのソファーを
上へと移動させるように、手を翳す
ソファは素早く
頭の位置まで移動する
次に、ゆっくりと下へと手を翳す
ソファは、ゆっくりと下へ降りる
ラミが手を翳す方向へ
ソファは移動していく
薫
「凄いわ!凄い…」
翔
「うん、凄いな!」
暫くソファーは、上下左右にと
動いた後着地した
中庭に設置された
木製のテーブルには
カップや皿が並べられている
そのテーブルの椅子に
薫と翔は、腰掛けた
薫の前に置かれたコップや皿を
ラミが手を翳すだけで
お手玉のように触らずに
浮かび、円形を描きながら
宙を舞っている
どうやら軽い物は難なく浮かせ
移動させることが
出来るようだった
ラミは薫と翔平の前に置かれた
カップに手を触れず
紅茶を注いだ
薫
「ステキ!いただきます」
注がれたカップをもち口へと運んだ
薫
「美味しいわ」
翔平も口へと運び
ラミが手を使わず
入れてくれた紅茶を飲んだ
ラミは城の中にあるケーキを
目を閉じ念じながら、手だけを
城の方向からテーブルへと動かす
すると、ケーキが宙を舞いながら
ゆっくりと、テーブルへ降りてくる
テーブルの上に置かれたケーキを
これも、手を使わずに
ナイフで、切り分け
薫や翔の前に置かれた皿の上へと置く
ラミ
「どうぞ、お召しあがりください」
薫
「ありがとう」
薫と翔平は
置かれたケーキを、食べ始めた
その間も、ラミは椅子に腰掛けたままの体制で、紅茶の器を
手を翳し、ゆっくりと城の中へと
移動させる
目を閉じたまま
紅茶を、器に入れる所作をする
また、ゆっくりと城の中から
テーブルの上へと置く所作をする
すると、紅茶の入った器が
宙を舞いながらテーブルの上へと
置かれる
薫と翔はその光景を
驚きながらも
興味津々で眺めている
どうやらラミは
念動力と透視を
同時に行っているようだった
お茶の時間を終えると
ラミは、立ち上がり
教官のもとへ向かった
噴水の水を手を翳し
左右に動かす
すると噴水の水は
左右へと動き
綺麗な虹を浮かばせた
中庭にある大きな石に向かって
手を翳すその後
拳を握る素振りをすると
大きな石は
バラバラと砂利に変わって
下に落ちた
教官が怖い表情で
その様子を見ていた
教官
「うん、いいだろう
今日はこれまで!」
ラミ
「教官、ありがとうございました」
ラミの今日の訓練は終えた
薫と翔は、ラミにお礼を言うと
中庭を後にした
レミ
「お疲れ様でした
楽しんでいただけましたか?」
薫
「はい、とっても興味深い
訓練の様子でした
ありがとうございます」
2人はユーリのもとへと戻った
ユーリが城の中を案内しながら
ラミ以外にも、ここには
訓練をされてる方が沢山いる
そして、また別の訓練者のもとへと案内してくれた
城の中にある
無数の部屋や、中庭では
何人もの訓練生がいて
日々
超能力の訓練をしているのだと
ユーリは話した
幾つかの部屋を見て回り
訓練生の訓練の様子を見て回った
念動力に透視が
主な訓練の様子だった
薫
「ユーリさん
ありがとうございました
またこの異世界に
来てみたいと思います」
ユーリ
「こちらこそ
ありがとうございました」
2人は、鏡の間へと戻った
理沙に今日の異世界は殊の外
興味を、唆るものだったと話した
部屋に戻っても
興奮冷めやらぬ感じで
薫は、翔とその夜
超能力者の尽きぬ話をした。