異世界旅行
薫は、ある日
偶然通りかかった
商店街の、福引を引いた
当ったのは、一等の異世界旅行の旅だった
心、弾ませながら
福引で当てた
旅行の準備を始めていた
翔
「薫、準備は終わったのか?」
薫
「うん、大体はね」
翔
「そっか、じゃあ祭り見に行かないか?」
薫
「うん、今降りてく」
翔平は、薫の幼馴染でもあり彼氏でもある
薫には、隆史という従兄弟がいて
隆史の恋人には、楓という美しい女性がいる
家も近く、頻繁に行き来していた
薫
「お待たせ、行きましょ」
翔
「おう!いいじゃない浴衣かー」
薫
「そっ!似合う?」
翔
「お、おぅ…まあな」照れくさそうな翔
薫
「ふふっ」翔を見ながらくすりと笑う薫
2人は、この日
町内の祭りに、出かけた
ズラリと並ぶ露店に
打ち上げ花火
夏の夜は、楽しく更けていく
薫
「綺麗ねぇ…」
翔
「うん…」
翔平は、薫の言葉に頷きながら
そっと、横顔に見惚れていた
薫が振り向く
翔平は慌てて、目を逸らした
翔
「旅…旅行、楽しみだな?」
薫
「うん!楽しもうね?」
翔
「お…おぅ…」
薫は、翔平を見ながら微笑んだ
祭りを楽しんだ2人は
家へと帰ってきた
部屋へ入るとすぐに
窓を空ける
薫
「ねぇねぇ…」
翔
「ん?…」
窓を空けると
隣家の翔平の部屋だ
薫
「異世界、楽しみだね!」
翔
「ああ!楽しもうな」
2人は、窓越しに数時間話していた
翔
「もう、こんな時間だそろそろ寝よう?」
薫
「あっ!ほんとだ、深夜だね、お休み」
翔
「お休み…」
翌朝、窓を開ける
薫
「おはよう!翔」
翔
「おはよう!薫」
窓越しに挨拶を済ませ
階下へと、降りていく
薫
「待ち遠しいなぁ…明後日かぁ」
慌ただしい朝、通勤電車に乗り込んだ