18 獣人と呪い
白亜の神殿に爆音が鳴り響く。
空から叩き落された槍騎士は一瞬身動ぎしたあと後方に跳ねていく。
地面に魔力を叩きつける、一歩踏み出すごとにより強く、風を掻き分け槍騎士を追う。
槍騎士は盾を前に掲げ打って出てきた。
お互いに加速しながら得物を振るう。
槍騎士は体重差があるにも関わらず上手く盾の角度を調節し剣を弾いていく。
俺も盾の性能に慢心せず槍を逸らし、受け流して……ここだ!
間合いを詰める。
槍騎士の持つ槍は非常に長く強大だが懐に入られると取り回しに制限が生まれてしまう。
だから思い切ってタイミングを計り肉薄する方が安全だ。
だが近付いただけで倒せるほど甘くない、盾によるシールドバッシュ、体当たり、足払い、まさかの投げ、様々なやられ方をしてきたが……全て学習済みだ。
『捕まえたぞ』
高速の足払いを跳んでかわし……盾を手放し空いた左手で槍騎士のマントをその手に掴む。
こうする事で逃げたり間合いを取ったりされる事を防ぐのだ、4回目あたりまではこの技がなくて大変だった。
マントを思いっきり引っ張ると槍騎士は転倒した。
うつ伏せの状態から復帰しようともがく槍騎士の背を足で踏みつけ地面に縫いとめる。
『終りだ』
槍騎士の首へ流星が吸い込まれた。
剣はネックガードを避けるように突き出され、その意外にも細い首を確かに断ち切った。
槍騎士の装備を脱がしていく。
装備を剥がすと中から美青年とも呼ぶべきか、やたら目鼻立ちの整った青年が出てきた。
これが槍騎士の中身、ホルさん曰くドールという人間型の魔導人形だ。
天使に模した肉体に英雄の魂の劣化コピーを宿らせる事によって兵力とする、俺は見た事も聞いた事もなかったが、神の作る迷宮には同様の存在が迷宮主として置かれる事も少なくないのだとか。
青年の胸をナイフで開く、何度か繰り返した作業だがいまだに生理的な嫌悪感を感じる作業だ。
薄桃色の肉を掻き分け探りを入れると胸の辺りに赤い手の平サイズの石が見えてきた。
これがドールの魔石だ、そしてその横に石で出来た箱もある。同時に取り出し、切り分けた。
魔法で石箱を洗浄すると色がはっきりと確認出来た、鈍い金色をしている。金箱だ。
この迷宮の石箱はほとんど金でたまに銀が混じる感じだったな。
石箱をぱかりと開けると中には血のように赤い指輪が入っていた、濃密な魔力を周囲に放ちながら指輪は怪しげに俺の手の中で輝いている。
(とりあえず、指輪の効果とかはあとでホルさんに教えてもらうか)
俺は指輪を魔法の袋の中に無造作に投げ込んだ。
最初は石箱が手に入る度にホルさんに確認していたのだが「まとめてもってきて、何度も起こさないで」と不機嫌そうに注意された。それからは一度もホルさんを起こしていない、彼女は基本的に寝ているのだ。
俺は魔法袋の中をガサゴソと探り、中にある食料の確認をする。
残りの食料は──パン2つと鶏肉の切れ端が残り僅かか、かなり余裕をもって購入していたはずだが旅程は狂いに狂い、このありさまだ。本来予定していたふたつの迷宮に立ち寄るのは不可能……それどころか次に立ち寄る予定だった街に行くにも相当切り詰めて食事をしないといけないだろうな。
(だが……それだけの無茶をした甲斐もあった)
俺は流星を掲げ、その能力を見たいと強く願った。
名前『流星』
【迷宮攻略歴】
迷宮攻略総階層:八十階層
迷宮攻略回数:十五回
【性能】
鋭さ:B
重さ:D
頑丈:A
【特殊性能】
・その剣は生きている <ランク:なし>
・その剣は壊れる事を知らない <ランク:なし>
・その剣は所有者に不可視の存在を見通す力を与える <ランク:なし>
・その剣は不思議な力を込めるのに適している <ランク:なし>
・その剣はあなたの意思に呼応する <ランク:なし>
・その剣は所有者に身体強化・猫を与える <ランク:7>
・その剣は所有者に知識強化・悪魔を与える <ランク:7>
特殊性能も大分増えてきた、「その剣はあなたの意思に呼応する」は前に確認した時には存在しなかったな。この迷宮に入って得た特殊性能をひとつひとつ改めて確認しておくか、俺は増えた特殊性能についてより詳しく知りたいと願った。
【特殊性能・詳細解説】
・その剣は所有者に知識強化・悪魔を与える <ランク:7>
【詳細】
特殊性能「その剣は生きている」によって第三夢幻回廊を攻略した際に得た特殊性能。
その力は、所有者に悪魔の持ち得る知識を与える力。
この力を得た事によって対象は悪魔の持っている特殊な魔術・呪い・武器の扱い等の戦闘的な知識から文化・風習などの教養的な知識までをランクに応じて学び、得る事が出来る。ただし、悪魔染みた思考能力が身についたり、他者を陥れる能力に補正が入ったりする事は無いので誤認しないよう注意するべきだ。執筆担当:ローラ 25歳
これがこの迷宮を攻略する事によって手に入れた特殊性能だ。
俺は知り得なかったがこの迷宮は第三夢幻回廊という名前の迷宮らしい、名前的に第一や第二もあるのだろうか?この特殊性能は槍騎士を倒し、ランクが上がるにつれて悪魔の持ち得る膨大な知識を俺に与えてくれる特殊性能だ。
知識の譲渡は夢の中、つまりは寝ている間に行われる。
ランクが上がってすぐのタイミングで情報を渡される訳ではないんだ。
この特殊性能のおかげで俺も大分悪魔に詳しくなったし、面白い技術の数々を学べた。
実際に使えるようになるには練習が必要になる、焦らず身につけていこう。
【特殊性能・詳細解説】
・その剣は不思議な力を込めるのに適している <ランク・なし>
【詳細】
特殊性能「その剣は生きている」によって迷宮攻略総階層数が五十に達した際に得た特殊性能。
その力は、魔力・聖気・剣気・霊気を代表とする様々な不思議な力をその剣身により容易く宿す事が出来る様になる力。この力を得た事によってその剣は使い手次第でより強大な敵を倒す事が可能になる。
この特殊性能は簡単に言ってしまえば今までよりほんの少しだけ剣の使い勝手がよくなるだけです。
──ですが、戦いの世界、命のやり取りではその〝ほんの少し〟でいくらでも勝敗が左右されます。
この力を得た事に意味が生まれるかどうかは、結局は使い手の腕次第と言えます。執筆担当:ルビー 32歳
この特殊性能は恐ろしい程シンプルだ。
流星に魔力などを通す効率が上がる。説明通りの内容。
しかし、これが非常に大きい。
剣に魔力を込める速さ・精度・そして向上する切れ味が爆発的に上昇した。
本来、魔力というものは不可視の物を対象にするのは難しい。手に握った愛剣の芯に相当する部分を探し当て、込めるのも静止した状態ならともかく走ったり戦闘中だったりする場合には少なからぬ意識を割く必要があった。
だが、この特殊性能を得てからは違った。
何と表現すればいいのか難しいが、魔力を剣に込め始めると剣の方から芯に向けて魔力を導いてくれる感覚と言えば良いのだろうか?要は俺自身が魔力を走らせ芯を探し当てる必要がなくなったのだ。これは高速で槍騎士と戦っている際には大いに役に立った。
【特殊性能・詳細解説】
・その剣はあなたの意思に呼応する <ランク・なし>
【詳細】
特殊性能「その剣は生きている」によって迷宮攻略総階層数が七十五に達した際に得た特殊性能。
その力は、所有者の想いに応じ剣の秘めた力を解放する事が出来る様になる力。
この力は剣と所有者の関係の深さ、所有者の想いの大きさや種類に応じて変化していく。
使いこなすのは難しいが使用出来れば窮地を脱する最後の一手にも成り得るだろう。執筆担当:ラニア 18歳
……?
これは……どうなんだ?
何らかの想いをぶつける事によって剣の秘めた力を解放する?
秘めた力って具体的に何だ?
剣と所有者の関係の深さと言われても会話も出来ない相手とどう交友を深めろって言うんだ?
『うーん、正直全く意味が分からん』
俺は試しに流星を握り目の前の石柱を切りたいと考えながら斬りつけてみた。
石柱の半ばまで剣は食い込んだが切断には至らなかった、切れ味が増しているようには思えない。
うーん。
やっぱり、今すぐに内容を正確に把握するのは難しそうだ。
これに関しては今後も継続的に色々実験しつつ効果を確かめていくか。
白亜の神殿から拠点へ戻りつつ俺はそう結論付けた。
いつも睡眠を取ってる神殿で小休止を取った。
フロンテラで買った茶葉で茶を淹れ空腹を誤魔化す。
以前飲んだときもそうだがこのティーポットで淹れた茶を飲むと不思議と腹が満たされる。
ただ、栄養的には色々問題があるだろう、あくまでも緊急措置だ。
豊穣の女神像──おそらく奉られていた武具の数々からしてこの女神像が女神アウロラなのだろう。
アウロラの女神像の前で手を組み跪き祈りを捧げた、武具という恩恵を授けてくれた事に対する感謝とこれから始めるイーストエデンへの旅の無事を祈る為だ。豊穣の女神様に旅の無事を祈って意味があるのか?と思う人もいるかもしれないが、こういうのは祈った事によって恩恵を受けれると信じる事、勇気を得られる事こそが大事だったりする。
祈りを捧げた後にドレッドノートの母川回帰で地上へ戻る。
──その転移が始まる一瞬、女神像から視線を感じた気がした。
振り返る間もなく辺りは暗闇に閉ざされ、先程までは見えなかった光の川が足元から天へと続きその光の川を沿うようにドレッドノートに導かれていく。転移する距離とこの光の川を遡上する距離が比例しているのか前回より長い時間地上に着くまでにかかったような気がした。
『随分久しぶりに地上に戻った気がするな』
[空気が美味しい……]
『とりあえず疲れただろ?フードの中でしばらく休んでろ』
[うん]
ぐったりとしている相棒を外套のフードの中に寝かせた後──俺は最寄りの街へ向けて駆け出した。
フロンテラからイーストエデンへは大体人間の足で20日程度かかるらしい。
そしてその道中にはいくつかの街が点在している、俺はその中でも最寄りの街へ辿り着き食料を補給した後イーストエデンへ改めて旅をしようと考えていた。先程まで居た月夜の迷宮と第三夢幻回廊がある塔から普通に歩くと三日程度の場所に宿場街があるそうなのでそこを目指す。
足元に魔力を叩きつけ、勢いをつけて森の中を突っ切っていく。
あえて街道を使わないのには理由がある、トラブルに巻き込まれないためだ。
フロンテラの情報屋曰くここ最近フロンテラ─イーストエデン間の街道の治安は最悪らしい。
双方の都市から兵を出し街道の警備を行っているそうだが……盗賊の類ならともかく街道を荒らしているのがイーストエデンへと日々侵攻を繰り返しているコボルドなので中々殲滅するのが難しいらしい。
俺一人だったらそんな厄介事が起こっていても見捨てて先へ進むだけでいい。
これが冒険譚なら襲われている馬車なり旅人なりを助けて名声を高めるのだろうが、現実でお互いに剣を振るったり魔法を唱え合っている集団に無闇に加勢すると色々な面倒が想定される。例えば武装している自分が近付いた事によって襲われている人間の注意が一瞬逸れ襲撃者に殺されてしまったり、無事に襲撃者を倒せてもあまりにも都合のいい場面で助けに来たなと余計な疑いを生んでしまったりするだろう。
そして一番の問題が普段金を取り、依頼で護衛をするはずの冒険者が無料で他人を助けてしまった事によって起こる金銭的なトラブルだ。後々になって「あの旅の冒険者は無料で助けてくれたのにお前達は金を取るのか?」と他の冒険者に言われてしまったりすると余計な因縁を生む。お金を取った場合は「金が欲しくて助けに来たのか、守銭奴め」とか言われるだろう、どう転んでも面倒臭い。
そしてそんな面倒な人助けを積極的にやりたがる奴が今俺の背で寝ている。
ドレッドノートは何と言うかそういう気質な気がする、人助け出来るのにやらない、挑戦する力があるのにしないみたいなのが嫌いなのだ。魚類とはいえ姫だからなのか、古の冒険譚に憧れているのか、その由来まではまだ分からないけどね。
そう、気付いた時には既に遅かった。
俺の耳は剣の特殊性能のおかげで非常に優れているが、移動速度も向上したせいで音に気付く前に必要以上に近付き過ぎていた。
濃密な血の匂い。
周囲の木々は魔法で凍り、又は切り裂かれて森の中に人為的に広場が作られ視界が開けた。
木々に氷の柱で縫い止められた獣人の死体。
袈裟斬りにされたのか肩から腹にかけて両断された物もある。
広場の中央では高速で真っ赤な髪を振り乱しながら戦う少女と銀色の毛をした巨躯の獣人が剣を切り結んでいた。よくよく見れば少女の背には仲間なのか黒い髪をした小柄な少女が倒れていた、庇いながら戦っているという事なのだろうか?
ゴソリと……俺の外套のフード部分が蠢いた。
血の匂いに反応したのか思わず立ち止まった俺に反応したのかは本人にしか分からないだろう。
どうするべきか?
ここは手を貸すべきか?
ここで手を貸さなかった場合……ドレッドノートは俺に対してどういう感情を抱くだろうか?
『おい、助けは必要そうか?』
「!」
迷ったのは一瞬、とりえあず声をかけることにした。
返答は彼女の鋭い蹴りが獣人に突き刺さると同時に返ってきた。
「お願いします、報酬は街に帰ってから要相談で」
『分かった』
報酬まで貰えるなら戦わない理由は無い。
依頼と言う形にして貰って実績として数えてもらうのは無理かな?
そんな事を考えつつも俺は既に獣人に肉薄していた。
銀色の毛皮、首の周りだけは茶色い毛で覆われている。
コボルドは犬の顔に人間の身体の獣人と聞いていたけれど、こいつはどちらかというと見た目的には狼にさえ見えた。見るからに力強い筋骨隆々とした体躯と左目に走る傷跡が歴戦の戦士を思わせた。
獣人はその手に握り締めた剣をこちらへ真上から振り下ろしてきた。
俺は一目見てその剣を無視して獣人の胸へ剣を突き立てた。
獣人の剣が振るわれるよりも早く俺の剣は奴の胸を喰らいそのまま押し込むように深く深く突き刺さった。万が一獣人の剣が俺の想定よりも早くても──あの剣と獣人の膂力が槍騎士の槍より高い殺傷力を持っているようには見えなかった。今回は負傷者がいて、長期戦で疲労した少女までいる、短期決戦の為にかなり強引に止めを刺しに行ったのだ。
剣を手放した獣人の爪が、牙が俺の鎧を食い破らんと伸ばされた。
確かに止めを刺したと思ったが、コボルドというのは思った以上にタフならしい。
獣人の反撃を見てから回避していく、遅い、槍騎士に比べたら遅すぎる。
それにしても胸を刺した程度では死なないのか、なら首を折り頭を潰してやるか。
瞬時に起き上がった獣人は、こちらに背を向け尻尾をなびかせながら走り去ろうとする。
あまりにも分が悪いと判断したのだろう、だが──逃がす気は無い。
『我が手の平で踊るに踊れ──<こちらへ来い>』
呪文の詠唱が完了すると共に神秘盾を大振りで何も無い空間へ振るう。
次の瞬間、走り去ろうと広場を抜け森へ入る瞬間だった獣人が目の前に呼び出された。
一見何も無い空間に振り下ろされたように見えた重厚な神秘盾は呼び出され困惑する暇すらない獣人の首へ思いっきり叩きつけられた。骨を確かに粉砕した手応えがした、だが先程の生命力を見るにきちんと首を両断した方がより確実に命を断てると判断した。
獣人が崩れ落ち、倒れるまでの刹那に流星が天より舞い降りた。
骨を砕かれ不自然に曲がるその首をしっかりと胴体と切り離した。
万が一の事も考えしばらく警戒したが獣人が再び動き出す事はなかった。
完全に殺したと、俺はそう判断した。
殺傷能力自体はさほど高くないが恐ろしくしぶとい魔物だった。
一匹ならまだしも群れで襲ってきた場合は注意が必要だろうな。
俺は獣人の剣と首、そして胴体を魔法の袋に収めた。
この場合あの獣人の死体は誰の物になるんだろうか?依頼主の少女の物?
まあ、持って帰れば報酬に色ぐらいつけてくれるだろう。
『倒してきたぞ』
「ありがとうございます、とても強いんですね」
とても強いか……微妙に返答に困る返しだよな。
ここで変に謙遜すると「じゃああなたが倒した獣人を倒せなかった私が弱い事になるじゃないですか」みたいな感じに思われそうだ、ちょっと考えすぎか?
『……それより、その少女は手当てしないのか?』
「先程からポーションで治療を行っているんですが、何故か効き目がなくて!」
『ちょっと見せてみろ』
俺は赤髪少女に了承を得てから黒髪少女の傷跡を確認する。
呪いだ、治療を困難にする為の悪意に満ちた呪い。
悪魔や魔獣などが使う面倒な呪いの一種だが……。
(ただ自分の獲物に逃げられないようにする為だけの簡易的な呪いだ。)
(深さも無ければ濃さも無い、奇跡で簡単に治療可能だな)
跪き、両手を胸の前に重ね自らの信じる神に奇跡を希う。
身体に満ちる聖気が、祈りの言葉を捧げるたびに神の奇跡を地上に顕現させようと蠢き、対象に作用しようとしていく。
『慈悲深き我らが主よ、仇敵に穢され傷つきし英雄へ、施しの光をお与え下さい』
『<浄化の光>』
周囲に一瞬光が満ちた。
瞬きするほどの刹那の時間、しかしその一瞬で黒髪少女の身体を蝕む呪いはあらゆる痕跡を残さず消え去っていた。
「今のは……奇跡?」
『これでポーションが効くようになった筈だ、もう一度試してみてくれ』
「は、はい」
首肯した後赤髪少女は手の平サイズの管から濃い赤色をした液体を黒髪少女に垂らしていった。
……ポーションの目利きなんて出来ないのだが、そのポーションが入っている管を保管しているホルダーの雰囲気からなんとなく上等なポーションなんじゃないかなーとかやたらどうでもいい事が気になった。
ポーションが黒髪少女の傷ついた首筋に垂れると、ジュウッと煙を立てながら少女の傷口が癒えていく。早い、あっと言う間に治っていく。流石に奇跡ほど即効性は無いんだろうがそれでも俺の知っているポーションの効果よりかなり早い。気付けば彼女の首筋には綺麗に肌が生まれていた。赤髪少女が血を拭うと最早寝ているようにしか見えない。
ガサっと。
ドレッドノートがまた身体を横たえ寝に入った気配がした。
(俺はお前に失望されない行いが出来たかな?)
状況が落ち着き、一先ずやるべき事を済ませた俺は黒髪少女の身体を念入りに確認している赤髪少女の後ろでそんな事を考えつつ夜空を見上げるのだった。
本来こういったスペースにこのような事を書くのはどうかと思うのですが。
どうやらPVが3000を超え、ブックマークが22件、総合評価は100を超えました。
とてもありがたく思います、一時期あまりにもブックマークが動かず、意図的に小説情報を見ないように心掛けていたぐらいだったので気付いた時にはとても感動してしまいました。
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